中国財務相、ロンドンで人民元建て国債の発行を準備、海外で初
習金平国家主席の訪英を前に発表された今回の起債は、IMFの特別引き出し権(SDR)への採用に向けて欧州の支持を取り付けるための戦略の一環、と解説される。とは言え、国際取引における通貨別決裁シェアで既に“円”を抜いて第4位となった人民元の国際化はむしろ自然な流れである、とも言えよう。
一方、実利優先に傾きがちな中国の貿易相手国、とりわけ、欧州のスタンスは中国の過剰までに内向きな政策を助長させてきたと言える。
14日、日本がWTOに提訴した鋼材に関する不当関税問題で日本の勝訴が確定、同じ内容で中国を訴えていた欧州の勝訴も同時に確定した。中国は来月には課税を撤廃する方針であると表明したが、2012年11月から始まった不当課税問題は決着まで3年を要したことになる。
個別取引における不合理で、かつ、ターゲットを狙いうちするかのような突然のルール変更は、常に「中国固有のリスク」として対中ビジネスに付き纏ってきた。人民元の国際化に向けてまず習指導部が発信すべきは、こうした極端な政治的措置の発動を容認しない、とのメッセージであり、その実行である。これが出来てこそ人民元の国際通貨としての信任は確立されるのであって、実利を人質にとる手法は通用しない。
今週の”ひらめき”視点 10.11 – 10.15
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