2013年版 病院の購買・物流・契約実態と将来展望
衛生材料等にとどまらず医師がこだわりをもつ医療機器や医薬品についても、標準品・推奨品を定める大規模病院、統一価格を決めて調達する病院グループの事例を耳にするようになった。大規模病院や病院グループにおいて標準品の利用が高まると、シェア2番手・3番手に甘んじてきたメーカーの製品への一斉切り替えが行われ、トップメーカーの製品やサービスレベルが向上するなど、市場の活性化を促す動きにつながる。また院内物品・物流管理事業から手を引く事業者が存在する一方で、マスタ整備を含め病院に対し付加価値の高いサービスの提供に努める事業者もある。本調査レポートでは、市場の活性化、業界の再編を促進する動向に焦点をあて、病院の物品調達・物流管理と契約の現況と今後を整理した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- これまでと異なる共同購入・集中購買(企業・団体を介しての一括調整等)を行う、外部委託業務の「契約形態・価格」を見直すなど、新たな動きを見せる病院、企業・団体等の事例を紹介
- メーカーとの直接交渉の増加、標準化による採用品一斉切り替え等が散見される医療材料・医療機器の調達、院内物流管理の動向を整理
- 院内物品・物流管理事業者(SPD事業者)の再編と、あらたな系列関係を一覧化
- 価格交渉難航、薬剤師による病棟業務への注力が求められるなか見直しが進む医薬品の調達・管理のあり方に言及
- 災害時に備え、近隣のコンビニエンスストア、スーパーと提携すすむ
■本資料の概要
第1章 病院の調達・物流管理、アウトソーシングの現況と課題、今後
第2章 院内物品・物流管理事業者の動向
第3章 新たな購買、物品・物流管理に着手した病院・関連団体
第4章 病院の流通改革に影響をもたらす動き
第5章 関連資料
■掲載内容
第1章 病院の調達・物流管理、アウトソーシングの現況と課題、今後
1.医薬品、医療材料・医療機器の標準化、共同購入が市場に与える影響
2.多様化する共同購入・スケールメリット享受
3.価格交渉難、病院薬剤師に求められる業務が拡大するなか、医薬品の購買・物流に新たな動き
4.経営層・医師の力を得た病院の医療材料・医療機器の調達、管理
5.院内物品・物流管理事業者の再編と系列関係
6.外部委託業務見直しの動向
7.2025年を見据えた、病院の購買・物流・契約戦略
第2章 院内物品・物流管理事業者の動向
Ⅰ.院内物品・物流管理事業者個票
詳細個票掲載企業
・アルフレッサメディカルサービス(株)
・エア・ウォーター(株)
・(株)エフエスユニマネジメント
・エム・シー・ヘルスケア(株)
・グリーンホスピタルサプライ(株)
・鴻池メディカル(株)
・望星サイエンス(株)
・(株)ムトウ(ムトウグループ)
・アイティーアイ(株)
・アズサイエンス(株)(旧・鍋林フジサイエンス(株))
・アルフレッサ日建産業(株)
・(株)MMコーポレーション
・(株)スズケン
・セントラルメディカル(株)
・(株)田中医科器械製作所
・冨木医療器(株)
・富田薬品(株)
・(株)バイタルネット
・パストラルコンピューターシステム(株)
・(株)メディカルサポート
・(株)やよい
・(株)六濤
簡易個票掲載企業
・(株)アステム
・(株)エスコム
・(株)エヌジェイアイ
・(株)エムバス
・(株)キシヤ
・(株)京都ウィード
・協和医科器械(株)
・共和医理器(株)
・クオンシステム(株)
・サクラシステムプランニング(株)
・(株)サンキ
・(株)三笑堂
・シーエス薬品(株)
・(株)シーメック
・(株)信州メディカル
・(株)スズケンロジコム
・(株)ソラスト(旧・(株)日本医療事務センター)
・(株)ダスキンヘルスケア
・ダリ・マネージメント(株)
・(株)ティーエッチエル
・東邦薬品(株)
・(株)トーアサイエンス
・中嶋メディカルサプライ(株)
・新潟運輸(株)
・(株)ニチイ学館
・(株)日東
・日本ステリ(株)
・(株)ノバメディカル
・ヘルスケアーテック(株)
・(株)ほくやく・竹山ホールディングス
・北陸メディカルサービス(株)
・(株)ホスネット・ジャパン
・(株)ホスピタルパートナーズ(旧・丸紅ホスピタルパートナーズ(株))
・(株)北海道医療情報サービス
・(株)ミックス(ムトウグループ)
・(株)宮野医療器
・村中医療器(株)
・(株)メディカルサポート
・(株)メディテイク
・(株)八神製作所
・(株)よんやく
・(株)リジョイスカンパニー
・ワタキューセイモア(株)
・(株)渡辺商会
第3章 新たな購買、物品・物流管理に着手した病院・関連団体
Ⅰ.病院関連団体の事例研究
1.日本文化厚生農業協同組合連合会(文化連)
厚生連110病院のうち医薬品は40病院、医療材料は70病院の共同購入を請け負う。
ME機器等の一括調達及び保守メンテナンスは55病院、マスタ管理は56病院から
委託を受ける。医薬品、医療材料・医療機器の適正価格での調達にとどまらず
適正使用を促進、収入増につなげるなど、多角的な視点で収支改善を支援
Ⅱ.病院・病院グループ事例研究
1.42国立大学法人の附属病院
医薬品・医療材料等の情報・分析、後発医薬品の採用促進、DPCのデータ分析、
研究論文の量・質の比較などに利用「国立大学病院データベース」
2.国立大学法人佐賀大学医学部附属病院(佐賀市・604床)
国立大学法人附属病院のなかで最も高い利益率(収益率)を維持。
大学病院として購入すべき物品は購入、ムダは排除。医薬品、医療材料・
