外国人の家事代行サービス、解禁へ
政府は国家戦略特区に指定された大阪府、神奈川県で家事代行サービスへの外国人の就労を認める方針。労働期間は最長3年、日本人と同等以上の給与水準、直接雇用、住居の確保などが条件。ダスキン、ベアーズ、パソナライフケアなどが参入する。
国は家事代行サービス業に高い成長性を期待している。しかし、現在、各社の担い手はパートの高齢者が中心。市場の活性化をはかるためには人材不足の解消が急務である。そこで、外国人就労の規制を緩和することで供給サイドを強化、成長を後押しする。全国展開も視野に入れているという。
ベンダーサイドのリソース不足は否めない。規制緩和は歓迎する。しかし、今後、国内の高齢者は確実に増えてゆく。将来、年金受給開始年齢の後ろ倒しが避けられない情勢下にあって、高齢者に良質の雇用機会を創出する必要もあるだろう。一方、期限付き、つまり、出稼ぎならば歓迎、といった国の姿勢は果たして外国人にどう映るか。また、人材に投資する側にとって中長期的な非効率はないか。円安を経済政策の旗印とする国に出稼ぎ先としての魅力はあり続けるのか、、、。
確かに“技能実習制度”の欠陥に対する配慮は見られる。しかし、やはり場当たり的な感は拭えない。生産年齢人口の急速な減少、一方で新たに創出しなければならない高齢者雇用の問題など、国の在り方に関する根本的な議論が先送られている。一時的なご都合主義の繰り返しは、日本に対する期待と信頼を失墜させかねない。“特区”という言い訳から脱し、未来に対して正面から向き合う覚悟が、今私たちに求められている。
今週の”ひらめき”視点 08.23– 08.27
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