R2RとグリーンプロセスによるフレキシブルLCDの技術的優位性
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
矢野経済研究所では、2016年より大手企業等でご活躍されたシニアの方々を当社の「社外マイスター」としてお迎えし、現役時代に培った経験、知見、人脈などを矢野経済研究所の事業活動を通じて、社会に還元していただくための新たな組織を立ち上げました。エキスパートシリーズは、社外マイスターの方が執筆した、新たな切り口によるオリジナルレポートです。長年培った経験・知見による技術や開発、市場への目利き力で、従来の市場調査資料とは一味違った情報をご提供いたします。
本レポートは、弊社社外マイスターであり、ホシデンやソニーで主に液晶ディスプレイの開発に携わってきた工学博士である鵜飼育弘氏(客員研究員)がとりまとめました。
調査主旨
本レポートは、フレキシブルディスプレイとしてのLCDに関して、
(1)フレキシブルディスプレイとしてのフラットパネルディスプレイ
(2)フレキシブルLCDの基本構造
(3)枚葉方式と間接法によるフレキシブルLCD
(4)有機TFTとロール・ツ・ロール印刷技術
(5)有機TFT駆動フレキシブルLCD
の観点から最新の研究及び開発成果を紹介する。
読者には、フレキシブルディスプレイといえばOLEDとの認識が殆どである。しかし、本コンサイスレポート「フレキシブルOLED製造」で述べたように、グリーンプロセスの観点からほど遠い製造技術を用いている。著者はフレキシブルディスプレイの製造技術には、ロール・ツ・ロール(R2R)が不可欠と考える。
ここで紹介した研究および技術成果を融合すれば大きなリスクを伴わないで実現可能と考える。残された課題は、技術者と経営者の「やる気」のみと著者は考えるのだが。
調査方法:研究員による直接面談・電話・メール・ウェブ・文献調査を併用。
企画・制作・編集:全社横断プロジェクト推進室
■掲載内容
1.はじめに
2.フレキシブルディスプレイとしてのフラットパネルディスプレイ
3.フレキシンブルLCDの基本構造
(図1)フレキシブルLCDの基本構造(東北大学資料)
3.1 極薄ポリイミド基板によるフォルダブルLCD
(図2)新規透明PI基板の透過率の波長依存性(東北大学資料)
(図3)従来のPI基板と透明PI基板の位相差の入射角依存性比較(東北大学資料)
(図4)透明PI基板 (a)透明PI(厚み10μm)(b)従来のPI (c)透明PI(東北大学資料)
(図5)フレキシブルLCデバイスの作製工程(東北大学資料)
(図6)極薄PI基板を用いたフレキシブルTN-mode LCデバイス(東北大学資料)
(図7)従来の柱スペーサを用いたECB-mode LCD
ポリマーウォールを用いたTN-mode LCD(東北大学資料)
(図8)(a)3㎜ガラス棒に巻きつけたフレキシブルLCデバイス(b)曲げる前
(c)曲げた後 (d)薄膜偏光板を用いた極薄フォルダブルLCD(厚み140μm)(東北大学資料)
3.2 フレキシブルバックライトシステム
(図9)フレキシブル薄型ローカル・ディミングバックライトシステム(東北大学資料)
3.3 反射型フレキシブルLCD
(図10)SUS基板を用いたフレキシブル反射型VAモードLCDの断面構造(東北大学資料)
(図11)SUS基板を用いたフレキシブル反射型VAモードLCDの表示例(東北大学資料)
3.4 In-Cell型染料系偏光フィルムを用いたTN-LCD
(図12)従来のフレキシブルLCDとIn-Cell偏光板を用いた場合の構造比較(東北大学資料)
(図13)In-Cell偏光板を用いたTN-LCD (a)電圧OFF (b)電圧ON(東北大学資料)
(図14)染料系In-Cell偏光板を用いたフレキシブルTN-mode LCDの作製工程
(ポラテクノ&東北大学資料)
(図15)染料系In-Cell偏光板を用いたフレキシブルTN-LCDの構成
(ポラテクノ&東北大学資料)
(図16)PET基板上に染料系In-Cell型偏光板を用いたフレキシブルTN-LCD
(ポラテクノ&東北大学資料)
3.5 基板レスLCD
(図17)TNモードLCドロップレットの動作(東北大学資料)
(図18)TN-LCドロップレットの電圧-透過率特性(東北大学資料)
4.枚葉方式と間接法によるフレキシブルLCD
4.1 フレキシブルディスプレイの製造方式