医療機器いずれも経営層の判断を得たうえで、一増一減を原則に新規採用品を決定、
定期的な見積合わせ、必要に応じての切り替えも実施
3.独立行政法人 国立病院機構
開示情報にみる医薬品、医療材料、医療機器等の共同購入の経緯と、閣議決定で求められてきた購買・契約
4.京都第二赤十字病院(京都市上京区・680床)
消化器科医として臨床・研究に携わりつつ院内の物品・物流管理も担う。
医師本来の役割を果たし続けることで、医師の視点・思考、こだわりに
配慮しながら物品を標準化。メーカー、ディーラー間の競争を促し病院・事業者ともにメリットのある調達を実現
5.仙台赤十字病院(仙台市・400床)
医薬品、医療材料・医療機器いずれも院外型の院内物品・物流管理事業者から調達、
特定保険医療材料等の集中購買にも参加。同社の協力とノウハウを活用して
一般消耗品のSPD運用に取り組みチーム医療に貢献
6.セコム提携病院グループ
コスト軽減と、安全性を含めた医療の質担保を目的に、医薬品、医療材料・
医療機器の共同購入窓口を整備。リネン、清掃、医療用ガスの委託については、
グループ病院間でベンチマーク分析、契約見直しも。今後はグループ外病院にも参加を呼びかける
7.戸田中央医科グループ
循環器系の医療機器、インプラント等をグループ内統一価格で購入。給食、清掃、
産業廃棄物処理、リネンなどの外部委託契約をグループ内で共有し有利な条件へ。
Buyer’s Meetingはコスト検証部に昇格、あらゆる視点で経費を削る
8.社会医療法人慈泉会 相澤病院(長野県松本市・502床)
2013年秋に陽子線治療施設を開設するなど最先端医療を実践。救急難民・在宅医療
難民を防ぐために「救急医療の充実」、在宅支援サービスを実施、在宅医療は
地域の医師につなぐ。地域と連携し「高度医療」「急性期医療」「在宅支援」を担う病院の購買戦略
9.医療法人財団中山会 八王子消化器病院(東京都八王子市・98床)
消化器疾患専門病院における医薬品・医療材料、医療機器調達、物品管理の外部委託。
医局の協力を得て経営の効率化と医療の高度化を実現
Ⅲ.購買、院内物品・物流、契約に対する病院の意識調査
1.アンケート調査の概要
2.アンケート結果の概要
【Ⅰ.購買・調達】
Q1.貴院では、現在の物品(医薬品・医療機器)の購買・調達のあり方に満足していますか?
Q2.それはなぜですか?
Q3.2009年度、2010年度、2011年度の医薬品費率(医業収入に占める医薬品費の割合)の推移を教えて下さい。
Q4.2009年度から2011年度までの医薬品費率を比較した場合、
その変化の要因として考えられる事項を教えてください。
Q5.2009年度、2010年度、2011年度の医療材料費率(医業収入に占める医療材料・医療機器の割合)の
推移を教えて下さい。
Q6.2009年度から2011年度までの医療材料費率を比較した場合、
その変化の要因として考えられる事項を教えてください。
Q7.医薬品や医療機器などの院内物品について、共同購入(調達)を実施していますか?
Q8-1.対象としている物品は何ですか?
Q8-2.共同購入によって効果を得られましたか?
Q8-2-1.その理由は何ですか?
Q8-3.どのような病院と共同購入(共同交渉、価格情報の共有等)をされていますか?
Q9-1.共同購入をしたいと思いますか?
Q9-1-1.どのような病院と共同購入をされたいと思いますか?
Q10.院内物品・物流管理を委託されていますか?
Q10-1.委託事業名をご記入ください
Q11-1.どのような判断で、その事業者に委託をしましたか?
Q11-2.院内物品・物流管理事業者に委託している業務の範囲を教えてください。
Q12.現在業務を委託しているか否かに関わらず、院内物品・物流事業者に要望したいことは何ですか?
【Ⅱ.院内物品・物流管理システムのコード】
Q13.貴院において、医薬品の物品・物流管理に使用しているコードをご回答ください。
Q14.貴院において、診療材料・医療機器の物品・物流管理に使用しているコードをご回答ください。
Q15.預託在庫、置き在庫についても、Q14のコードを利用してマスタ管理をされていますか?
【Ⅲ.業務委託の見直し】
Q16.現在、外部事業者に委託している業務を教えてください。
Q17.委託事業者の業務・サービスに満足していますか?
Q18.「外部委託」について、見直しをされたいと思いますか?
Q19.その理由を教えてください。
Q20.その業務は何ですか?
Q21.病院の購買、院内物品の管理・物流、外部委託(契約)についてのお考えを、自由にお聞かせください。
院内物品の購買、管理・物流、外部委託に関するアンケート(調査票)
第4章 病院の流通改革に影響をもたらす動き
1.メディアスソリューション株式会社
医療材料の分析ソフトに共同購買支援を付加。医師の協力を得ながら採用物品の
標準化を進め、市場の活性化を促す
2.株式会社キャピタルメディカ(株式会社ライラックメディカル)
医薬品、医療材料・医療機器いずれも参加施設の取引額拡大。今後3~4年間で
画像診断機器や医療情報システムの導入・更新を伴う5~6件の新棟建設を支援。
ベトナムでの2病院の運営、ハイパーサーミアの販売、医薬品・医療材料の
物流事業確立、日本式給食システム輸出などを計画
第5章 関連資料
1.国立大学法人の収支推移
2.国立病院機構病院の収支推移
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。