住宅産業 新設住宅


依然として消費増税以降の経済情勢は芳しくない状況が続いており、これがそのまま新設住宅の着工動向とリンクしている。7月以降、着工量の回復傾向が幾分かは見られるものの、本格的な回復には至っていないのが実態である。
国内景気動向の不透明さが続く中、今後の経済成長の鈍化、失速を避けるべく、つい先日、安部総理が衆議院解散、消費税の再増税時期の延長を発表。これが今後の新設住宅着工動向にどのような影響を与えるか、非常に気になる所ではあるが、おそらく増税時期の先送りにより現行のような、微増トレンド状況が春先まで続くのではないかと考える。すなわち、今年度中に次回増税のを控えた需要の一時的な盛り上がりは期待できないものの、来年度については大きな需要変動要因がなくなったということである。
これまでも次回増税の影響は今年度よりも翌年度にあるものと見ており、これによる2014年度の着工量の見通しに変更はなく、先月同様80万戸台前半程度になるもの考えている。

また当月より翌年度、すなわち2015年度の着工量の予測値を算出しているが、これは今年度上期の落ち込み傾向を色濃く反映している結果となり、非常にショッキングな70万戸を下回る予測値となっている。しかし、あくまでも数学的に過去のトレンドから算出された数値であり、実際にここまで着工量が落ち込む可能性は低いであろう。ただ、次回消費増税時期を2017年4月としている関係から、2015年度に増税前の需要盛り上がりが起こる可能性は低く、むしろマンション用地の確保などその他の要因によって着工量が決まっていく可能性が高い。これらのことを勘案すると現時点における2015年度の予測値は2014年度と同水準、ないしやや上回る程度の水準でフィニッシュする可能性が高いとみており、85万戸前後になるものと予測する。


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