プレスリリース
No.3013
2022/08/25
CBD製品市場に関する調査を実施(2022年)

2021年の国内CBD製品市場規模は前年比185.9%の185億円4,100万円に
~健康意識の高まり、政府による環境整備に向けた動きで市場は急速に拡大~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内におけるCBD製品市場の調査を実施し、製品カテゴリー別動向、チャネル別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

CBD製品市場規模推移・予測
CBD製品市場規模推移・予測

1.市場概況

2021年の国内CBD製品市場規模は小売金額ベースで、前年比185.9%の185億4,100万円、2022年は前年比139.9%の259億3,600万円を見込む。

CBDとは、大麻草に含まれる成分・カンナビジオールの略称である。免疫や神経伝達、自律神経などの恒常性を維持する作用が高く、抗不安、抗てんかん、抗ガン、抗炎症などの効果があることが明らかになっている。2013年頃から欧米を中心に急速に認知が広まり、多くの製品が上市され、市場としての地位を確立している。

国内では2019年頃から、百貨店や商業施設でCBD製品を取り扱うポップアップショップ(期間限定店舗)が開催されたほか、化粧品専門店やバラエティショップでの取り扱いが増えた。各種メディアでもCBDが取り上げられるようになり、一般消費者もCBD製品を目にする機会が増えた時期であると言える。こうした状況を受け、新規参入企業が増加した。2020年のコロナ禍では、健康への関心が高まり、心身に対してさまざまな作用があるCBDにさらに注目が集まった。健康維持、増進をサポートするだけでなく、精神的な落ち着きを求めて製品が使用されることも多く、急激な市場の拡大につながったと考える。

2022年6月に発表された政府の骨太方針2022(経済財政運営と改革の基本方針2022)によると、「大麻に関する制度を見直し、大麻由来医薬品の利用等に向けた必要な環境整備を進める」とあることから、2023年以降大手企業の参入も予想され、市場はさらに拡大していくものとみる。

2.注目トピック

Made in Japan製品の台頭

日本では麻の栽培のハードルが非常に高く、国産の麻を使用して国内で製造するということはほぼ不可能であるため、これまでの国内のCBD市場においては、海外ブランドの製品を輸入して販売するというビジネスモデルが一般的であった。

しかし、昨今は日本でも新規参入が増え、競争が活発化していることから自社らしさを重視し、「Made in Japan」の製品を生み出そうとする企業が増加している。国内でもCBDに関する認知が少しずつ広がりつつあることから、大麻草由来の成分に関わる製造であっても請け負う製造拠点を持つ企業が出てきたことも後押しとなって、海外からCBD原料を仕入れ、製造・加工を日本で行う事業者が増えている。また、こうした「Made in Japan」の製品は、安全性を担保するために、原料の仕入れ先・国内の両方で複数回大麻成分であるTHC(精神活性作用のある成分)含有の有無の検査が行われていることがほとんどである。

​日本製のCBD製品を手がける企業の中には海外輸出を構想する動きもあり、今後、品質を追求した日本のCBD製品は市場でさらに存在感を増していくものと見込む。

3.将来展望

上述のとおり、政府の骨太方針2022における大麻由来医薬品の利用等に向けた必要な環境整備が2022年度中に実現すれば、これまで参入のタイミングを見計らっていた食品、飲料、化粧品などの大手企業の参入が活発化し、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、ドラッグストアなどでCBD製品の販売を開始する可能性が大いにある。

こうした大手企業の製品が上市され、且つ販売チャネルが増えることで、一般消費者がCBD製品を目にする機会も増え、「大手企業のブランドの下で販売されている製品」として大麻由来の成分であっても試そうとする消費者層も増加するものとみる。

​また、CBDが主成分の難治性てんかんの治療薬なども開発されていることから、今後、大麻由来の成分であるCBDに対するイメージは大きく変わることが予想できる。こうしたCBD市場を取り巻く環境の変化が2022年中から2023年始めに期待できることから、市場規模はさらに拡大していくものと予測する。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  2.1 食品 (オイル、サプリメント、グミ、クッキーなど)
     2.2 ベイプ(電子タバコ)
     2.3 化粧品 (クリーム、美容液、ボディケアアイテムなど)
  • 注目トピックの追加情報
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2022年3月~6月
    2.調査対象: CBD製品製造企業、輸入販売企業、流通企業、研究機関・団体等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、消費者アンケート調査、ならびに文献調査併用

    <CBD製品市場とは>

    CBDとは、大麻草に含まれる成分・カンナビジオールの略称である。免疫や神経伝達、自律神経などの恒常性を維持する作用が高く、抗不安、抗てんかん、抗ガン、抗炎症などの効果があることが明らかになっている。2013年頃から欧米を中心に急速に認知が広まり、多くの製品が上市され、市場としての地位を確立している。


    ​本調査におけるCBD製品は、食品(オイル、サプリメント、グミ、クッキーなど)、ベイプ(電子タバコ)、化粧品(クリーム、美容液、ボディケアアイテムなど)を対象とし、国内市場規模は小売金額ベースで算出している。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    食品、ベイプ(電子タバコ)、化粧品、その他商品

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2022年06月29日
    体裁
    A4 178ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。