さいたま市、訪日外国人旅行者向けにSIMカードを無料配布。通信インフラに対する外国人の不満は解消できる?


さいたま市は同市を訪れる外国人観光客向けにSIMカードを無料配布すると発表した。
まずは市内の宿泊施設の利用者などを対象に2000枚を用意するという。事業費は1000万円、利用期間は30日、通信容量は3ギガバイト、データ通信のみで通話などは出来ない。
訪日外国人旅行者の増加に伴い国内の無料公衆無線LAN環境に対する不満の声が高まっている。観光庁(国交省)は今年2月24日付けで無料公衆無線LANの共通シンボルマーク「Japan.Free Wi-Fi」の導入を発表、官民連携しての無料公衆無線LAN環境の整備促進と外国人旅行者への情報発信を強化するという。

確かに海外と比べると日本の無料Wi-Fi環境は見劣りする。
しかし、日本では携帯ネットワークにアクセスできれば都市部や主要観光地はもちろん人が暮らすエリアのほぼ全域でインターネットが利用できる。
これをもって「それゆえにガラパゴス」と揶揄する向きもある。しかし、スマホ1台で10台のWi-Fiテザリングが出来る今日にあって、高い信頼性を有する通信ネットワークの利活用は合理的だ。社会インフラへの二重コストを軽減するという意味において、また、セキュリティ水準の高さを “安心安全”の日本ブランドとしてアピールするうえでも現実的であり効率的である。
外国人観光客にとっての利便性だけが論点ではない。公共インフラとしての情報通信ネットワークの在り方、すなわち、通信行政の戦略的方向性そのものが問題の根底にある。

今週の”ひらめき”視点 06.07 – 06.11

 

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