2015年版 熱可塑性エラストマー市場の展望と戦略
熱可塑性エラストマーメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査するとともに、各TPEの用途別の需要動向・見通し、採用要因、ゴム代替を中心とした新規用途開発の動向を明らかにした。
調査資料詳細データ
調査目的:熱可塑性エラストマーメーカーの現在の動向と今後の事業施策を徹底調査するとともに、各TPEの用途別の需要動向・見通し、採用要因、ゴム代替を中心とした新規用途開発の動向を明らかにする。
調査対象:ブレンド型TPO(TPO、TPV)、TPS(SBS、SIS、水添系TPS、TPSコンパウンド)、TPU、TPC、TPA
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用。
調査期間:2014年10月~2015年1月
- 主要熱可塑性エラストマー(TPO、TPS、TPU、TPC、TPA)における
2014年の国内市場規模、需要分野別構成比、メーカシェアを公表 - 主要熱可塑性エラストマー(TPO、TPS、TPU、TPC、TPA)における
2015~2020年までの国内需要を数量ベースで推計 - 参入メーカーの生産体制、販売動向、新規グレード・用途の開発動向を詳細に解説
第1章 熱可塑性エラストマー市場の展望と戦略
第2章 各種熱可塑性エラストマー市場の現状と展望
第3章 熱可塑性エラストマーメーカーの現状と戦略
■掲載内容
第1章 熱可塑性エラストマー市場の展望と戦略
主要TPEの2014年国内需要は前年比100.7%で着地へ
事業環境は厳しさを増すものの、2020年までプラス成長が続く見通し
(図・表)主要TPE国内需要推移
(図・表)主要TPE国内需要見通し
TPEメーカーのグローバル供給網の整備が進展も
異なる競争優位の源泉確立が急がれる
TPEの用途拡大に向け、他素材を組み合わせたソリューションの提供が有効
第2章 各種熱可塑性エラストマー市場の現状と展望
【1】スチレン系エラストマー市場
1.TPS(ニートポリマー)の動向
SISと水添系が堅調推移、TPSの国内販売量は2015年に9万t超へ
(表)TPS種類別国内販売量推移
(図・表)TPSメーカー別販売量(2014年)
SBSはアスファルト改質・樹脂改質向けが減速も、粘接着用途が伸長
(図・表)SBSメーカー別販売量(2014年)
(図・表)SBS需要分野別構成(2014年)
SISは堅調な衛生材料向けに加え、医療分野で需要が立ち上がる
(図・表)SISメーカー別販売量(2014年)
水添系はコンパウンドやPP 樹脂改質用途が安定
クレイトンポリマージャパン、クラレがラインナップの強化を進める
(図・表)水添系TPSメーカー別販売量(2014年)
(表)メーカー各社の独自グレード一覧
(図・表)水添系TPS需要分野別構成(2014年)
(表)TPSメーカー生産体制一覧
2.TPS(コンパウンド)の動向
三菱化学がTessenderlo Groupのコンパウンド事業を買収
(図・表)TPSコンパウンドメーカー別販売量(2014年)
(表)主要TPSコンパウンドメーカー生産体制一覧
食品分野が伸び悩むも、医療向けの需要が底堅く推移
(図・表)TPSコンパウンド需要分野別構成(2014年)
【2】オレフィン系エラストマー市場
ブレンド型TPOの国内販売は前年並みを維持も、2015年に輸出が大幅減へ
(表)ブレンド型TPO国内販売・輸出推移
自動車分野での海外需要取り込みを目指し、グローバル供給網の整備が進む
(図・表)ブレンド型TPOメーカー別販売量(2014年)
(図・表)TPOメーカー別国内販売量(2014年)
(図・表)TPVメーカー別国内販売量(2014年)
(表)ブレンド型TPO生産拠点一覧
完全架橋タイプで競争が激化の兆し
ACMなど機能性ゴム代替を狙う動きも浮上する
(図・表)ブレンド型TPO需要分野別構成(2014年)
TPOはエアバックの装着率・装着部位の拡大に伴い堅調推移
【3】ウレタン系エラストマー市場
押出成形用途の需要が堅調推移、TPUの国内出荷はプラス成長が続く見通し
(表)TPU国内出荷・輸出推移
(図表)TPUメーカー別販売量(2014年)
(表)主要TPUメーカー生産拠点一覧
介護用品や衛生材料などヘルスケア分野の用途拡大に期待感が高まる
(表)TPU成形方法別出荷動向
海外では自動車外装材として無黄変グレードの採用がスタート
地球環境に配慮した植物由来TPUの開発・上市も進む
【4】ポリエステル系エラストマー市場
自動車分野を中心とした用途拡大によりTPCの国内販売は堅調推移
旺盛な海外需要に対応するため、東洋紡が適地供給体制を構築へ
(表)TPC国内販売量推移
(図表)TPCメーカー別販売量(2014年)
(表)TPCメーカー生産体制一覧
CVJブーツをはじめとする既存用途の需要は順調に拡大
(図・表)TPC需要分野別構成(2014年)
メーカー各社が独自の視点で多様な機能を付与したグレードを開発・上市
【5】ポリアミド系エラストマー市場
2014年の内需は前年並みで着地、スポーツ分野向けを中心に輸出は拡大傾向
(表)TPA国内販売・輸出推移
(図・表)TPAメーカー別販売量(2014年)
改質剤や工業部品向けが底堅く推移
(図・表)TPA需要分野別構成(2014年)
