2021年度の飲料市場は3年振りに拡大に転じる
~オンラインを中心に様々なプロモーションが活性化、2022年度は行事・イベント再開による外出頻度の増加に期待~
1.市場概況
2021年度の飲料市場規模(牛乳・乳飲料を含む)は、メーカー出荷金額ベースで前年度比101.0%の4兆8,150億円と3年振りに市場は拡大に転じた。
市場が回復に向かった2021年度ではあるものの、期待したほどの拡大には至らなかった。最大の要因はコロナ禍の長期化であり、行動制限により人流が滞り、前年度と同様に飲料の消費は低迷した。飲料消費の起爆剤の一つとして期待されていた東京オリンピック・パラリンピックも、最終的には一部を除き無観客での開催となったことで、消費は盛り上がりに欠けた。
2.注目トピック
オンラインを中心に様々なプロモーションが活性化、新商品も活況を呈す
新型コロナウイルス感染拡大により、2020年度は飲料メーカー側も予定していた商品の新発売やマーケティング施策などのプロモーションを実施することが出来ないケースが散見され、人が出歩かなくなった中で、どのように商品の価値を伝えていくかが大きな課題となった。
2021年度は前年度の試行錯誤がノウハウとなり、オンラインを中心に様々なプロモーションが消費者に向けて発信されるようになった。その結果、2020年度は例年以上に既存ブランドへの注力が目立ち、新商品の動きが鈍かったが、2021年度はプロモーションと連動させ、新商品も多く発売され、ヒット商品も誕生した。
3.将来展望
コロナ禍の終息時期は見通せないものの、行動制限も徐々に緩和され、感染対策を徹底して旅行や行事、イベントの開催が可能となってきていることで、2022年度の飲料市場(牛乳・乳飲料を含む)は、前年度比103.1%の4兆9,650億円と2年連続で拡大するものと予測する。
さらに、最需要期となる夏場の天候に恵まれ、旅行や帰省といった行事、イベントも増えることで飲料消費が大幅に上向けば、2019年度以来となる市場規模5兆円の突破も見えてくる。
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調査要綱
2.調査対象: 飲料メーカー、販売企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話取材、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<飲料市場とは>
飲料とは、アルコール度数1%未満の飲料で、PETボトルや缶、紙容器などに入り、そのまま飲用できるものをさす。
本調査における飲料市場とは、炭酸飲料やコーヒー飲料、ミネラルウォーター、果汁入り飲料、各種茶系(日本茶、紅茶、ウーロン茶等)飲料、スポーツ・機能性飲料、栄養飲料(エナジードリンク含む)、飲用牛乳類、色物乳飲料、乳酸菌飲料、ドリンクヨーグルト、豆乳などを対象とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
炭酸飲料、果汁・野菜飲料、コーヒー飲料、茶系飲料、ミネラルウォーター、健康系飲料、乳系飲料 ※飲料市場対象外カテゴリー;レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、手入れ紅茶
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