2024年の国内衛星通信サービス市場規模は634億9,000万円の見込み
~低軌道コンステレーション(LEO)による衛星通信サービス開始に伴いサービス拡充が進む~

1.市場概況
2023年の国内衛星通信サービス市場規模は576億7,000万円であった。国内衛星通信サービスはこれまで、主に法人・自治体向けを対象とした衛星電話サービスであり、専用回線での運用が主体だった。2010年代に高速通信が可能な通信衛星の導入によって、航空機(乗客用Wi-Fi接続サービス)と船舶向けサービスの普及が進んだ。
2024年の国内衛星通信サービス市場規模は634億9,000万円を見込む。 今後、国内において低軌道コンステレーション(LEO)による衛星通信サービスが計画されていることから、市場は拡大基調で推移し、2030年の国内衛星通信サービス市場規模は1,333億3,000万円を予測する。
2.注目トピック
直接衛星通信
直接衛星通信はスマートフォンと衛星を直接通信させることにより、山岳部や海上などで緊急時や遭難時におけるSOS、緊急通報サービス「E-call」の利用が可能になるサービスである。将来的には緊急時や遭難時だけでなく、音声通話やインターネット利用が可能になる見通しであることから、携帯電話サービスのエリア拡大が期待されている。今後、国内大手通信事業者による直接衛星通信サービスの商用化が計画されている。
3.将来展望
衛星電話は政府・自治体の防災・災害対策や運輸・建築・建設事業者等での需要は根強いが、今後スマートフォンによる直接衛星通信サービスが実現すると企業向けの一部は直接衛星接続に移行する可能性があるとみる。
衛星通信は大手通信事業者による商用サービス、HAPS※の運用開始が見込まれ、衛星通信インフラ拡充が急速に進む。一方でXR(VR/AR/MR)、AIなどの新規需要による更なるトラフィック(通信容量)増加が想定される。
5G-Advanced規格が制定され商用化の道筋が見えてきた現在、焦点は次世代規格(Beyond5G・6G)へ移行する。次世代規格では衛星通信の活用は必須である。低軌道コンステレーション(LEO)活用や直接衛星通信、加えてHAPSの導入を含めた非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network;移動体通信に加え、海上、空、衛星を結んで体系的に構築した通信サービス網)などの構築において日本は現在、世界をリードするといわれている。こうした先進的な通信技術やネットワークを活用することで、日本において多くのビジネスチャンスの創出が期待される。
※HAPS(High Altitude Platform Station)は非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)のうち、無人航空機などを利用し、高度20キロメートル程度の上空に無線局を設置し広域無線通信サービスを提供するシステムである。サービスの提供範囲は半径数十キロメートルから百数十キロメートル程度となり、電波強度を十分確保できるため簡便な受信装置でサービスを提供することができるという利点がある。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
国内衛星電話
国内衛星通信
調査要綱
2.調査対象: 通信事業者、通信設備事業者、通信機器メーカー、衛星開発企業、衛星運用企業、業界団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、セミナー取材ならびに文献調査併用
<衛星通信サービス市場とは>
本調査における衛星通信サービスとは、①通信事業者によって提供される衛星電話及びGEO(静止衛星)/MEO(中軌道衛星)、LEO(低軌道衛星コンステレーション)、HAPSによる衛星データ通信サービス、②サービス事業者(公共交通事業者:航空機、旅客船等)による機内、船内WiFiサービス、③スマートフォンによる直接衛星通信サービスを対象とする。なお、BS/CS放送、J-ALERTなどの放送型ネットワークサービスは対象外とする。
<市場に含まれる商品・サービス>
衛星電話、衛星通信、航空機・旅客船Wi-Fiサービス
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