スマホ関連市場、急成長ゆえのリスクと不安定化がもたらす新たな安定
タッチパネル2位の台湾ウインテックが生産拠点の縮小、再編を発表した。台湾の一部工場を閉鎖、中国本土の3工場についても売却したうえで、台湾とベトナムに集約をはかる。
タッチパネル関連市場はここ数年一貫して拡大してきたが、ノート型PC用タッチパッチパネルの不振もあって、ここへきて供給過剰が一挙に露呈した。
ウインテックの第3四半期は27億元を越える損失となった。同社は、アップルからの受注減を受け3期連続で損失を計上していたが、急成長中のシャオミ(小米)からの受注拡大を背景に成長シナリオを描き直した矢先だった。
サムスンの不調を横目にアップル、シャオミ、いずれも好調である。アップルの4-6月期売上は過去最高、一株当り利益(EPS)も過去7四半期で最高の伸びである。
今期中国国内向けで2000億円を目指していたシャオミも計画は大幅に上方修正されるという。
シャオミに象徴される中国勢の台頭はアップル、サムスン2社の寡占化状態に振り回されてきた日本の部材メーカー各社にとってはリスク分散の好機である。カメラ画像処理用半導体のソニー、中小型液晶パネルのジャパンディスプレイ、積層セラミックコンデンサやSAWフィルターの村田製作所などスマホ向け部材メーカー各社は中国メーカー向け出荷で業績の安定と売上増をはかる。
今週の”ひらめき”視点 9.28 – 10.02