2019年度の国内ユニフォーム市場規模は前年度比100.7%の5,292億円と微増
~今後、コロナ禍の影響によるインバウンド関連需要減少や、働き方改革・在宅勤務での落ち込みに加え、少子化による減少トレンドなどユニフォーム需要減少を予測~
1.市場概況
2019年度の国内ユニフォーム市場規模は、メーカー出荷金額ベースで前年度比100.7%の5,292億円であった。2020年初頭からの新型コロナウイルス感染拡大により、これまで拡大傾向にあったユニフォーム市場への影響は避けられない。開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックは延期が決定し、インバウンド(訪日外国人客)需要は急速に減少し回復の道筋も見えてこない。
ユニフォーム需要は外部環境により変化しやすく、インバウンド関連の需要を見込んでいた宿泊施設や飲食店向けのサービスユニフォームが落ち込む見込みであり、働き方改革や在宅勤務の影響でオフィスユニフォームも縮小傾向は変わらない。スクールユニフォームはコロナ禍の影響は少ないものの、少子化による減少トレンドにある。こうしたことから、2020年度のユニフォーム市場は同92.8%の4,910億円に落ち込むと予測する。
2.注目トピック
アパレルメーカーら、医療用防護服、医療用ガウンを生産
全国の医療機関で、医療用ガウンや医療用マスクの供給不足が深刻化している。厚生労働省が補正予算として、医療用ガウンやサージカルマスクなど合計1,100億円を計上したことを受け、アパレルメーカーや繊維商社などが医療用ガウンの生産を相次いで表明した。
厚生労働省は、医療従事者をサポートするために9月を目途に医療用ガウン4,500万枚の供給を目指しており、国内の縫製工場でも生産が広がる見込みである。
3.将来展望
新型コロナウイルス感染拡大による東京オリンピック・パラリンピックの開催延期や、インバウンド(訪日外国人客)の大幅減に加え、長期的な就労人口や生徒数の減少とマイナス材料が多く、2021年度の国内ユニフォーム市場(メーカー出荷金額ベース)は前年度比93.2%の4,575億円を予測する。
需要分野別にみると、サービスユニフォームがコロナ禍の影響が濃いものの、ワーキングやオフィス分野でも需要減が見込まれる。ユニフォーム業界は近年、メーカーによる分野ごとの棲み分け構造が崩れており、競争はより激化している。今後、競争はより激しいものになるであろう。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
サービスユニフォーム
オフィスユニフォーム
スクールユニフォーム
調査要綱
2.調査対象: 有力ユニフォーム企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話アンケート調査、ならびに文献調査併用
<ユニフォーム市場とは>
本調査におけるユニフォーム市場とは、ワーキングユニフォーム(食品以外の製造工場・建設業向けユニフォーム)、サービスユニフォーム(病院・介護施設、清掃業、飲食業、食品工場向けユニフォーム等)、オフィスユニフォーム(事務服)、スクールユニフォーム(学校制服)の4分野のユニホームを対象として、メーカー出荷金額ベースで算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
ユニフォーム:ワーキングウェア、オフィスウェア、メディカルウェア、フードウェア(飲食店向け、食品工場向け)、アミューズメント向けウェア、宿泊施設向けウェア、リラク ゼーション向けウェア、学校制服
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