シャープ、新体制スタート。再建に向けて白物家電と海外事業を再強化


22日、シャープの新社長に就任した鴻海精密工業の戴正呉副総裁が社員向けの経営方針を発表した。翌23日、各紙はこれを一斉に報じた。曰く「黒字へ向けて信賞必罰を強調」、「抜本改革、人員削減も視野」など、見出しは厳しいトーンで溢れた。新興外資の軍門に下った名門企業、外資流の苛烈なリストラ、略奪される技術、、、同社に関するメディアの姿勢は、悲劇と凋落と自虐の“物語”にあまりにも偏る。

もちろん、彼は信賞必罰を語った。しかし、「シャープは独立企業である」、「次期社長を生え抜きから育成する」、「チャレンジする企業文化を創造する」とのメッセージも発している。強調したかったのはむしろこちらでなかったか。
また、同社はアジアにおけるメガソーラー事業の強化、中国における白物家電事業の再構築、2014年にスロバキアの企業に売却した欧米テレビ事業の買い戻しなど、具体的な事業戦略も表明した。

新社長の声明を「経済記事」として扱うのであれば、発表された事業方針に関する評価や見解をこそ記者は書くべきであり、また、“ホンハイの副総裁”ではなく“シャープのトップ”としての彼の可能性と資質をこそ問うべきである。情緒的で押し付けがましい経済記事など不要である。

今週の”ひらめき”視点 08.21 – 08.25

代表取締役社長 水越 孝

 

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