帯電防止や高熱伝導などの機能付与、プロセス改善技術など開発テーマが多様化へ
第3章 熱可塑性エラストマーメーカーの現状と戦略
旭化成ケミカルズ株式会社
樹脂改質を中心とした高付加価値領域での展開を強化
SBSは衛生材料用粘接着剤向けに低粘度グレードの採用が拡大
水添系「タフテック」は自動車・医療分野でのPP改質用途が需要を牽引
JSR株式会社
海外需要のさらなる取り込みと新規テーマの育成に注力
「JSR RB」は履物向けの需要が新興国で拡大、タイヤ改質剤向け「AT」の採用も始まる
プロテクトフィルム向けに「JSR DYNARON」の拡販に取り組む
「JSR TR」は樹脂改質・アスファルト改質向けが苦戦も粘接着向けが伸長
経皮吸収型製剤向けに「JSR SIS」の需要が拡大傾向
株式会社クラレ
高性能・高機能グレードによる用途開発を加速化
2014年秋に米国工場でデボトル増強を実施、生産能力を2万t/年強に引き上げる
高性能・高機能銘柄の販売を推進
液状ゴムで先行するバイオモノマーの開発を水添系TPSに拡大へ
三菱化学株式会社
M&A等によりTPE事業のグローバル展開を加速させる
欧州、北米でのコンパウンド事業買収と新興国での新拠点設置により
TPEの生産能力は20万t/年規模に拡大
「サーモラン」は拡大が続くエアバックカバー向けの需要を着実に取り込む
「ラバロン」は前年並みが続くも、自動車シール部材向けに「テファブロック」が好調
「プリマロイAP」が需要を牽引し、TCPは2ケタ成長が続く
「サンプレーン」は海外市場での販売増を目指す
住友化学株式会社
グローバル供給網とソリューション体制の整備により
TPEの事業機会を最大限に取り込む
2014年7月に自動車材事業部にTPE及びPPコンパウンドの事業を集約
米国の増強に続き、欧州や中国でTPEの生産を検討へ
主力のエアバックカバー向けの需要が順調に拡大
高架橋タイプ6000シリーズでゴム代替の取り組みをさらに強化する
リケンテクノス株式会社
積極的な設備投資によりコンパウンド事業のグローバル展開を加速
2014年夏に米子会社のTPE増設ラインが稼働
TPVによるEPDMの置き換えが進展、高耐熱・高耐油グレードでさらなるゴム代替を狙う
E触感エラストマーは自動車内装材、トリニティFRは再生可能エネルギー分野で需要を伸ばす
信越ポリマー株式会社
独自のシリコーン配合・分散を活かした摺動材分野での用途展開を推進
2013年に高機能コンパウンド「EXELAST」の生産能力を従来比50%増強
TPV「SX」、T-PVC「SE」など高摺動材料の販売が好調推移
BASFジャパン株式会社
TPUのグレード開発を推進し、日本発のイノベーションを創出
ユーザーニーズへの対応力とオペレーショナル・エクセレンスの強化を推し進める
2014年に「エラストラン無黄変タイプ」が自動車外装材に採用
次世代型ポリエーテル系低反発グレードはホース・チューブ、電線被覆向けなどに展開
E-TPUは反発弾性や強度を前面に出しながらマーケティング活動を本格化
ディーアイシーバイエルポリマー株式会社
TPUの樹脂特性と環境対応技術の融合による新たな需要の創出に取り組む
自動車、ヘルスケア、スポーツ衣料、ゴルフボールの4分野での展開を強化
押出成形用途を中心にTPUの販売量は増加傾向
低硬度、ノンハロ難燃など特殊グレード開発に注力
東ソー株式会社
ビニル・イソシアネート・チェーン事業の競争優位性に磨きをかける
2014年10月に日本ポリウレタン工業を吸収合併し、ウレタン事業の基盤を強化
押出用途は横ばい推移も、為替の円安傾向に伴い射出用途で需要が回復傾向
ノンハロ難燃グレードやエステル系低硬度グレードの拡販に取り組む
大日精化工業株式会社
樹脂合成、共重合、分散加工のコア技術を活かした
機能性TPU コンパウンドの販売に注力
ベルト・チューブなど押出分野が牽引し、2014年の販売量は前年超えへ
透湿、抗菌、難燃などの機能性グレードを拡販
環境配慮型TPU「レザミンPB」は2014年に本格採用が始まる
東レ・デュポン株式会社
機能グレードのラインナップ拡充によりハイトレル事業の成長を加速させる
自動車分野での採用部位増加によりTPC「ハイトレル」の需要は順調に拡大
異種材接合グレードや放熱グレードのサンプルワークを推進
東洋紡株式会社
新たな用途展開を目指し「ペルプレン」のグレード開発を加速させる
2014年にブラジルで高機能樹脂コンパウンドの自社工場が稼働、メキシコには販売会社を設立
自動車分野を中心にTPC「ペルプレン」の販売は好調推移
超高耐熱「Cタイプ」がエアダクトで採用を獲得
アルケマ株式会社
中・長鎖系PAのラインナップ拡充で「Pebax®」とのシナジーを発揮
中国Hipro社、Casda社の買収に続き、インドのヒマシ油会社へ資本参加
植物由来PA事業における世界トップメーカーとしてのポジション強化を図る
「Pebax®」の帯電防止グレード拡販により、新たな需要の取り込みを目指す
宇部興産株式会社
ナイロンチェーンの再構築により成長軌道回帰へ
スペイン拠点でPA6ポリマー1万t/年増強
欧州、米国、メキシコではコンパウンド拠点の整備を進める
2014年に「UBESTA XPA」の高熱伝導グレードを開発
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