市況全体としては、各小売業態の数字を見る限りでは一件好調のように感じられる。特に外国人観光客の購買の勢いにメディアが踊らされていることもあり、市場のムードは悪くはないが、弊社が各小売業やメーカーにヒアリングなどを行なった結果では、苦戦しているところも少なくない。

先月の解説でも触れたが、日本人の消費が低調である。好調と呼べるのは、景気に左右されない富裕層の消費で、相変わらず高額な商品は動いている状況にあるが、それ以外の消費者は消費を控えている、もしくは消費をあきらめている感じが出てきている。高いものに手を伸ばさなくなっているという動きは当たり前で、決して高いとは言えないものに対しても同様で、より安いもので代用している感じさえある。

外国人観光客消費は相変わらず好調に推移しているが、先日突如として起こった中国株の大幅な下落の際に、メディアが一斉に外国人観光客の消費が落ち込むと予想し、小売業が冷や汗をかいたシーンがあったが、このようなアクシデント一つで大きな変化が予想される現象であるため、楽観視できないことも事実であり、先が読みにくい状況になりつつある。

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