2016年の中国経済、ソフトランディングに向けて正念場
中国税関総署は13日、2015年の貿易総額が前年比8%減の約470兆円となったと発表した。当局の目標が「6%増」であったことを鑑みると経済活動の実勢は想定以上に悪化している。
年明け以降、上海株式市場は2度のサーキッットブレーカーを発動、更にはサーキットブレーカー制度そのものを停止するなど混乱を極めた。また、当局が為替市場に対して実施した“異例”の大規模介入も人民元の急落に歯止めをかけるに至っていない。
こうした中、欧州、アフリカへの要衝ギリシャの「ピレウス港」の買収や不動産大手「大連万達集団」による米映画製作会社の買収など、官民による海外大型投資の勢いが増す。富裕層による海外不動産の“爆買い”も衰えない。
“一帯一路”を掲げ外需獲得の基盤づくりを急ぐ国、資産ポートフォリオの分散をはかる民、その一方で、政府に批判的な出版関係者の身柄拘束やネット検閲の強化など思想統制が進む。
中国経済のもう一段の悪化とその長期化は世界経済にとって大きな懸念である。しかし、影響は“経済”の範疇に止まるのか、ハードランディングのリスクの中身が変わりつつある。
今週の”ひらめき”視点 01.10 – 01.14
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