4.2 Japan Display Inc.(JDI)のフレキシブルTFT-LCD(S.Oka,et al.,SID2016♯9.2)
(1)フレキシブルOLEDとPlastic LCDの比較
(表1)LCDとフレキシブルOLEDの比較(JDI資料)
(2)基板材料の選択
(表2)基板材料の比較(JDI資料)
(3)セル構造とプロセスフロー
(図19)試作セルの断面構造(JDI資料)
(4)試作シートLCDの特性
(表3)試作シートLCDの仕様(JDI資料)
(図20)シートLCDの層構造と表示例(JDI資料)
(図21)デモパネルの視角依存性(JDI資料)
(図22)カラーシフトの比較(JDI資料)
(図23)コントラスト比の視角依存性(JDI資料)
4.3 AU Optronics Corp.(AUO)のフレキシブルTFT-LCD
(1)プラスチックディスプレイ技術比較
(表4)プラスチックディスプレイ技術比較(AUOの資料を基に著者作成)
(2)基板材料の選択
(表5)基板材料比較(AUO講演スライド写真)
(図24)無色PIの透過率の波長依存性(AUO講演スライド写真)
(図25)無色PIのTgと複屈折性の関係(AUO講演スライド写真)
(3)プラスチックLCDのセル構造と製造工程
(図26)プラスチックLCDのハンドリングプロセス(AUO講演スライド写真)
(図27)a-Si TFT特性(AUO講演スライド写真)
(図28)レーザリフトオフ時のエネルギーと透過率およびヘイズ
(AUO講演スライド写真)
(4)プラスチックLCDの光学特性
(図29)無色PI(CPI-LCD)の光学補償(AUO講演スライドを基に著者作成)
(5)プラスチックLCDのバックライトユニット(BLU)
(図30)AUOにおけるプラスチックLCD用BLUの開発経緯
(AUO講演スライドを基に著者作成)
(6)ロールTFT-LCD
(図31)ロールTFT-LCDのデモ(AUO講演スライドを基に著者作成)
4.4 枚葉・間接方式の課題と展望
5.有機TFT(Organic Thin Film Transistor:OTFT)とロール・ツ・ロール印刷技術
5.1 有機半導体TFTの現状
(図32)プロセス温度と各種TFTの移動度の関係
(Plastic Logic,2014 Flexible Display Conference資料)
(図33)各種TFTの移動度と曲げ半径の関係
(Plastic Logic,2014 Flexible Display Conference資料)
5.2 プリンテッドエレクトロニクスとは
(図34)現行のTFT工程と印刷によるTFT工程比較
5.3 山形大時任卓越研究教授らの取り組み
(1)大面積で高精細のR2R印刷技術
(表6)東レエンジニアリングR2R装置仕様(東レエンンジニアリング資料)
(図35)R2R高精度高速パターンコータ外観(山形大学資料)
(図36)東レエンジニアリングR2Rインクジェット装置によるOTFTアレイ製造
(東レエンジニアリング資料)
(図37)フィルム供給部(著者撮影)
(2)Agナノ粒子インク
(表7)電極焼成法の比較(山形大資料を基に作成)
(3)フィルム基板上パターンの位置補正技術
(図38)ステージ部分(著者撮影)
(4)親撥パターニング
(図39)親撥パターニング法(山形大学資料)
(図40)マスクレス露光部(著者撮影)
(図41)銀ナノ粒子インクの印刷(山形大学資料)
(5)有機半導体結晶性評価
(図42)有機半導体の結晶性センシング(横河電気資料)
(6)今後の展望
6.塗布法による液晶ディスプレイ製造
(図43)スリットコーターによる液晶塗布(長岡技大資料)
(図44)ノズルの吐出出口付近のせん断力流による液晶モデル(長岡技大資料)
(図45)試作に用いた装置外観(長岡技大資料)
(図46)TN-LCDの光学特性(長岡技大資料)
7.有機TFT駆動フレキシブルLCD
(図47)FlexEnable’s OLCD試作品の写真(FlexEnable資料)
(図48)FlexEnable OLCD(ホームページ資料)
(図49)曲げ試験に対するしきい値電圧の安定性(FlexEnable資料)
(図50)曲げ試験に対するオン電流の安定性(FlexEnable資料)
(表8)a-Si Glass LCとOTFT Plastic LCDの比較(ホームページ資料)
8.おわりに
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。