2018年のRFIDソリューション国内市場規模は前年比106.2%の383億1,000万円
~国内はアパレルのほか、高付加価値の新市場確保へ~
1.市場概況
RFID(Radio Frequency Identification)は、高度情報サービスのツールとして期待される自動認識技術の1つである。RFIDの本格的な応用開発が始まったのは、ICメモリーの改良や低コスト化、及びバッテリーレス化が進んだ1990年代後半以降で1999年にはRFID技術の標準化の取り組みも始まった。
2018年のRFIDソリューション国内市場規模は前年比106.2%の383億1,000万円であった。RFIDタグは主にアパレル産業で採用されているが、アパレル生産は中国や東南アジア地域を中心に展開されていることから、海外需要が主流であり、国内需要はまだ限定的である。
また、RFIDタグの価格自体は大幅に下落した一方で、リーダーやライター、アプリケーションソフトを含めたRFIDソリューションの導入はかなりの初期投資を必要とすることから、なかなか導入するのが難しく、物流業界でもRFID導入の動きはまだ鈍いとみられる。
2.注目トピック
国内市場は高機能型RFIDタグに期待
RFID需要は国内外ともにアパレル産業向けの低価格汎用品が、着実に拡大するものと見られるが、アパレル産業以外での採用はまだ限定的である。こうしたなか、金属素材である場合や水分の影響を受け難いなど、汎用品では対応することが難しい用途向けの高機能型のRFIDタグの実用化に向けた動きが活発化している。今後、国内市場、及び海外の日系企業向け需要が期待される。
3.将来展望
2023年のRFIDソリューション国内市場規模は516億1,000万円を予測する。
今後もアパレル産業向けRFIDタグの需要が堅調に推移することに加え、金属対応タグやランドリータグ※1、真贋判定タグ※2等の高性能タグの需要が高まるものとみられることから、RFIDソリューション国内市場全体は高機能タグが牽引するかたちでの拡大基調を予測する。
※1. ランドリータグとは耐熱性・耐寒性を持つICタグであり、洗濯機や乾燥機への耐久性が強いことから、貴重な衣類や洗濯物等の紛失防止に使用される。
※2. 真贋判定タグとはICタグに特殊な脆性加工が施された層があり、ラベルを剥がすとアンテナ回路が破壊され、ICタグが機能しなくなることから、不正な貼り替えや再利用を防止できる。高級ワインのボトル、高級化粧品のパッケージなどに使用される。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
RFIDサプライ品市場
リーダー・ライター市場
小売・流通関連、資産管理用途など新規導入分はUHF帯リーダー・ライターが主体
調査要綱
2.調査対象: RFID関連メーカー、ソリューションサービス事業者、業界団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、及び文献調査併用
<RFIDソリューション市場とは>
RFID(Radio Frequency Identification)は、高度情報サービスのツールとして期待される自動認識技術の1つである。本調査におけるRFIDソリューション市場とは、RFIDサプライ品(ICタグ、その他)、関連機器(リーダー・ライター、製造/加工用機器)、アプリケーションソフト(ミドルウェアを含む)を対象とし、市場規模はメーカー出荷金額ベース(輸出を含む)で算出している。なお非接触ICカードとその関連製品を除外している。
<市場に含まれる商品・サービス>
RFIDソリューション、RFIDサプライ品、リーダー・ライター
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