都知事選、告示。地方との関係性を抜きに未来の東京は語れない


参院選の結果を受け、政府は10兆円規模の経済対策の策定を指示した。目玉は、JR東海が進めるリニア中央新幹線の大阪延伸の前倒しである。加えて、訪日観光客拡大のための港湾施設整備、農産物輸出のためのインフラ整備、九州、北陸、北海道の整備新幹線の早期建設、が盛り込まれるという。

2015年、日本の人口減少は過去最大の27万人に達した。全市区町村の83%で人口減、一方、東京は増加数、増加率ともにトップ、人口の一極集中が進む。地方創生、1億総活躍の掛け声は日々大きくなるが、国の在り方に関する方向性はまだ見えない。将来ビジョンを欠いた新幹線と港湾整備では再び未来へ負担を先送りかねない。

こうした中で告示された都知事選であるが、これまでのところ政党間の政争と内輪もめの場にしか見えない。「未来の日本における東京のあるべき姿」を政策として掲げ、都民に、そして、地方に問う候補者は見当たらない。
EU離脱を決めた国民投票から3週間、キャメロン氏からバトンを引き継いだテリーザ・メイ新首相は「国際社会において、大胆で新しい前向きな役割を築いてゆく」と決意を語った。東京は、「未来の日本、未来の国際社会にあって、どのような役割を担ってゆくべきか」、都知事選の争点の一つはまさにここにある。首都東京、国際都市TOKYO、についてのビジョンと施策を是非とも聞きたい。

今週の”ひらめき”視点 07.10 – 07.14

代表取締役社長 水越 孝

 

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