ラサ、欧州、日本は世界とどう関わるのか


9月8日、中国政府はラサでチベット自治区成立50周年の式典を開催した。パレードでは毛沢東から習金平に至る歴代主席の肖像が掲げられ、演説では「偉大な祖国、民族、共産党に対する帰属意識」の強化が語られた。
5日前、北京の抗日70周年式典、習主席は「中国は覇権を求めない」「中国は自らが経験した悲惨な境遇を他の民族に押し付けない」と語った。誰もがその矛盾を知りながら、世界は“覇”に身を竦ませたままだ。
一方、欧州では、難民問題がEUの矛盾を炙り出す。各国で難民受け入れへの反発や非難が渦巻く。しかし、それでもEUの理念と理想は「16万人を分担」という提案を議論の俎上にあげる。
移民が建国の礎となったオーストラリアは1万2千人の受け入れを表明した。「今も、恐怖から逃れてきた人々が人生を再建できる国でありたい」とはアボット首相の言葉である。英国、ブラジル、チリ、ベネズエラもこれに続く。
積極平和主義を掲げる日本からの提案は未だない。我が国、我が党、我が身からの視点だけで語られる世界観では、覇の国とたいした差はない。どういう国でありたいのか、ここからはじまる議論が聞きたい。

今週の”ひらめき”視点 09.06 – 09.10

 

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