息切れ、ユニコーン。 “本物”を育てる投資環境の整備が急務
ユニコーン企業とは、VCから出資を受けている評価額10億ドル(約1200億円)以上の非上場ベンチャーを指す。ウーバー(米、タクシー配車)、シャオミ(中国、スマホ)、スナップチャット(米、写真共有アプリ)、スペースX(米、宇宙開発)などがその代表例。
しかし、ここへきて一部ユニコーンの株式価値が急落しつつある。
そもそも百数十社にのぼるユニコーンが生み出された背景には、テクノロジー関連株への過剰期待や新興国の投資ブームがあった。また、ビジネスモデルの革新性というより、ローカルマーケットの大きさだけが企業価値を押し上げているケースなど“類似品”や“模造品”も少なくない。したがって、殊更、株価急落を懸念する必要はないだろう。本当に価値ある企業は、淘汰や再編を乗り越えて確実に生き残る。
一方、ユニコーンのリストに日本企業の名前はない。米国勢が過半を占めるものの中国などアジア勢の台頭が目立つ。スマートニュース(ニュース配信アプリ)、エリーパワー(蓄電池)、スパイバー(人工クモの糸)など、日本でも可能性豊かなベンチャーが育ってきた。とは言え、まだユニコーンには届かない。世界の投資家を惹きつけるためにもスタートアップ期を支える潤沢なリスクマネーの確保が不可欠であり、また、IPOに偏った出口戦略も見直す必要がある。まずは資金供給サイドのイノベーションが不可欠、ということだ。
今週の”ひらめき”視点 11.29 – 12.03
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