2019年版 アトピー性皮膚炎治療薬の処方実態と治療満足度調査
アトピー性皮膚炎とは、増悪と軽快を繰り返す瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは「アトピー素因」を持つ。一般に乳幼児・小児期に発症し、加齢とともにその患者数は減少するものの、小児や思春期のみならず、20歳代・30歳代の若い成人においても頻度の高い皮膚疾患で、近年患者数は増加していると言われている。アトピー性皮膚炎に対する治療では、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの外用薬の他、内服薬や保湿剤などが使用されているが、十分な効果が得られなかったり、副作用が問題になるケースもあり、より効果や安全性の高い治療薬が求められている。そのような状況下、2018年4月にアトピー性皮膚炎治療薬としては初めての抗体医薬「デュピルマブ」が発売された他、JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬をはじめとする新薬の開発が進展している。JAK阻害薬はヤヌスキナーゼを阻害し免疫反応に関わるサイトカインの働きを抑えることで各種疾患に効果を示す。関節リウマチや潰瘍性大腸炎ですでに承認されたものがある他、クローン病などでも開発が進められている。アトピー性皮膚炎に対しては、経口剤と外用剤を合わせ少なくとも5成分の開発が進行中と見られる。こうした新薬の登場に伴い、治療効果の向上と同時にアトピー性皮膚炎治療薬市場の拡大に繋がると見込まれる。
本調査レポートでは、引き続き患者数の増加が予測されるアトピー性皮膚炎について、臨床医に対する調査を中心に、患者動向および治療の実態を解明するとともに、治療の満足度と課題、治療の将来動向、治療薬の選定要因などを総合的に分析します。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:本書においてはアトピー性皮膚炎の治療実態および治療薬市場の調査を行い、下記を明らかにすることを目的としている。
(1)アトピー性皮膚炎の患者数
(2)アトピー性皮膚炎治療薬の市場規模
(3)アトピー性皮膚炎治療薬の処方実態
(4)アトピー性皮膚炎治療薬の治療満足度
調査対象:本書においては下記を調査対象とした。
(1)製薬企業 (2)医療施設
調査対象エリア:日本
調査対象施設:アトピー性皮膚炎を診療する皮膚科医(大学病院7施設 国立病院1施設 合計8施設)
調査方法:直接面接取材、文献調査その他データ収集
調査期間:2019年8月~2019年11月
アトピー性皮膚炎治療薬市場に関する調査を実施(2019年)
2019年の国内アトピー性皮膚炎治療薬市場は約400億円の見込
~患者数が横ばいから増加傾向の見通し、発売2年目に入り浸透度を深めた「デュプリマブ」が貢献~
- 臨床医に対する面接調査を中心に患者数が増加する注目市場の将来を徹底分析
- アトピー性皮膚炎の患者動向および治療の実態を解明
- 治療の満足度と課題、治療の将来動向、治療薬の選定要因を分析
- 患者数の増減傾向と将来見通し。診断・検査の実態と将来見通し
- 治療薬の選定理由、薬物療法の変化と将来見通し
- 診断、治療の課題や今後注目される診断・検査、治療方法、薬剤は何か
- デュピルマブ登場による薬剤選定の変化と今後の処方見通し
- JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬などの新薬発売により、アトピー性皮膚炎治療薬市場はどう変わるのか
第1章 アトピー性皮膚炎の実態と展望
第2章 アトピー性皮膚炎の治療実態と展望
第3章 アトピー性皮膚炎治療薬の処方実態と治療満足度
調査結果のポイント
第1章 アトピー性皮膚炎の実態と展望
1.アトピー性皮膚炎の定義
【表】年齢階層別の皮疹の特徴
2.アトピー性皮膚炎の発症因子・悪化因子
