小売産業 2015年予測は前年比99.3%(3月更新)
2015年に入り、小売市場の話題はもっぱらインバウンド需要となっており、従来であれば売り上げの谷間となる2月も、中国の春節が入った為、百貨店をはじめ、各小売業とも大幅な売上高増(前年対比)となった。またこうした消費は、これまでは一部の地域(大都市や観光地)に限定されたものであったが、インバウンドの団体旅行のみならず個人旅行が増加してきたことによって、ローカルエリアにまでその消費が拡大しつつある。
こうした動きを受け、各小売業態は一斉に、それに向けた戦略を立てはじめている。これまではどこか冷めた目で見ており、それを意識しすぎると、逆にこれまでの日本人の客が離れていくことを恐れて、積極的な対応を行なっていなかった小売店も少なくなかったが、今や多くの小売店がインバウンド消費対応の品揃えやサービスを強化しつつある。
3月から4月にかけても花見のシーズンでまたインバウンド需要が拡大すると言われているように、今や特定のシーズンだけではなく、1年間を通してその需要が続くようになってきたことも、小売業としては大きな支えとなりつつある。市場に大きなアクシデントさえなければ、しばらくはインバウンド頼みの状況が続くことになろう。
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