2021 欧州におけるバッテリー産業の現状と将来展望
欧州では政策主導でxEVの普及を進めている。排ガス規制を厳格化し、罰則を設けているため、自動車会社は対応せざるを得ない状況であるが、一方でxEVの急速な普及においてバッテリーの調達が課題となっている。バッテリーのサプライチェーンはアジアが中心であり、欧州にはほとんど存在していない。そうした中、韓国や中国のセルメーカーが欧州にバッテリー拠点を構築しているが、欧州側には膨大なxEV需要を満たすためにはアジア企業の生産能力だけではバッテリーが不足しており、また、xEVのコア技術であるバッテリーをアジアに依存したままでは利益の多くがアジアに流出するため、経済防衛上好ましくない、という懸念があり、欧州ではバッテリーを中心としたサプライチェーンの構築と欧州主導で、かつ欧州以外のメーカーを排除した形で行おうとしている。ただ、技術的には未熟であり、経験が不足している欧州企業だけでサプライチェーンを構築するのは現実的ではなく、様々な規制や思惑がある中で、欧州とアジアが共存できる道はどこにあるのかを分析し、報告するものとする。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査対象:欧州におけるバッテリー関連政策、欧州におけるバッテリー産業構築に向けた企業動向
調査方法:文献調査をベースに行った。
調査期間:2020年9月~2021年2月
欧州におけるバッテリー産業に関する調査を実施(2021年)
欧州のバッテリー政策は「アジア排除」にあらず、欧州におけるバッテリーバリューチェーンの構築には欧州とアジアの協業が必須
- 欧州の環境・エネルギー政策の概要が分かる
- 上記政策を背景にした電池に関する政策、規制が分かる
- 欧州の電池関連プレーヤーの概要が分かる
- 欧州バッテリーバリューチェーン構築における課題、アジアとの協業のポイントが分かる
第1章 EUの環境政策とバッテリー政策
第2章 EUのバッテリー規制
第3章 バッテリー指令見直しを巡る業界の議論
第4章 欧州におけるバッテリー産業業界図
第5章 今後の展望
第6章 まとめ
調査結果のポイント
第1章 EUの環境政策とバッテリー政策
1.EUの環境政策とバッテリー政策
1.1.環境政策下でのバッテリー
2050年気候中立目標におけるバッテリーの役割
域外に依存する欧州バッテリーバリューチェーンの現状
欧州の環境野心引き上げで生まれた「公正な競争条件(LPF)」確保の必要性
1.2.EUのバッテリー関連政策
欧州バッテリーアライアンス
バッテリー分野の研究イノベーション活動
Batteries Europe
Battery 2030+
バッテリー分野に関連するEUの資金融資・投資
ローマテリアル分野の現状とEUの取り組み
1.3.新型コロナウイルスのからの緑の復興と戦略的自立性
グリーンリカバリーの重要性
欧州の戦略的自立性確保の重要性
1.4.第1章まとめ
第2章 EUのバッテリー規制
2.EUのバッテリー規制
2.1.現行のバッテリー指令の見直し
現行のEUバッテリー指令
バッテリー指令の見直しの焦点
2.2.バッテリーのエコデザインに関する新規制枠組み
規制提案までの背景情報
バッテリーパック/システムの最低寿命
バッテリーマネジメントシステム
バッテリーおよびセルに関する情報提供
バッテリーモジュールおよびパックのトレーサビリティ
カーボンフットプリント情報および基準値オプションの検討
再利用やリサイクル、リカバリーを可能とするその他の
バッテリーパックの設計および建設に関する最低要件
4つの追加調査
2.3.第2章まとめ
第3章 バッテリー指令見直しを巡る業界の議論
3.バッテリー指令見直しを巡る業界の議論
第4章 欧州におけるバッテリー産業業界図
4.欧州におけるバッテリー産業業界図
4.1.バッテリーセル製造
4.2.バリューチェーン全体の取り組み
第5章 今後の展望
5.今後の展望
5.1.欧州とアジアのメリットデメリット
第6章 まとめ
6.まとめ
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