3.アトピー性皮膚炎の診断基準
4.アトピー性皮膚炎の重症度評価法
5.アトピー性皮膚炎の診断や重症度の参考になるバイオマーカー
【表】アトピー性皮膚炎の診断/病勢判定の参考となるバイオマーカー
6.アトピー性皮膚炎の患者数
【表】性・年齢階級別にみたアトピー性皮膚炎の通院者率(人口千対)
【表】性・年齢階級別にみたアトピー性皮膚炎の総患者数(千人)
【表】アトピー性皮膚炎の患者数推計(2019年)
第2章 アトピー性皮膚炎の治療実態と展望
1.アトピー性皮膚炎の治療方法
【図】アトピー性皮膚炎の診断治療アルゴリズム
2.アトピー性皮膚炎の薬物療法
3.アトピー性皮膚炎治療薬の市場規模
4.アトピー性皮膚炎治療薬の新薬開発状況
【表】主なアトピー性皮膚炎治療薬の開発状況
5.アトピー性皮膚炎治療薬市場の展望
第3章 アトピー性皮膚炎治療薬の処方実態と治療満足度
1.医師面接調査の集計分析結果
(1)アトピー性皮膚炎患者数
①月間平均のアトピー性皮膚炎患者数(カルテベース)
②アトピー性皮膚炎患者の年齢と性別比率
③アトピー性皮膚炎患者の重症度比率
④全体の重症度の評価法
⑤年間平均のアトピー性皮膚炎の入院患者数
⑥アトピー性皮膚炎患者数は増加傾向にあるか。減少傾向にあるか
⑦今後、わが国ではアトピー性皮膚炎患者数は増加するか。減少するか
⑧患者が最初に訪れる医療機関の種類、規模
(2)アトピー性皮膚炎の診断
①アトピー性皮膚炎の診断は、日本皮膚科学会による
「アトピー性皮膚炎の定義・診断基準」を利用しているか
②診断や重症度の参考にしているバイオマーカー
③アトピー性皮膚炎の鑑別診断の方法
(3)アトピー性皮膚炎治療の現状
①アトピー性皮膚炎の治療(薬物療法)は、「アトピー性皮膚炎診療
ガイドライン2018」を参考にしているのか。ガイドラインとは異なる点がるのか。
また、その他に参考にしているものはあるのか
②アトピー性皮膚炎患者の全てが薬物療法の対象になるのか。何か基準はあるのか
③処方している治療薬の種類と患者比率
④重症度と治療薬の選択について
⑤デュピクセント(デュピルマブ)を処方するのはどのような患者か。
デュピクセント(デュピルマブ)の登場による薬剤選定の変化
⑥今後、デュピクセント(デュピルマブ)の処方は増加するか
⑦アトピー性皮膚炎治療に対する満足度、課題
⑧アトピー性皮膚炎の患者に対して、保湿・保護を目的とした
スキンケア外用薬を使用しているか
⑨アトピー性皮膚炎の患者に対して、治療薬やスキンケア外用薬以外に、
使用を薦める製品(患者が自費で購入)はあるか
(4)今後のアトピー性皮膚炎の診断や治療
①アトピー性皮膚炎の診断や治療の課題
②アトピー性皮膚炎の診断や治療において、注目している新しい診断や治療の技術
③アトピー性皮膚炎の治療薬において、注目するもの
④現在開発中のアトピー性皮膚炎治療薬の治験参加状況
⑤現在開発中のアトピー性皮膚炎治療薬の印象や評価、期待する効果および課題
⑥現在開発中のアトピー性皮膚炎治療薬の処方の可能性、処方する患者のタイプ
⑦現在開発中のアトピー性皮膚炎治療薬が登場することで、
治療や治療薬選択に変化が生じるか
⑧今後、アトピー性皮膚炎治療薬に望む点
(5)アトピー性皮膚炎治療薬のメーカーについて
①アトピー性皮膚炎治療薬メーカーと聞いて、思い浮かべる企業名
②アトピー性皮膚炎治療薬メーカーに対する要望
③皮膚科関連薬メーカーのMRで優れたメーカー、情報提供活動で優れたメーカー
④アトピー性皮膚炎以外の皮膚科領域で新薬開発の必要性が高い疾患
2.医師面接調査結果
(1)A医科大学附属病院 皮膚科
(2)B医科大学病院 皮膚科
(3)国立C病院 皮膚科
(4)D医科大学病院 皮膚科
(5)E医科大学病院 皮膚科
(6)F大学医学部附属病院 皮膚科
(7)G大学病院 皮膚科
(8)H大学病院 皮膚科
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