2016年版 ヘルスケア・ロジスティックスの将来展望
政府の産業競争力会議は、2016年4月にロボットやITを活用し「GDP600兆円へ市場創出」を行うとする成長戦略をまとめた。成長戦略は10の分野で構成され、その中の一つに「健康立国」の分野が盛り込まれた。ここでは、「IoTなどの活用による医療診断・個別化医療・個別化健康サービス(レセプト・健診・健康データを集約・分析・活用)」を推進することで、市場規模を2011年の16兆円から2020年までに26兆円に拡大することを目指すとしている。今回の成長戦略の一つに取り上げられた「健康立国」では“情報”の重要性が強調されている。だが、そのことだけではいち早く、適正な場所に、安定的に供給し、「健康立国」の体制を強化することはできない。それを支え、推進するには「ヘルスケア・ロジスティックス」の存在が不可欠である。本調査レポートでは、患者の診断から治療までの流通から病院内の物流、在宅医療を推進するための物流まで幅広く包括した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:本書では、医療用医薬品の流通だけではなく、共同交渉や在宅医療物流まで調査対象を広げ、調査・分析を行った。
(1)2025年以降の医療提供体制を見据えたヘルスケア・ロジスティックスの実態と可能性
(2)時代の変化とともに大きく動き出した“医薬品流通”
(3)限定的な広がりに留まるわが国の“共同交渉”
(4)在宅医療の現場で拡大する“小規模・多品目物流”
調査対象:行政当局、製薬企業、医薬品卸、医療機関、薬局、学識経験者、業界紙関係者
調査方法:面接調査を基本として実施
調査期間:2016年4月~2016年6月
- 2025年以降の医療提供体制を見据えたヘルスケア・ロジスティックスの実態と可能性
- 時代の変化とともに大きく動き出した“医薬品流通”
- 限定的な広がりに留まるわが国の“共同交渉”
- 在宅医療の現場で拡大する“小規模・多品目物流”
- ヘルスケア・ロジスティックスに参入している企業動向についても紹介し、今後を予測
第1章 2025年の医療提供体制に向かって動き出した医療制度改革
第2章 後発医薬品80%時代の医薬品流通
第3章 これまでの状態から大きく脱却できない共同交渉
第4章 今後、どこが主な担い手になるのか在宅医療物流
■掲載内容
調査結果のポイント
第1章 2025年の医療提供体制に向かって動き出した医療制度改革
医療は低迷する経済状態を脱する牽引役になりうるのか
政府が打ち出した名目GDP600兆円増
期待度と現実
他の改革と同様に注目される国保改革
2018年度から運営主体が都道府県に移行
2018年度診療報酬・介護報酬改定に垂れこめる暗雲
2016年度診療報酬改定は内枠・外枠でネットマイナスに
消費増税再延期が医療制度改革に及ぼす影響
迫られる病院病床の再編
2018年を目途に病床機能を明確化
地域医療連携推進法人の効果は限定的
療養病床の再編
地域包括ケアの推進で切れ目のない医療・介護サービス提供体制の確立
変貌する地域医療
高齢者に対する医療提供体制の見直し・強化
後戻りできない医薬分業と薬局
C型肝炎治療薬の取り扱いで調剤医療費が急伸
薬局淘汰時代の号砲か2016年度調剤報酬改定
「かかりつけ薬剤師指導料」取得は諸刃の剣
「大手門前薬局」の見直し評価の影響
あと何回の改定で薬局は大きく変わるのか
第2章 後発医薬品80%時代の医薬品流通
C型肝炎治療薬特需の恩恵に浴した卸とそうでない卸
特需は限定的だったが他で補ったメディパルホールディングスとアルフレッサホールディングス
売上高業界第二位に躍進したスズケン
過去最高の業績を記録した東邦ホールディングス
流通改善道半ば
約90%に達した妥結率
理想と現実の狭間で
2016年度診療報酬改定後の卸
医薬品依存経営は限界か
医薬品営業体制の見直し
21世紀の卸経営を支えるビジネスモデルの発掘
後発医薬品80%時代に対応できる経営に
地域包括ケアに対応した卸とMS
独自のデータ戦略を活用し、自社の強みを構築する
市場の変化を先取りした卸になる
薬局の取扱商品変化に対応した物流
センサ・アイネットワーク・ロジスティックスへの挑戦
四大卸の現状と今後
成長エンジンの強さに不安を抱える東邦ホールディングス
SCMで同業他社を引き離すスズケン
多様なメニューを打ち出すメディパルホールディングス
業界トップの座をどのようにして維持するのかアルフレッサホールディングス
第3章 これまでの状態から大きく脱却できない共同交渉
ボリュームディスカウント訴求の限界
立ちはだかる公定価格
揺さぶりの限界
米国GPOへの憧れ
今後も参加医療機関の増加が予想される共同交渉
情報公開を嫌う組織体質
東京都庁の共同交渉
都立病院再編整備の影響により実施規模が縮小
入札制度により一品ごとに価格交渉
京都第二赤十字病院(日本赤十字病院での共同購入)
日赤本社では共同購入推進も、医薬品や医療機器での共同購入のハードルは高い
まずはグローブなど、医療材料の共同購入から開始
共同購入に向けて、購買データベースの構築や購買担当者の育成が急務
共同購入に向けての課題と今後の対応策
第4章 今後、どこが主な担い手になるのか在宅医療物流
地域包括ケアシステム推進によって進む在宅医療
医療提供のあり方が変わり始めている
老々介護、独居になっても在宅で医療提供を受ける
ものの提供はどこが担うことが最適なのか
Eコマースの普及・拡大が進む
今後、在宅医療物流は大きな変化を遂げる
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