プレスリリース
No.3686
2024/12/24
食品用非破壊検査装置市場に関する調査を実施(2025年)

少子高齢化による慢性的な人手不足を背景に、国内では食品検査の省人化ニーズが急増
~今後は、内部検査装置を中心に海外需要の取り込みでさらなる拡大を見込む~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外の食品用非破壊検査装置市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

食品用非破壊検査装置市場規模推移
食品用非破壊検査装置市場規模推移

1.市場概況

“食の安全” に対する消費者の関心が強まるなかで、食品向け非破壊検査装置を用いた食品製造工程における異物選別ニーズが高まっている。また、慢性的な人手不足を背景に、食品製造・ 販売関連業者では品質や生産性の向上を目的とした検査の省人化・自動化ニーズも高まっている。国内においては比較的安定した非破壊検査装置の需要があり、海外市場ではそれを上回る旺盛な需要がある。
こうしたなかで市場は拡大傾向にあり、2023年度の食品用非破壊検査装置市場(メーカー出荷金額ベース)はコロナ禍のマイナス影響を払拭し、前年度比107.6%の535億円となった。

2.注目トピック

ハイパースペクトルイメージング(ハイパースペクトルカメラ)

ハイパースペクトルイメージングとは、紫外~可視~近赤外線域で光を波長ごとに分光しイメージングする技術の総称である。ハイパースペクトルカメラでは、対象物を撮影すると数百バンド以上の波長情報を取得でき、食品であれば外観だけでなく、食品に含まれる水分や脂肪、糖分、タンパク質、組成の均一性などの品質に関わる成分を推測できる。さらに、混入した異物などの食品の安全性に関わる物質を検出することも可能である。

​ハイパースペクトルカメラは導入費用が高額なため、食品業界での普及には課題が多いが、今後はカメラの性能向上と小型化、低価格化に加えて、解析ツールの進化もあり、異物検査だけでなく、食品の成分分析や鮮度の数値化などの付加価値の高い用途開発が進むと期待されている。

3.将来展望

食品用非破壊検査装置市場を構成する外観検査装置、内部検査装置、農産物の外観・内部品質検査装置のいずれの市場も寡占化が進んでいるため、主要企業の業績が市場規模に与える影響が大きい。各市場ともコロナ禍の需要低迷から脱却し、成長基調に転じているものの、顧客の業容変化などにより、今後も大きく落ち込む危険性はある。
国内市場については、少子高齢化による人手不足が深刻化し、検査の省人化・自動化ニーズがより高まることから、引き続き非破壊検査装置の需要拡大が期待できる。海外市場についても旺盛な需要があり、今後は金属検出機やX線検査装置などの内部検査装置を中心に伸長すると予測する。

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  • セグメント別の動向
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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年8月~10月
    2.調査対象: 食品検査装置メーカー及び販売業者、食品検査関連サービス業者、食品製造・ 販売関連業者等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・E-mailによるヒアリング、アンケート調査併用

    <食品用非破壊検査装置市場とは>

    本調査における食品用非破壊検査装置市場とは、食品や農業分野で使用される、外観検査装置(色彩・光学式、機械式選別機)や、内部検査装置(金属検出機&X線検査装置)、等級選別機を含む農産物の外観・内部品質検査装置を対象とし、メーカー出荷金額ベースで算出した。なお、市場規模には国内出荷に加えて輸出分も含む。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    外観検査装置、内部検査装置、等級選別機を含む農産物の外観・内部品質検査装置

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年10月31日
    体裁
    A4 359ページ
    価格(税込)
    275,000円 (本体価格 250,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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