アパレル産業 2015年予測は前年比101.2%(2月更新)


2015年1月の全国百貨店売上高のうち、衣料品の売上高は対前年増減で-5.8%、衣料品のうち、その他衣料品が最も落ち込み、-9.1%、次に婦人服・洋品同-6.5%である。1月は不安定な天候から入店客数に悪影響を与え、重衣料を中心とした防寒衣料の動きが悪かった。
百貨店の2015年のスタートはこのように厳しかったが、まだ始まったばかりで、これから伸びるのか、横ばいか、落ちて行くのかを判断する材料がほぼない。

今の流通小売業界を俯瞰してみて、プラスの要因としてまず挙げるべきはインバウンド需要の急増である。百貨店では12月に続き、単月で100億円を超える売り上げを記録した。単月で100億円以上を売り上げるとすれば年間で1,000億円を超す計算になる。2月18日からは訪日外国人の大半を占める中国の春節休暇に当たり、より一層の販売増が見込まれる。
中国資本の家電量販店ラオックスがアパレルに参入するニュースが先日報じられた。ラオックス自らがデザインを手掛け、国内の協力工場に委託生産するという。ジャケットで約10万円と高額商品をそろえ外国人観光客に売り込む計画だ。

これまで訪日外国人が購入するのは宝飾、貴金属、時計などのラグジュアリーブランド商品と電化製品、化粧品、薬品などである。中国系小売業がアパレルの企画販売に参入することで、アパレルマーケット全体に波及効果が生まれることを期待したい。
また訪日観光客にメイドインジャパンのアパレルが売れるようになれば、国内生産も活気付き、ものづくりの拠点として国内が見直されるきっかけになる可能性も秘める。皮算用をすればきりがないが、日本製の高付加価値商品の輸出が活気付けば、収益力が高まるアパレル企業が増えてくる可能性が高くなる。

いずれにしろ、ラオックスのアパレル販売の動向がインバウンドのアパレル需要を図る一つの試金石になるだろう。

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http://www.yano.co.jp/mirai/_yosoku/index.html


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