円安効果による生産シフトの動き、ただし、日本の“きぼう”はそこにない
日産の2014年世界生産台数は前期比3%増の5,097,772台、一方、国内生産は880,887台、前年比8.7%の大幅減となった。100万台割れは1960年代以来はじめて。
一方、円安によって国内生産の競争力が向上したと判断、日産は北米向け主力車種の生産の一部を九州工場(福岡)へ移管させる。ただし、新規の設備投資を伴うものではなく、既存生産設備の稼働率の向上によって補われる。つまり、本質的な「日本回帰」ではなく、グローバルネットワークにおける一時的な「シフト」に過ぎない。
日産・ルノーの戦略はあくまでも「現地生産・現地販売」であり、同時に、外部環境の変化に柔軟、迅速に対応できるサプライチェーンの構築にある。日本もその「一拠点」として組み込まれているということだ。
為替で流入した生産量は、いずれ為替で流出する。したがって、モノづくり活性化のための施策は為替管理ではない。
尖ったもの、ニッチなもの、磨き上げられたもの、、、日本でしか創り得ないモノを徹底して日本で作り続けること、唯一そうすることでヒトや資金が世界中から集まってくる。この意味において、「MIRAI関連特許の無償開放」(トヨタ)にこそ無限の可能性がある。
国際宇宙ステーションの日本の実験棟の名前は“きぼう”である。日本はR&Dとマーケティングにおける世界の実験棟、すなわち、“きぼう”を目指すべきである。“きぼう”はイノベーションの宝庫として、再び輝きを取り戻す。
今週の”ひらめき”視点 01.25 – 01.29
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