プレスリリース
No.2972
2022/05/09
床材市場に関する調査を実施(2021年)

2020年度の床材(9分野)市場規模は前年度比12.1%減の4,534億円
~コロナ禍により住宅向け・非住宅向け共に苦戦、床材市場全体が縮小~

株式会社 矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の床材市場を調査し、市場規模、分野別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

床材(9分野)市場規模推移・予測
床材(9分野)市場規模推移・予測

1.市場概況

2020年度の国内床材(複合フローリング、カーペット、建材畳、塩ビ系床材、フリーアクセスフロア、乾式遮音二重床、床タイル、塗り床材、住宅用床暖房システムの9分野合計)市場規模を、前年度比12.1%減の4,534億円と推計する。
2020年度の床材市場はコロナ禍の影響により住宅及び非住宅の着工件数が共に減小し、それに連動する形で、9分野全ての床材で前年度比マイナスとなった。

2.注目トピック

原料価格高騰やウッドショックが市場に大きな影響を及ぼす

原油価格の高騰やウッドショックと呼ばれる木材供給不足による価格高騰などが、床材市場、床材の安定した生産・供給体制に大きな影響を及ぼしている。

分野別にウッドショックの影響をみると、複合フローリングでは、部材となる台板の約7割を輸入品に頼っており、インドネシアやマレーシアが主力輸入先となっている。2021年度は輸入木材の供給不足や価格高騰により、生産調整や価格改定に追われている。
また、主にマンション向けの床材である乾式遮音二重床も、主原料となる木質パーティクルボードの供給不足に陥っており、生産・出荷調整などの対応を余儀なくされている。乾式遮音二重床は、近年、非住宅向け建築物用途などの新規用途開拓によって市場を拡大してきたが、営業リソースが製品の出荷調整などに割かれてしまい、新規開拓活動に向けた動きがとりづらい点も市場成長に向けてのマイナス要因となっている。

3.将来展望

2021年度の国内床材市場規模は、前年度比0.1%減の4,528億円の見込みである。

主に住宅向けの床材である複合フローリング、カーペット、乾式遮音二重床、床タイルの市場は、新設住宅着工戸数が回復傾向にあることから、それに牽引される形での市場回復が見込まれる。また、用途がオフィス向けに絞られているフリーアクセスフロア市場も、都市部を中心とした再開発案件の増加などにより回復が期待される。
一方、非住宅向け用途が中心となる塩ビ系床材や、ほぼ非住宅向けの塗り床材は店舗や工場向けなどの需要の低下から、市場の本格的な回復には時間を要する見込みである。

​このように、床材市場は分野によって大きく明暗が分かれており、2021年度については9分野を合算した床材市場全体としてほぼ横ばいで推移する見通しである。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  主要床材動向① 複合フローリング
     主要床材動向② カーペット
     主要床材動向③ 塩ビ系床材
     主要床材動向④ フリーアクセスフロア
     主要床材動向⑤ 乾式遮音二重床
     主要床材動向⑥ 塗り床材
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  •  抗菌・抗ウイルス機能を持つ床材製品がトレンド
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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年12月~2022年2月
    2.調査対象: 床材メーカー、床材関連業界団体等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話・e-mailによる調査併用

    <床材市場とは>

    本調査における床材市場とは、複合フローリング、カーペット、建材畳、塩ビ系床材、フリーアクセスフロア、乾式遮音二重床、床タイル、塗り床材、住宅用床暖房システムの9分野の床材を対象とした。
    市場規模は、2020年度までは一部公開資料をもとに当社作成、2021年度以降は当社推計値である。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    複合フローリング、カーペット、建材畳、塩ビ系床材、フリーアクセスフロア、乾式遮音二重床、床タイル、塗り床材、住宅用床暖房システム

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2022年02月28日
    体裁
    A4 291ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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