2018 年度の国内次世代住宅関連主要設備機器市場は6,796 億円の見込
~太陽光発電システム減少や単価下落で市場規模は減少傾向、今後は家庭用蓄電システムの普及に期待~
1.市場概況
HEMSやスマートメーター、太陽光発電システム、燃料電池システム、家庭用蓄電システム、V2H の6 機器を対象とした、2018年度の国内の次世代住宅関連主要設備機器の市場規模(末端販売額ベース)は前年度比97.7%の6,796 億円の見込みである。
2014年度以降、構成比率の高い太陽光発電システム販売額の減少や、各設備機器の単価下落に伴って市場規模は減少傾向にある。但し、既に市場が形成されている太陽光発電システム、社会インフラとして電力会社の計画に沿って普及が進んでいるスマートメーターを除く4機器を対象とした、2018 年度の次世代住宅関連主要設備機器市場規模(同ベース)は1,808億円と、2014 年度比160%と拡大傾向の見込みである。
2.注目トピック
2019 年問題に向けて蓄電システムの需要が拡大
今後の次世代住宅関連主要設備機器の市場拡大に最も貢献する設備機器が、家庭用蓄電システムである。蓄電システムは、これまで “もしもの時” のためを訴求した製品であったが、「2019 年問題(卒FIT)」を背景として、余剰電力の自家消費に向けた需要が拡大すると考える。
資源エネルギー庁によるとFIT 契約満了者は2019 年(11 月~12 月のみ)で53 万世帯おり、蓄電システムメーカーは販売店と連携して、卒FIT マーケットの顧客獲得を目指している。また、住宅用PV(太陽光発電)情報サイトがFIT 契約者を対象に実施したアンケート調査では、「満了後には自家消費を行う」との回答が過半数を超えたとの結果もあり、市場拡大への期待感が高まっている。
3.将来展望
近年のZEH の普及や省エネ基準義務化を背景として、一次消費エネルギーの抑制に対する取組みが加速していることから、2019 年度以降はPV (太陽光発電)需要の増加が期待される。一方で省エネ基準義務化の見直しもあるが、市場は回復基調にあると考える。
2022 年度の国内の次世代住宅関連主要設備機器(6品目)市場(末端販売額ベース)を7,899 億円と予測する。
また、太陽光発電システム、スマートメーターを除いた2022 年度の国内の次世代住宅関連主要設備機器(4品目)の市場は、2014 年度比324%の3,649億円に拡大すると予測する。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
スマートメーター
太陽光発電システム
家庭用燃料電池システム
家庭用蓄電システム
V2H
調査要綱
2.調査対象: 次世代住宅関連設備機器メーカー、ハウスメーカー、関連業界団体他
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接、電話調査、ならびに各種文献調査併用
<次世代住宅関連主要設備機器とは>
本調査における次世代住宅関連主要設備機器とは、次世代住宅[スマートハウスやZEH(Net Zero Energy House;ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)]を構成するHEMS(Home Energy Management System)・スマートメーター<以上、制御系機器>、太陽光発電システム・燃料電池システム<以上、創エネ系機器>、家庭用蓄電システム・V2H(Vehicle to Home)<以上、蓄エネ系機器>の計6機器(全て住宅用)をさす。
<市場に含まれる商品・サービス>
HEMS(Home Energy Management System)、スマートメーター、太陽光発電システム、燃料電池システム、家庭用蓄電システム、V2H(Vehicle to Home)
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