プレスリリース
No.3715
2025/01/08
トイレタリー市場に関する調査を実施(2024年)

2023年度のトイレタリー用品50品目の総市場は前年度比101.4%の2兆1,487億円、市場規模は2兆円台を維持し、2年連続のプラス成長
~外出や人と対面する機会が増え、制汗剤やシェービング、ハンドケア用品が好調、オーラルケア、大人用サニタリー用品は安定推移~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のトイレタリー用品、主要50品目の市場を調査し、市場規模や品目別動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

トイレタリー用品市場規模(5分野計)推移・見込
トイレタリー用品市場規模(5分野計)推移・見込

1.市場概況

2023年度の国内トイレタリー市場規模(メーカー出荷金額ベース、5分野50品目)は、前年度比101.4%の2兆1,486億9,700万円となり、2020年度から続く市場規模2兆円台を維持するとともに、2年連続のプラス成長となった。
外出中心の生活習慣への移行後も家庭用マスクやウェットティッシュ等の衛生(サニタリー)関連商材の需要は安定している他、外出機会の増加に伴う身だしなみやエチケット関連の商材の動きも総じて回復が鮮明になっている。
また、各種エネルギーコストや物流人件費の上昇、円安に伴う海外からの調達原料の高騰による製造コストの圧迫により、トイレタリーメーカーが2022年度から数回の価格改定(値上げ)を実施していることも成長要因の1つとなっている。

2.注目トピック

制汗剤は温暖化や残暑の長期化、スメルハラスメント対策等も重なり、通年アイテムとして成長拡大

制汗剤は、発汗による汗染みや不快感を嫌う本人のみならず、スメルハラスメントといった周囲に及ぼす問題の対策ツール、また、本人の生理的なコンプレックスを解決するためのエチケットツールとして需要が拡大しており、ラインナップは拡充している。
制汗剤はこれまで気温や湿度が高く、最も発汗を誘発する夏場を最需要期としていた。しかし、近年、10月~11月まで続く高温や残暑日の長期化で、12月以降の冬場もオフィスや公共交通機関内の空調や屋内外の移動に伴う際の体温調節等の順応も容易ではなくなっている。
また、保温インナーウェアや衣類の重ね着など、通年での発汗シーンの増加により制汗剤の利用が拡大している。制汗対応のフェイス・ボディケア関連商材は年間を通しての使用が想定され、携帯ツールとしての持ち歩きも一般化している。

3.将来展望

生活者の衛生意識は総じて一定程度のレベルで保たれながら、在宅勤務やリモートワークと屋外での活動などハイブリッドスタイルの活動継続とともに、外出に伴う対人交流の活発化、趣味やスポーツ、レジャーを楽しむといったアクティブな生活様式も定着しており、トイレタリー市場は安定的に推移する見通しである。
他方、人口減少で国内市場では生産量や販売量を伸ばしていくことは難しく、トイレタリーメーカー各社は高付加価値型の製品開発や、オンライン等のDX型の販売手法による業務効率の改善、経費削減、価格改定、パッケージングや内容物の見直し(長尺や大容量化、詰替えタイプの拡充等)などを進めている。また、物流の2024年問題に対応すべく、共同配送の実施や物流システム基盤の運用等がより一層具体性を帯びており、アクションが進む見込みである。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  衣料関連市場の動向
     ホームケア関連市場の動向
     フェイス・ボディケア関連市場の動向
     オーラルケア関連市場の動向
     サニタリー関連市場の動向
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  •  家庭用マスクはアフターコロナ期も着用習慣が定着、市場規模はコロナ発生前を上回る
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    調査要綱

    1.調査期間: 2024年11月~12月
    2.調査対象: トイレタリーメーカー、その他関連企業等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送アンケート調査、業界団体等調査、ならびに文献調査併用

    <トイレタリー市場とは>

    本調査におけるトイレタリー市場規模は、主として日用雑貨ルートを通じて販売される用品、「衣料関連(衣料用合成洗剤、柔軟仕上剤等7品目)」、「ホームケア関連(台所用洗剤、ラッピングフィルム、芳香・消臭剤、殺虫剤等16品目)」、「フェイス・ボディケア関連(ボディシャンプー、ハンドソープ等10品目)」、「オーラルケア関連(歯磨き、洗口液等6品目)」、「サニタリー関連(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、大人用紙おむつ等11品目)」の5分野合計50品目のトイレタリー用品を対象として、メーカー出荷金額ベースで算出した。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    ①衣料関連(衣料用合成洗剤、ファッション洗剤、柔軟仕上剤、衣料用漂白剤、衣類・布製品用消臭剤、防虫剤、防水剤)②ホームケア関連(台所用洗剤、キッチンクリーナー、ラッピングフィルム、レンジ・オーブンシート、アルミホイル、家庭用手袋、冷蔵庫用脱臭剤、台所用除菌剤、食器洗い機用洗剤、バス用洗剤、芳香・消臭剤、除湿剤、住居用洗剤、家庭用ワックス、トイレ用洗剤、殺虫剤)③フェイス・ボディケア関連(浴用石鹸、ボディシャンプー、ハンドソープ、制汗剤、入浴剤、ハンドクリーム、化粧綿、替刃、ディスポーザブル剃刀、シェービング料)④オーラルケア関連(歯磨き、歯ブラシ、洗口液、義歯安定剤、義歯洗浄剤、デンタルフロス)⑤サニタリー関連(ベビー用紙おむつ、大人用紙おむつ、生理用品、軽度失禁用品、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、タオルペーパー、トイレットペーパー、クッキングペーパー、家庭用マスク、あぶらとり紙)

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年12月25日
    体裁
    A4 277ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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