フェイスブック、規制する側への忖度ではなく、開放への圧力を


2009年、当局によって一方的に処断され、撤退を余儀なくされたフェイスブックが、中国再進出に向けて独自の“自主規制プログラム”を開発中であると米ニューヨークタイムズが報じた。ただ、現時点では同社からは正式なコメントはなく、また、ニュースソースの元従業員も「実際に活用されるかは不明」であるとする。

中国は7億人ものユーザーを抱える世界最大のインターネット大国である。しかし、グレートファイアウォールと呼ばれる検閲システムや200万人におよぶ監視員によって、海外サイトへのアクセスはもちろん言論の自由は徹底的に制限されている。米NGO“フリーダム・ハウス”が発表するネット上の自由度ランキングではワースト1位である(北朝鮮は調査対象国から除外)。

2016年春、訪中したザッカーバーグ氏が天安門広場をランニングする画像が世界を流れた。彼の中国市場に対する関心の高さは有名である。それ自体は非難されるものではない。とは言え、それを差し引いても天安門を能天気に走る彼の姿に大きな失望を感じたことも事実である。一方、米紙報道が本当であればその意味はまったく異なる。彼は統制し、抑圧し、弾圧する側に加担したということになる。記事の真偽もまた「不明」のままであって欲しい。

今週の”ひらめき”視点 11.20 – 11.24

代表取締役社長 水越 孝

 

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