2017年版 インバウンド関連マーケットの動向と企業戦略
日本政府観光局によると、2016年の訪日外国人観光客は前年比21.8%増の2,404万人。また、観光庁によると、外国人旅行者の日本での消費額は同7.8%増の3兆7,476億円。いずれも前年を上回り、過去最高を更新している。このようなインバウンドマーケットの拡大は、長らく低迷が続いていた日本経済にも大きな恩恵をもたらし、景気復調をけん引する要因にもなっている。さらに、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の目標として、訪日客数4,000万人、訪日消費額8兆円が掲げられている。このように、今後も今以上にインバウンドマーケットの拡大が期待されることから、観光業界や流通業界をはじめとした多くの事業者では、インバウンド需要の取り込みに一層注力するようになっている。
本調査レポートは、そのようなインバウンドマーケットの動向を把握するとともに、主要関連企業の取り組みや戦略などを調査し、検証するための資料として企画した。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査方法:インバウンドにかかわる主要企業に対するヒアリング調査、並びに関連統計データ等の分析に基づき編集している。
調査期間:2017年1月~2017年3月
- 大きく伸びる訪日客と、それに伴い拡大続けるインバウンド消費
- 拡大続けるインバウンドマーケットの動向と企業戦略を捉えた総合調査資料
- 主要関連事業者24社の取り組み、事業戦略を一挙掲載
Ⅰ.インバウンドの市場動向
Ⅱ.業界別の動向
Ⅲ.主要関連企業の動向
■掲載内容
Ⅰ.インバウンドの市場動向
1.インバウンドの動向
(1)訪日外国人観光客の推移
・拡大続くインバウンド、2016年の訪日客数は2,404万人に
(2)主な国・地域別の動向
・中国
・韓国
・台湾
・香港
・タイ
・その他の東南アジア諸国
・米国
・豪州
・欧州諸国
(3)訪日外国人観光客の国内宿泊動向
・インバウンドが国内の宿泊施設市場をけん引、2016年は伸び悩む傾向も
(4)訪日旅行の季節的な動向
・最大の商機は春節、国・地域で異なる長期休暇
・春の桜、秋の紅葉、冬の雪など、通年化する訪日旅行
(5)訪日旅行の目的
・国・地域で特色別れる、アジア圏は買い物、欧米は日本文化・体験など
(6)訪日客増加の背景と取り組み
・ビザ発給要件緩和が大きく奏功、さらに戦略的に進める方針
・免税店、免税対象ともに大幅に拡充、一方で「爆買い」沈静化で戦略の見直しも
・訪日クルーズも大幅に増加、買い物による経済効果には失速懸念も
・ハラル対応で訪日ムスリムの獲得狙う、多様な商品やサービスに広がる
・アジアで注目集める医療ツーリズム、本格的な滞在型施設の計画も
・2020年東京五輪が大きな追い風に、一方で課題も山積みに
2.インバウンド消費の動向
(1)訪日外国人観光客の消費額
・消費総額は3兆7,476億円、過去最高更新するも伸び率は鈍化
・1人当たり平均消費額は15万5,896円に、4年ぶりに前年下回る
・円高、関税、越境ECなどで「爆買い」失速、変化する消費行動も影響
(2)訪日外国人観光客費目的別の消費額
・国・地域で異なる消費動向、欧米豪は宿泊や娯楽、中国は買い物
(3)訪日外国人観光客消費の特徴
・「爆買い」は失速するも、引き続き規模が大きい買い物消費額
・買い物消費は日用品など低価格商品に移行、それでも品質重視の傾向
・日本製に訴求力、越境ECなどで帰国後に買い求める「リピーター」需要も
3.今後の展望と課題、新たな動きなど
(1)今後の展望
・2020年目標は訪日客4,000万人、観光消費額8兆円へと倍増
(2)課題と新たな動き
・宿泊施設不足、外国語対応など、受け入れ態勢では課題も山積み
・ビジネスチャンス広がる一方、トラブルも多発する「民泊」
・「民泊」全国で解禁へ、民泊新法2018年1月にも施行
・求められるナイトマーケットの充実
・検索サイト、SNS、口コミ情報などが重視される
・多様な決済手段拡充へ、アリペイなどスマホ決済広がる
Ⅱ.業界別の動向
1.観光・旅行業界
(1)旅行会社
・個人旅行の増加、旅行会社の海外進出などで拡大する訪日旅行取扱高
(2)航空
・訪日客増加で国際線が好調に推移、各種プロモーションの強化でさらなる誘客目指す
(3)鉄道
・外国人観光客にも新幹線が人気、観光路線抱える私鉄も好調
(4)観光バス・貸切バス
・観光バス・送迎バスなどの需要拡大、外国人向けの多様なサービスが登場
2.ホテル・宿泊施設業界
(1)ホテル・旅館
・インバウンドけん引で再び出店ラッシュに、宿泊単価上昇で敬遠する動きも
(2)その他の宿泊施設
・ゲストハウス、ホステルが新たな観光の拠点に
3.レジャー施設・外食業界
(1)テーマパーク・遊園地
・テーマパークも訪日客誘致のための重要な観光資源に
(2)スキー場
・雪質の良さと滞在しやすさが人気、スキー復調をインバウンドが牽引
(3)カラオケルーム
・手軽な日本独自のエンターテインメント、カラオケがナイトライフで人気に
(4)飲食店
・居酒屋などの業態を中心としてインバウンド取り込み狙う
4.流通・小売業界
(1)百貨店
・「爆買い」沈静化で免税売上高は前年割れ、2017年は持ち直しの兆しも
(2)専門量販店・ディスカウントストア
・「爆買い」沈静化で失速、免税店から撤退の動きも
(3)スーパー・GMS
・日用品や食品に強み、団体客向けの大量買いに対応
(4)コンビニエンスストア
・コンビニも訪日客に照準、大手チェーンで対応進む
(5)ドラッグストア
・マツキヨ、ツルハなどのブランドが浸透、訪日客の人気スポットに
Ⅲ.主要関連企業の動向
1.観光・旅行業界
ジェイティービー
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日旅行部門売上高が順調に拡大、事業体制と商品をさらに拡充
・海外拠点強化を引き続き加速、異業種提携で受け入れインフラ整備にも注力
4.今後の展開
エイチ・アイ・エス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日外国人向け専門店を相次いで開設、自治体とのインバウンド推進に係る協定も
・異業種との提携、M&Aなどでインバウンド需要の拡大に対応
4.今後の展開
フリープラス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日旅行に特化したベンチャービジネスで急成長、さらなる事業領域の拡大狙う
