選挙法改正、240万人もの“若い大人”が増えることで世代間バランスが是正される?
17日、改正公職選挙法が成立、これにより2016年夏の参院選から18歳、19歳の若者が投票できるようになる。増加する有権者数は240万人、全有権者の2%に相当する。
選挙権年齢の改正は1945年の女性参政権以来、70年ぶりとのことであるが、あわせて、被選挙権年齢、少年法の適用年齢、民法の成人年齢など、「大人」の定義を再考する良い機会として歓迎したい。
一方、若者への選挙権の拡大を「シルバー民主主義」の是正と結びつけて論じる識者も少なくない。しかしながら、 “高齢者は等しく社会保障の拡充を主張し、若者世代はこれを一様に否定する”などと言う単純な世代間対立など存在しない。また、低投票率をもって若者の意識の低さを嘆く向きもあるが、そもそも国政選挙であっても全体で52.66%にとどまった低投票率(平成26年衆院選挙)の主因は、言葉に対する信任を失わせ続けてきた側に問題があると言える。
大阪市の住民投票に対して「若者の敗北」、「多数決の欺瞞」といった趣旨の評があったと聞く。「結果に対する不満のすり替え」としか理解のしようがないこれらの薄っぺらな、しかも、驕った言葉が、公の場において大人の側から発せられることが若者を投票から更に遠ざける。問われているのは、まさに「大人」の所作である。
今週の”ひらめき”視点 06.14 – 06.18
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