45年前そのままの格差、過激主義の土壌はここにある
バングデシュで発生した無差別殺人の犯人像や背景が徐々に分かってきた。裕福な家庭、最高レベルの教育、マレーシアへの留学経験など、エリートによる過激主義への傾倒が浮き彫りになってきた。
豊かな外界との矛盾や閉ざされたままの自国の将来を、極限的な暴力で切り拓こうとする身勝手な似非エリートは常に存在する。彼らは、正当化出来ない無法と暴力に正義と正統性を与え、それを権威付けるために宗教、思想、外敵を利用する。オウム然り、連合赤軍然り、である。つまり、日本においても“ホームグロウン・テロ”は他人事ではない。
5日朝、犠牲となった7人が無言で帰国した。犠牲者に対する弔意と犯行に対するやり場のない怒りが広がる中、「償わせる」だの「指1本触れさせない」などと政治家たちが息巻く。
1971年、独立したばかりの貧しく、混乱したバングラデシュの人々のために祈り、自ら行動したジョージ・ハリスンとは比べるべくもないが、この国の政治家たちの薄っぺらさと幼稚さに呆れる。威勢の良い遠吠えでは何も解決しない。
今週の”ひらめき”視点 07.03 – 07.07
代表取締役社長 水越 孝
~変化の予兆をつかむ、変化の本質を見抜く~
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