弱体化する「国際社会」とグローバル企業の所作
アメリカがクルドへの武器供与とISISへの空爆を開始した。米国の武力介入に関する政治的議論やガザとウクライナで露呈した国際社会の矛盾を棚上げしてでも、ISISの狂気から人々を開放することが急がれる。国家の体をなさないこの集団のグロテスクさは異様だ。
中国の振る舞いはまったくの相変わらず。南シナ海で操業する猟師への補助金支給や「何らかの障害による」と発表された突然のLINE規制、、、行政の細部にまで行き届いた、きめ細やかな外交的施策が続く。見事なまでの一貫性だ。
自動車大手の4-6月期地域別営業利益は国内▲13%、海外が+33%。海外生産比率が既に6割を越える状況にあって、GDPには反映されない「稼ぎ」がグローバル企業の成長を支える。
一方、帝国データバンクによると、トヨタの下請企業の7割がリーマンショック以前、2007年度の売上水準を下回っているという(8月11日)。2つのニュースは大手製造業の現地調達・現地生産化の流れとそこから置き去りにされた下請企業の実態を象徴する。
エボラ出血熱による犠牲者が拡大する中、ユニセフは「アフリカの人口は今後35年間で12億人から24億人へと倍増、世界人口の1/4を占めるだろう」と発表した。12億もの新たな人生が、健康で希望に満ちたものであるように。
今週の”ひらめき”視点 8.10 – 8.14