2012年版 透明導電性フィルム市場の現状と将来展望
今回で9版目となる「透明導電性フィルム市場の現状と将来展望」では、静電容量タッチパネル用ITOフィルム市場におけるメーカーシェアなどの市場規模を把握・分析するとともに、量産がスタートしているAgナノワイヤーフィルムや、量産間近い導電性ポリマーフィルムといった新型透明導電性フィルムに関しても考察し、前回以上に精度の高いお役にたてるようなレポートを作成いたしました。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- 静電容量タッチパネル用ITOフィルム市場動向を調査・分析。
- ITOフィルム以外の新型透明導電性フィルムについて掲載。
- ITOフィルムは「2012年版 静電容量方式タッチパネル・部材市場の徹底分析」から転載。
■本資料の概要
第1章 透明導電性フィルム市場の現状と将来展望
第2章 透明導電性フィルムの市場動向と展望
第3章 透明導電性フィルム関連メーカーの動向と戦略
特別資料 透明導電性フィルム市場の現状と2012年トピック
■掲載内容
第1章 透明導電性フィルム市場の現状と将来展望
非ITOフィルムが本格採用、透明導電性フィルムは群雄割拠の時代に
CambriosとTPKの連携、FoxconnによるCNT製造
10年後でも世界をリードするための仕組み作りこそ必要に
第2章 透明導電性フィルムの市場動向と展望
1.ITOフィルム市場
ITOフィルムの低価格化に加え、新たなテクノロジーレースへの挑戦が必須
2011年の静電容量TP用ITOフィルム市場規模は600万㎡超へ
2012年はガラスセンサーからの代替状況によって、市場規模は大きく変化
(表)(図)静電容量TP用ITOフィルム市場規模推移(2007~2012年見込み)
日東電工&尾池工業の寡占市場にLG化学が参入
(表)静電容量TP用ITOフィルムメーカー別販売量・シェア推移(2008~2011年)
(図)静電容量TP用ITOフィルムメーカーシェア(2011年)
再燃する「アートンVSゼオノア」、両者ともにいかにガラス代替を促進するかがカギ
「Wet-IM」VS「Dry-IM」、ITO結晶化のアニール設備、メタル成膜
ITOフィルムに要求される技術はさらに高度化
(表)ITO膜のTP適性及びメーカー別ラインナップ状況
両面ITOフィルムに対する注目度が向上、AgナノワイヤーはEMIシールド基板として採用
(表)ITOフィルムメーカー 生産拠点
2.Ag系フィルム市場
TP向けに採用され始めたAgナノワイヤーフィルム
2012年にはLCDパネル側への使用が始まる見通し
Agメッシュフィルムは超低抵抗&フレキシブル対応が評価され
フレキシブルディスプレイ向けでの採用が検討
3.導電性ポリマーフィルム市場
導電性ポリマー塗液で導電率3,000S/cmの達成も
導電性ポリマーのメカニズムが明らかになったことで、高導電化開発はさらに加速
2012年末よりスマートフォン向けの採用が視野に入る
不可視化技術と価格競争力の高さでITOフィルムと差別化
第3章 透明導電性フィルム関連メーカーの動向と戦略
尾池工業株式会社
「OIKE透明導電性フィルムワールド」を標榜し、
TP用ITOフィルムのみならず、技術及びアプリの新たな展開を推進
2011年4月に新規ライン導入、キャパは600万㎡/年超へ拡大
50μmPETへのITO成膜技術は確立、次は25μm品への対応へ
メタル成膜ではCu系ターゲットを採用、酸化処理及びピンホール対応で差別化につなぐ
静電容量TP向けが好調に拡大する一方、電子ペーパーや調光シート向けの需要も増加
グンゼ株式会社
TP及びTP部材ビジネスの両輪で事業拡大を追求
2012年4月に新規ウエットコートラインが稼働、HC塗工及びOCA生産増へ
COP系フィルムベースの抵抗膜TPが同PETベースよりも金額で上回る
JSR株式会社
アートン®ベースのITOフィルムによってガラス代替を推進
2010年よりITOフィルム市場に参入、キャパは2011年度に3倍に増強
ITOフィルム用に最適化したアートン®フィルム及びHC材
材料設計及び加工技術を活かし、ITOフィルム事業の拡大につなぐ
Surface Tech Co.,Ltd.
