健康被害の報道を認知している消費者の3割以上が健康食品(サプリメント)や機能性表示食品に対して心象が悪化したと回答
~紅麹問題で揺らいだ信頼性の再構築が市場回復の鍵~
ここでは、健康食品(サプリメント)の摂取状況(種類、支出金額、購入場所、目的、重視する点)や、2024年に報道された紅麹問題を受けてのサプリメントや機能性表示食品に対する心象の変化について、分析内容を公表する。


1.調査結果概要
2024年10月から11月にかけて全国在住の20代以上の男女4,942名(男性2,597名、女性2,345名)に対し、事前調査として健康食品(サプリメント)の摂取状況(単数回答)について尋ねたところ、全体では「現在摂取している(18.7%)」、「ときどき摂取している(6.0%)」、「必要に応じて(不定期に)摂取している(4.8%)」となり、不定期の摂取を含めると、約3割が健康食品を現在摂取しているという結果となった。
この約3割の健康食品(サプリメント)摂取しているとした回答者1,456名(男性704名、女性752名)に対し、本調査では、健康食品の具体的な購入・摂取の状況の調査を実施し、年代別に20代から30代、40代から50代、60代以上の3つの年代に区分し、調査結果を分析した。
本調査結果から、健康食品の種類(加重平均)は概ね男女とも全年代区分で2~3種類であった。一方で、1ヶ月当たりの支出金額(加重平均)をみると、男女とも年代区分が上がるにつれ健康食品への支出金額が増額している傾向があることが窺える。
次に、摂取している健康食品の購入場所としては、全体で「Amazon、楽天市場などのショッピングサイト」および「ドラッグストア、薬局・薬店」が上位であったが、60代以上の男女では「健康食品メーカーの通販サイト」の回答も多かった。また、「iHerbなどの海外通販(個人輸入)サイト」から購入するケースもみられ、20代~30代の男女では約1割が利用しているとの結果であった。
健康食品の摂取目的に関しては、男性では、全年代区分で「疲労回復、滋養強壮」と『健康維持・増進」が上位であった。女性では、全年代区分で「健康維持・増進」が最も多かったほか、20代~30代では「にきび、毛穴の開きなどの肌トラブル予防、改善」の回答も多く見られた。また、健康食品を選ぶ際に重視する項目としては、男女とも全年代区分で「価格」と「配合成分の種類」の割合が高かった。
2.注目トピック
紅麹問題を受け、報道を認知している消費者の36.8%が健康食品(サプリメント)や機能性表示食品に対する心象が悪化したと回答
2024年3月に、紅麹関連製品による健康被害発覚の報道がなされた。2024年10月から11月にかけて全国在住の20代以上の男女4,942名(男性2,597名、女性2,345名)に対し、事前調査としてこの報道の認知状況について尋ねたところ(単数回答)、「報道について、詳細を知っている(20.9%)」、「報道について、概要を知っている(48.0%)」、「報道は耳にしたが、詳しくは知らない(16.1%)」、「報道されたことを知らない(15.0%)」という結果であり、全体の85%が報道を認知していた。
このうち、報道を認知しているとした回答者4,199名(男性2,166名、女性2,033名)に対して、健康食品(サプリメント)や機能性表示食品に対する心象の変化を尋ねたところ、最も多かった回答は、「サプリメント全体に対する安心感や信頼感が低下した」であり、29.4%に及んでいる。「機能性表示食品に対する安心感や信頼感が低下した」との回答は7.4%見られた。今回報道がなされた製品は機能性表示食品であるが、本調査結果から、報道を認知している消費者の36.8%は機能性表示食品に限らず、サプリメント全体に対しての心象が悪化していることが窺える。
サプリメントを取り扱う企業においては、商品の安全性を改めて訴求し、低下した信頼を取り戻すことが喫緊の課題となっているものと考える。
オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!
【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】BCパターン
調査要綱
2.調査対象: 全国在住の20代以上の男女4,942名(男性2,597名、女性2,345名)
3.調査方法: インターネット消費者アンケート調査
<健康食品に関する消費者アンケート調査とは>
本アンケート調査は2024年10月から11月にかけて全国在住の20代以上の男女4,942名(男性2,597名、女性2,345名)に対し、健康・美容のための対策や健康食品、保健機能食品(機能性表示食品、特定保健用食品)の摂取状況等について実施した事前調査と、このうち健康食品(サプリメント)を摂取しているとした回答者の男女1,456名(男性704名、女性752名)に対し、健康食品の摂取状況を詳細に調査した2段階のアンケート調査としている。ここでは、健康食品(サプリメント)の摂取状況(種類、支出金額、購入場所、目的、重視する点)や、2024年に報道された紅麹問題を受けてのサプリメントや機能性表示食品に対する心象の変化について、年代別に20代から30代、40代から50代、60代以上の3つの年代に区分し、分析内容を公表する。
なお、本調査における健康食品(サプリメント)とは、錠剤、カプセル、粉末・顆粒、ミニドリンク形状の健康・美容を目的とした食品を対象とし、医薬品、医薬部外品は除く。
<市場に含まれる商品・サービス>
健康食品(サプリメント)、機能性表示食品、特定保健用食品(トクホ)
出典資料について
お問い合わせ先
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。