企業経営者、ビジネスパーソンへのアンケート調査結果では、今後、業界の将来に大きな影響を与えると思われる技術・事業機会は第1位が「AI」、「医療」「DX」が続く
~新型コロナウイルスは、業種を越えてデジタル化対応など新たな取り組みを加速させる見通し~
1.調査結果概要
新型コロナウイルスの感染拡大は人々の生活から “それ以前の当たり前の日常” を奪うとともに、人とモノの流れの寸断と停滞により産業全体に大きなマイナスの影響を与えた。
一方で、コロナ禍はプラスの方向にも大きな影響を与える。今回、ビジネスパーソンが注目する成長産業や事業機会を調査した結果、デジタル化などへの注目度が非常に高い結果となった。コロナ禍以前から注目されていた内容も少なくないが、コロナ禍によって一層注目度が高まった可能性がある。
新型コロナウイルスの収束時期が見通せない中にあっても、ただ悲観するだけではなく、今後、これを変革のチャンスとして捉えてスピード感を持ってチャレンジし、新たな価値創造へとつなげてくようなビジネスの動きが加速しそうだ。
2.注目トピック
ネガティブな状況の中だからこそ、新たな取り組みが加速する
本調査では、新型コロナウイルス感染拡大が企業の当期業績に与える影響と収束後の経営環境変化を予測すべく、第一線で活躍する企業経営者、ビジネスパーソン810名にアンケート調査を実施した。本設問では「所属する会社の産業セクターにおいて、業界の将来に大きな影響を与えると思われる技術、事業機会、ビジネスモデル、製品、サービス等」について、自由記述方式で2つまで尋ねた。
回答をキーワード集計したところ、「AI」が101件でトップとなり、類似概念の「DX(デジタルトランスフォーメーション)」(59件)が第3位となった。全体的にデジタル化への注目度は高く、もはやあらゆる産業でその取り組みは必然となりつつある。
また、「医療」も62件で第2位と注目度が高いキーワードの1つとなっていた。今回のパンデミックでは、日本における社会インフラとしての医療体制の脆弱さと規制等によるデジタル化の遅れを露呈させた。遠隔医療や予防診断はITとの親和性も高く、周辺市場の需要も大きいものがある。
さらに、「次世代自動車(xEV)」が55件で第4位となり、自動運転やCASE(Connected、Autonomous、Shared & Service、Electric)、MaaS(Mobility as a Service)に対する注目度も業種を越えて高い調査結果となった。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
新型コロナをきっかけとして、様々に事業の在り方そのものが見直されている
調査要綱
2.調査対象: 当社情報サービス会員等
3.調査方法: WEBアンケート調査、ならびに当社専門研究員による直接面談、eメール・電話取材、文献調査併用
<本調査について>
緊急事態宣言発令下にあった2020年4月22日~5月18日に、当社情報サービス会員等(全国の大手・中堅企業の経営者、ビジネスパーソン)を対象として、WEB形式でのアンケート調査を実施し、810名からの回答を得た。
新型コロナによる通期業績への影響の調査結果速報は下記よりご覧ください。
https://www.yano.co.jp/announce/621
また、本調査において、下記の21業界の構造変化(6月現在、新型コロナウイルス感染拡大の当期業績において予見される影響、ウィズコロナ・アフターコロナを見据えた中長期的な影響)について、当社専門研究員がとりまとめ、日本の産業に与える影響や変化などについて明らかにした。
1.アパレル業界、2.化粧品業界、3.スポーツ業界、4.流通・小売業界、5.ジュエリー業界、6.外食業界、7.パチンコ業界、8.宿泊(ホテル、旅館)業界、9.教育関連業界、10.物流・倉庫業界、11.住宅・建設業界、12.環境・エネルギー業界、13.医療業界、14.食糧・食品・飲料業界、15.モビリティ業界、16.バッテリー(LiB)業界、17.化学・素材業界、18.電気・精密・電子部品・機械業界、19.情報通信(IT)業界、20.金融業界、21.ゲーム業界
<市場に含まれる商品・サービス>
アンケート調査結果、21業界の構造変化
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