静電容量TP向けの拡販に特化
2012年7~8月から新設4号機が本格量産、同設備はアニール処理にも対応
高透過ITOフィルム「HI-CPC」をベースに、静電容量用「ICPC」を開発
2012~2013年には抵抗膜TP用の販売を減らし、静電容量TP向けの拡販に注力
2013年には静電容量TP用のみでのフル稼働を目指す
MAX FILM Corporation
小回りのきいた営業力及びきめ細かな品質競争力を武器に差別化を推進
2012年1月から静電容量TP用ITOフィルム設備が稼働
抵抗値150Ω/□タイプは2012年下期から量産開始
SKC Haas Display Films Company
静電容量TP向けはまずはミドルエンドからの採用拡大へ
2011年秋に静電容量TP用の広幅ラインが稼働
高透明ITOフィルム「SI-HET」、静電容量用ITOフィルム「SI-HIT」を開発
「HIT」ではPET50μmにも対応、IMのWet対応も検討
NAWOOTECH CO.,LTD.
ITOフィルム及びITOガラスともに事業拡大を追求
2011年12月にITOガラス設備を新設、
2012年下期以降にはITOフィルムラインを新設予定
2011年度はITOフィルム売上高がITOガラスを上回る規模にまで拡大
HanSung Ind Co., LTD.
抵抗膜TP向けの販売に特化、中国市場でのシェア拡大を目指す
抵抗膜TP向けでは品種拡充&低価格ITOフィルムで、ハイエンド~ローエンドをカバー
片面HCの使用を検討、早ければ2012年6月から量産へ
富元精密鍍膜股份有限公司 (BUWON ACT CO.,LTD.;旧SNP)
ITOガラス及びタッチセンサーの両輪で事業拡大を追求
2012年初頭にCFラインの調整によりTP用エッチング設備を拡充
2011年Q4よりOGS対応開始、早ければ2012年Q4より自社で二次強化もスタート
ヘレウス株式会社
高導電グレードの本格採用が秒読み段階に、「ITOでは難しい用途」展開へ
2011年11月に都内でクレビオス応用技術開発研究所が開設
ユーザーの訪問件数や共同開発案件数が増加基調に
OLED用に有機溶媒対応「Clevios HIL 4」、ITO代替「Clevios F CE」を上市
高導電等の各種グレード内で耐熱性及び耐光性を高めたSTABグレードもラインナップ
2012~2013年にかけて1,500S/cmを上市し、2014年までに量産体制へとシフト
静電容量TP向けでは「不可視化」の強みを活かし、2012年末からの本格採用につなぐ
テイカ株式会社
性能及び価格における競争力強化を推進
2011年の酸化剤及びEDOT販売量は大幅減となるも、2012年は前年を上回る見込み
コンデンサー用特殊酸化剤やモディファイしたEDOT等を上市
分散液では水分散及び溶媒分散のラインナップを活かしマーケット開拓を推進
日本カーリット株式会社
ピロール市場で圧倒的なシェアを構築、EDOT及びPEDOT市場でも攻勢をかける
ピロールは国内向けが低迷するものの海外向けが伸長
EDOTは2012年10月から海外委託先の活用も推進
ピロールに加え、EDOT及びPEDOTのチオフェン系の販売量が拡大見込み
特別資料 透明導電性フィルム市場の現状と2012年トピック
1.ITOフィルム市場
1-1.静電容量TP用ITOフィルム市場規模推移(2007~2012年見込み)
1-2.ITOフィルム市場展望
1-3.ITOフィルムメーカーシェア
1-4.ITOフィルム材料動向
1-5.ITOフィルムメーカー生産拠点概要
2.透明導電性フィルム市場トピック
2-1.2012年におけるITOフィルムトピック
2-2-1.タブレット端末用ガラスセンサー構成(例)
2-2-2.某タブレット端末メーカー構成(推定)
2-2-3.光学等方性ITOフィルム
2-3. 両面ITOフィルムの本格量産化
2-4-1.各種透明導電性フィルムの概要
2-4-2.各種透明導電性フィルムの特長と課題
2-4-3.フレキシブルOLED用TPセンサー
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。