ユニクロ、独走。効率の維持と多様化のバランスが課題


4月9日、ファーストリテイリングの「2015年8月期 上期」決算発表があった。連結売上9,496億円(前年同期比+24.2%)、営業利益1,500億円(同+40.2%)、国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業、グローバルブランド事業のいずれのセグメントも増収増益を達成した。
とりわけ、連結売上における構成比が36.4%へ成長した海外ユニクロ事業は売上が前年同期比+148.9%、営業利益+63.2%と成長を牽引した。一方、国内ユニクロ事業は既存店ベースで客数が前年比1.6%減、10.2%の客単価のアップで前期比8.4%の売上増を確保した。成長力の低下は顕著である。

とは言え、H&Mやフォーエバー21といった外資ファストファッションが苦戦し、アパレル大手オンワードホールディングスの業績も低迷(売上が前年比0.5%増、営業利益は43.8%の減益、2015年2月期)する市場環境にあって、国内ユニクロ事業のパフォーマンスは見事である。
こうした中、ユニクロは「脱・価格経営」へ舵を切るとともに効率重視のオペレーションから低成長市場に対応した“個店経営”へシフトさせる、との方針を表明した。以前、進化論になぞらえて「ユニクロの“増殖と分布の拡大”は新たな多様性を準備する適応放散期である」と指摘したことがある。果たして巨大になったユニクロはどのような“種の分化”を遂げるのか。いや、多様性はもっと速く、もっと鋭く、もっと深いところから芽生えてくるはずだ。ユニクロの死角はここにある。

今週の”ひらめき”視点 04.12 – 04.16

 

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