アジア4カ国(中国、タイ、インドネシア、ベトナム)の日系企業現地法人の駐在員282名にアンケート調査を実施
~新型コロナウイルスの収束時期が2021年1月以降にずれ込むことで、通期業績の減少幅は34%まで拡大する見通し~
1.調査結果概要
2020年7月時点で、アジア4カ国(中国、タイ、インドネシア、ベトナム)の日系企業現地法人の駐在員282名に、新型コロナウイルスの予想収束時期と通期業績に与える影響について尋ねた。収束時期が6月末までという回答では、通期売上高の減少幅は計画比で10%にとどまると言う結果になった。収束時期がずれ込むことで、当然ながら下振れの比率は高まり、2021年1月以降という回答では、減少幅は計画比で34%まで拡大する見通しとなった。
一方で、コロナ禍であっても通期売上高は計画比で100%を越えるという予測をする人も存在しており、予想収束時期が6月末までで25.3%(14人)、7~9月末内で7.9%(3人)、10~12月末内で4.3%(3人)、2021年1月以降でも2.5%(3人)の回答があった。
2.注目トピック
新型コロナウイルスの各国への影響
国別に新型コロナウイルス感染症の影響をみると、中国の回復が最も早く、政府トップダウンによる徹底した移動制限や外出制限措置が奏功しており、ASEANではベトナムが中国同様に迅速な政府による対応策によって早期に感染拡大を抑制、次いでタイが続いている。
一方で、インドネシアは経済活動の持続を前提とした感染抑制策を実施しており、その結果、強制力のない要請レベルでの新型コロナウイルス対策に甘んじた結果、未だ収束の目途がたっておらず、この4カ国の中では、最も回復が遅れている。
各国の日系企業現地法人は、外出自粛や行動制限による現地経済活動の停滞、それに伴う現地企業からの受注減少、同時に国外のサプライチェーン停止等による生産活動の停滞、需要先の経済活動制限による外需の喪失などの影響を受けており、内需、外需ともに一挙に失われた状況であることがわかる調査結果となっている。
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調査要綱
2.調査対象: アジア4カ国(中国、タイ、インドネシア、ベトナム)の日系企業現地法人の駐在員282名
3.調査方法: WEBアンケートによる調査
本調査では、アジア4カ国(中国、タイ、インドネシア、ベトナム)の日系企業現地法人の駐在員282名を対象にアンケート調査を実施し、各国の新型コロナウイルス(COVID-19)による影響を企業経営という視点から捉え、それがアジアの社会や産業構造に及ぼす変化を分析する。
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