医療財政の逼迫、国民の医療費負担増、病院の倒産・廃業、病床の減少と転換、地域包括化と高齢者の在宅シフト、食事療養費の個人負担増加、栄養加算の見直し、嚥下食や咀嚼困難者食の普及、ＰＥＧ栄養の評価と変化、高齢者の低栄養への注目など、『栄養剤、流動食、栄養補給食品』を取り巻く市場環境は変化しています。
そのような中、栄養剤・流動食・栄養補給食品メーカーは、ＯＮＳへの対応、病態別製品やＰＥＧ専用製品やソフトバッグ製品の強化、容器のユニバーサル化、長期使用を見込んだ微量元素や食物繊維の添加、味や食感の改良、固さの調整、補食対応、高カロリー・高たんぱくタイプ、加水タイプなどの製品開発を進めています。また、栄養士資格者によるサポート強化、在宅マーケットや健常者の栄養補給を想定した流通対策、WEBでの研修やセミナーの開催、会員組織の強化、ＮＳＴへの販促強化、ドラッグストア店頭配荷による一般流通への注力、自社ＨＰや専門ネット通販での販売、製造ラインの増・新設、製造の受委託強化、海外展開、在宅医療サービス企業や食品宅配業、医薬品卸や全病食卸などとの提携などを進めています。
その結果、メーカー間の販売競争は激しさを増しており、特定製品のシェア拡大、上位メーカーへの寡占化が進行しています。また、競争激化や得意分野への事業領域集中から市場撤退や事業統合するメーカーもあります。一方、栄養補給食品においては新規参入も見られ、活発な製品改廃も相俟って市場は拡大しています。
本資料では、周辺環境が変化する中、新製品の市場投入や価格競争の激化により激動期にある『栄養剤、流動食、栄養補給食品』について、市場動向、企業戦略、将来見通しなどを総合的、多面的に調査・分析します。