自動車産業 2015年予測は前年比87.5%(5月更新)
2015年1月~3月の新車販売台数は前年比14.4%減の157.8万台に留まった。前年が消費税率引上げ前の駆け込み需要で新車販売が活況であったことを考慮すると、前年対比でマイナスは仕方がないことであろう。
2015年4月の新車販売台数は、登録車が19.8万台の前年比5.0%の増加となる一方で、軽自動車が12.0万台の前年比22.5%の減少となった。前年の4月を振り返ると、登録車は駆け込み需要の反動で4月の新車販売台数が落ち込んだのに対して、軽自動車は受注残を多く抱える等、4月として過去最大の販売台数だったことが影響しているものと考えられる。
このように4月の結果だけを見ると、登録車と軽自動車で明暗が分かれているように見られるが、登録車の2015年の新車販売台数は2013年4月と比較をすると0.9%減少している。2013年の4月頃は、2012年に実施された新エコカー補助金の反動減で、新車需要が落ち込んでいた時期であることを考慮すると、登録車の新車需要は消費税率引上げ以降、未だに回復していないものと見られる。
消費税率引上げ後の需要低迷からの早期回復が期待されるところであるが、現状では低迷する消費マインドが上昇に転じて、新車需要が劇的に回復するとは言い難い状況である。このような中で、新車需要を引上げる政府施策や税制改正を期待する声も聞かれるものの、結果としては買替サイクルを乱す需要の先食いになってしまうと思われ、根本的な解決にはならない。引き続き、新型モデルの投入や買替需要の発生に繋がる機能追加等、自動車メーカー各社の取り組みに期待が集まる。
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