・レストランの手配や訪日客専用ホテルも展開、地方創生事業にも注力
4.今後の展開
ANAホールディングス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日外国人観光客向け各種プロモーションの展開を拡大
・中国富裕層向け医療ツアーを販売、ラオックスとの提携で物販にも注力
4.今後の展開
日本航空
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日外国人旅行者向けのプロモーションサイトをさらに拡充
・訪日客対象の国内線パスやダイナミックパッケージの販売も
4.今後の展開
東日本旅客鉄道
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・700億円を投じて地方路線を刷新、長期滞在型の宿泊施設なども整備
・海外でのインバウンドの拠点の開設や富裕層向けイベントへの出展も
4.今後の展開
東武鉄道
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・インバウンド誘客強化を狙い社内体制や駅施設などを整備
・日光・鬼怒川エリアで外国人旅行者向けの観光サービスや施設を拡充
4.今後の展開
小田急電鉄
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・グループ横断でインバウンド誘致を推進、2016年からはタイに向けた取り組みを強化
・富士・箱根・江ノ島などで訪日外国人向け旅行商品を拡充、ホテル事業にも注力
4.今後の展開
京浜急行電鉄
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・訪日客向けの多言語案内や利用促進キャンペーンなど様々な取り組みを実施
・外国人旅行者の宿泊需要増加に対応、沿線中心に3,000室のホテル展開目指す
4.今後の展開
はとバス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・新型バス導入に加え、多言語ガイドシステムやWi-Fiなどの整備により魅力高める
・多様なインバウンド向けコースの導入でさらなる需要取り込み狙う
4.今後の展開
2.ホテル業界
プリンスホテル
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・シティ・リゾートともにインバウンド対応進める、訪日スキーヤー取り込みにも注力
・ブランド認知向上のためプロモーションを積極展開、滞在時のサポート体制も拡充
4.今後の展開
藤田観光
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・主力ホテルで訪日客向けのコンセプトルームやコンシェルジュサービスを展開
・ブランド認知向上狙い台湾に日本料理レストランを開業、ホテルの出店計画も
4.今後の展開
森トラスト
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・外資系高級ホテルを次々と誘致、訪日外国人富裕層の取り込みを狙う
4.今後の展開
3.レジャー施設・外食業界
ユー・エス・ジェイ
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・「ハリポタ」エリアが訪日客を大きくけん引、任天堂エリアの開発計画も
4.今後の展開
ハウステンボス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・熊本地震の影響受けるも回復傾向に、各種誘致客プロモーションを強化
・「変なホテル」が外国人観光客に好評、第7の王国の計画も
4.今後の展開
コロワイド
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・都市部の大型店から地方都市にも拡大、年間30万人の訪日客を集客
4.今後の展開
4.流通・小売業界
三越伊勢丹ホールディングス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・「三越銀座店」を主体に様々な取り組み、空港型免税店も2ヵ所に開設
・JALやJTBなど異業種との連携に注力、旅行事業の強化も
4.今後の展開
髙島屋
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・伸び率鈍化するも、引き続き免税売上高増加を見込む
・さらなる多様な取り組みを展開、「空港型免税店」にも参入
4.今後の展開
J.フロントリテイリング
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・基幹9店舗を中心にインバウンド対応強化を進める
・訪日客特化の売り場づくりを推進、「ギンザシックス」でもインバウンドを意識
4.今後の展開
イオン
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・免税取り扱い600店超に、空港、港湾など隣接大型店で対応強化
4.今後の展開
ビックカメラ
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・引き続き免税売上伸びるも、売れ筋の変化で減速
・異業種との連携拡大、空港内免税店の展開も
4.今後の展開
ラオックス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・中国人訪日客の購買嗜好の変化に対応、体制を立て直す
・他社との提携、買収などでコンテンツ拡充、商品力強化
4.今後の展開
ドンキホーテホールディングス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・インバウンド獲得に向け取り組み拡大、強化型店舗の展開も
・バラエティ感とディスカウント力が高額品の落ち込みを補う
4.今後の展開
マツモトキヨシホールディングス
1.企業概要
2.業績推移
3.インバウンド事業への取り組み
・マツキヨブランドが浸透し、抜群の立地が訪日客を吸い寄せる
・訪日客特化型店のほか、インバウンド対応型店舗さらに拡大
4.今後の展開
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