プレスリリース
No.2882
2021/12/27
食品小売市場に関する調査を実施(2021年)

2021年の食品小売市場を前年比97.3%の47兆6,200億円と予測
~食品スーパーの新規出店は穏やかに増加、内食需要を背景に飲料・食料品の好調が続く~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の食品スーパー、GMSを中心とした食品小売業を調査し、業界動向、企業動向、将来展望などを明らかにした。
食品小売市場規模推移・予測
食品小売市場規模推移・予測

1.市場概況

経済産業省の「商業動態統計調査」によると、2020年の食品小売市場は前年比99.1%の48兆9,634億円となった。3年連続でプラスとなっていたが、2020年はマイナスに転じている。
内訳を見ると、総合スーパー・大型食品スーパーが前年比118.1%とプラスだったのに対し、百貨店が同83.9%、中小型食品スーパー・その他飲食料品小売業が同94.9%であった。

2.注目トピック

食品スーパーの業界動向

食品スーパーは、2020年の新型コロナウイルス感染拡大による内食需要拡大と健康意識の向上で、好調に推移した。コロナ禍の影響により、外出自粛要請や店舗の営業時間短縮などにより消費者の外食離れが進み、外食企業は厳しい事業環境が続く一方で、家庭内調理の増加や、外食メニューのテイクアウト及びデリバリーなどの利用が定着し、消費者の外出自粛に伴う需要が増加傾向にある。

その中で、食品スーパー業界は他業種との競争がより激しい状況になっている。コンビニエンスストアのほか、ドラッグストアや総合ディスカウントストアが食品の販売比率を高めて展開している。その他、惣菜市場は拡大していくとの認識のもと、近年は様々な業界からの参入が相次いでいる。中でもドラッグストアチェーンや外食企業などの参入により、同業他社だけではなく、業種・業態を超えた、競争環境が厳しさを増している。

2021年もコロナ禍による特需が一周したことで若干の低迷はあるが、全体としては堅調である。この傾向は新型コロナウイルスの収束がより進むことで変化も生じていくと思われるが、2020年の特需ほどではないにせよ、内食需要はある程度続くものと考えられる。
食品小売業では、今後も外食から流失した「食」の利用需要を獲得するための業界の垣根を越えた競争の高まりは継続する見通しである。

3.将来展望

2021年の食品小売市場を前年比97.3%の47兆6,200億円と、全体市場は前年比でマイナスを予測する。
食品スーパーは2021年上半期において、緩やかな出店数の増加が続いている。いわゆる “コロナ禍2年目” の2021年は、引き続き内食需要のため飲食料品の好調が続いている一方で、「商業動態統計調査」の2021年上期販売額は前年同期比で減少に転じた。前年はコロナ禍に伴う内食需要が急拡大したため “特需” の1年となり、店舗当たり販売額、販売額伸び率とも大幅な増加に転じたが、その反動による減少とみられる。

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  • セグメント別の動向
  •  2020年の食品小売市場は、前年比99.2%の48兆9,634億円
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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年9月~11月
    2.調査対象: 食品スーパー、GMSを中心とした食品小売業、その他関連企業・団体
    3.調査方法: 当社専門研究員による市場調査資料データ編集、ならびに各種文献調査併用

    <市場に含まれる商品・サービス>

    食品小売を取り巻く環境(市場の変化、商流、商業施設における核テナントの変遷、消費環境)や業態別(百貨店、GMS[量販店]、コンビニエンスストア、中小型食品スーパー、その他飲食料品小売業)の動向、食品スーパーの収益性、スーパーマーケットの現状など

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2021年11月29日
    体裁
    A4 380ページ
    価格(税込)
    143,000円 (本体価格 130,000円)

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