VTuberファンの約7割が“推し”を持つ楽しみ方をしていることが明らかに


1.調査結果概要
2Dまたは3Dのキャラクターを用いて、YouTubeなどの動画配信サービスに動画を投稿するバーチャルユーチューバー(以下、VTuber)が注目を集めている。
2024年10月~11月に、日本国内在住の15~44歳の男女37,353名に対して、インターネットアンケート調査を実施した。本調査では、趣味設問項目の中から「動画視聴」を選択し、好きな動画タイプから「VTuber」を選択した1,200名(男性600名、女性600名)を対象に、VTuber関連動画の視聴頻度・時間・媒体・動機・傾向・好きな動画タイプなどを尋ねた。なお、本調査対象者1,200名を、「VTuberファン」と呼ぶ。
これらの「VTuberファン」に対して、推しVTuberの有無を調査したところ、「推しがいる」(68.6%)、「推しはいない」(18.3%)という回答であった。本調査結果から、推しを作らずにVTuberを楽しむ「VTuberファン」も一定数存在するものの、大多数の「VTuberファン」は推しを作って楽しんでいることが明らかになった。
2.注目トピック
VTuber関連動画の視聴方法としては「ライブ配信等」のほか「切り抜き・編集動画等」も人気
本調査における「VTuberファン」を対象に、VTuberに関連する動画の視聴形態について尋ねた。想定している視聴形態としては、①配信サーバー等を経由し、映像や音声をリアルタイムに視聴者に配信するライブ配信、ライブ配信の様子を視聴者のタイミングでいつでも見られるようにしておくアーカイブ配信などのライブ配信関連動画(以下、「ライブ配信等」)、②配信の見どころのワンシーンを切り抜いて短時間で楽しめるようにした「切り抜き動画」等の編集動画(以下、「切り抜き・編集動画等」)がある。
本調査結果では、男女ともに年齢層が低いほど「切り抜き・編集動画等」の回答率が高く、年齢層が高くなるにつれて「ライブ配信等」の占める割合が高い結果となった。一般に「ライブ配信等」は視聴にかかる時間が1時間以上を超えるものも多く、「切り抜き・編集動画等」は5~10分程度の短尺が多い。低年齢層で「切り抜き・編集動画等」が支持を集めた背景として、短時間で見どころを把握できるため「タイパ」(タイムパフォーマンス)を重視する若年層の志向と合致していることが考えられる。
さらに、男女どの年齢層においても「両者同じくらい」の回答率が10~20%見られた。このことから、性別および年齢別によって視聴傾向に違いがあるものの、「ライブ配信等」・「切り抜き・編集動画等」ともに広く普及していることが窺える結果となった。
「ライブ配信等」はVTuberが配信した公式のコンテンツだが、「切り抜き・編集動画等」は公式によるもののほか、ファンによる二次創作コンテンツも多い。このようなファンメイドのコンテンツを含む「切り抜き・編集動画等」がどの性年齢層においても一定の回答率を得ていることは注目に値する。
この背景として、VTuber事務所各社は「切り抜き・編集動画等」に対してガイドラインを作成し、UGC(User Generated Content)促進などの施策を行っていることもあると考えられる。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
上位6事務所は「VTuberファン」からの認知率が50%を超える
調査要綱
2.調査対象: 日本国内在住の15~44歳の男女1,200名
3.調査方法: インターネットアンケート調査
<本調査について>
本消費者アンケート調査では、2024年10月から11月に日本国内在住の15~44歳の男女37,353名に対して、インターネットアンケート調査を実施した。趣味設問項目の中から「動画視聴」を選択し、好きな動画タイプから「VTuber」を選択した1,200名(男性600名、女性600名)を対象に、インターネット・SNS等利用状況や、VTuber関連動画の視聴頻度・時間・媒体・動機・傾向・好きな動画タイプ、VTuber事務所/プロジェクトの認知度、VTuber関連グッズ・イベント等の支出状況について、調査・分析した。なお、本調査対象者1,200名を、「VTuberファン」と呼ぶ。
<市場に含まれる商品・サービス>
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