2020年版 放射線治療市場の中期展望
がん対策基本法(2006年)、放射線治療機器緊急整備事業(2008年)、がん対策推進基本計画(2012~現在は第三次が進行中)などの国策により、放射線治療機器の普及と治療実績は、がん診療連携拠点病院や大学病院を中心に格段に成長してきている。また、新聞雑誌の他、ドラマや情報番組によってIMRT、IGRT、VMATの高度放射線治療や陽子線・重粒子線治療施設などの知識保有が増え、自ら治療選択の意思をもって、嘆願する患者も増えている。
しかし、実際に治療を行っている施設をみると、がん診療連携拠点病院として放射線治療を始めたものの、放射線治療医、医学物理士、品質管理士など専従スタッフの確保の問題、がん放射線療法認定看護師の確保・育成の問題など、さらに、地方においてはがん患者の確保・治療件数の問題などの難題と抱えながら、稼働している施設も少なくない。
こうした中、がん予防、がん医療の充実(がんゲノム医療、希少がん、がん登録等)、がんとの共生(緩和ケア等)を含めた第三期がん対策推進基本計画が2018年より実施され、2020年の中間報告を経て、2023年からの第四期がん対策推進基本計画の策定の時期となっている。
そこで、弊社では2008、2012、2017年版に続く第四弾として「2020年版」の放射線治療市場に絞ったマーケットレポートを企画し、放射線治療施設に対するアンケートを中心に放射線治療の現況と現状の問題点を総括するとともに、放射線治療市場を中期的に捉え、放射線治療市場に参入している企業様の経営戦略の一助になるべく、企画編集してまいります。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:放射線治療市場をセグメント化してそれぞれの市場を分析し、今後の需要予測を中期的に行い、同事業の市場性等を展望する。
調査対象:参入企業、放射線治療施設
調査方法:面接取材とTEL取材併用、放射線治療施設に対するアンケート調査
調査期間:2020年1月~2020年2月
放射線治療施設に関する調査を実施(2020年)
がん罹患数は増加傾向にあり、放射線治療市場は緩やかに成長する見込
~放射線治療機器・関連機器の更新実施は約4割にとどまる~
- 放射線治療施設に対するアンケート調査を実施(回答施設数:180施設)。
- 放射線治療器の施設状況を徹底分析
・第四弾をいかして、2017年版と比較し、更新機器と継続使用機器を明記。 - 注目を集める放射線治療施設を中心に取材調査を実施
・広島がん高精度放射線治療センター、大阪陽子線クリニック、永守記念最先端がん治療研究センター、山形大学医学部東日本重粒子センター、関西BNCT共同医療センター - 放射線治療市場を徹底分析
・市場規模推移、都道府県別がん患者と放射線治療器、参入企業の実態、患者固定や線量分析分野も追求
・放射線治療のセンター化の拡大等 - 放射線治療施設個票を掲載
・放射線治療施設、全施設掲載(矢野経済研究所確認分:907施設)
第1章 放射線治療市場の実態
第2章 放射線治療市場の中期展望
第3章 放射線治療施設の動向
第4章 放射線治療に関するアンケート調査
第5章 放射線治療施設個票(907施設)
第1章 放射線治療市場の実態
1.放射線治療の概略
(1)放射線の種類
(2)放射線治療の分類
(3)放射線治療の目的
(4)放射線治療の実際
2.放射線治療の市場動向
(1)放射線治療機器市場の動向
【外部照射】
1)リニアック(直線加速器)
①リニアック(直線加速器)の概要
②リニアック(直線加速器)市場の動向
2)サイバーナイフ
①サイバーナイフの概要
②サイバーナイフ市場の動向
3)ガンマナイフ
①ガンマナイフの概要
②ガンマナイフ市場の動向
4)粒子線治療
①陽子線治療の概要と動向
②重粒子線治療の概要と動向
③ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の概要と動向
【内部照射】
5)小線源治療
①小線源治療の概要
②小線源治療の動向
・エレクタ
・千代田テクノル
・日本アキュレイ
・バリアンメディカルシステムズ
・日立製作所(ヘルスケアビジネスユット)
・ブレインラボ
(2)放射線治療システム市場の動向
1)治療計画システム
①治療計画システムの概要
②治療計画システム市場の動向
③企業動向
2)線量検証システム
①線量検証システムの概要
②線量検証システム市場の動向
③企業動向
・東洋メディック
・ユーロメディテック
3)治療RISシステム
①治療RISシステムの概要
②治療RISシステム市場の動向
③企業動向
(3)放射線治療関連市場の動向
1)患者固定具
①患者固定具の概要
②患者固定具市場の動向
③企業動向
・エンジニアリングシステム
2)放射線遮蔽材市場
①放射線遮蔽材市場の概要
②放射線遮蔽材市場の動向
③企業動向
・三石耐火煉瓦
(4)放射線治療市場の動向
1)国策によるがん対策
2)放射線治療件数の考察
3)放射線治療市場規模(2019年度)の考察
第2章 放射線治療市場の中期展望
1.放射線治療市場における問題
(1)更新需要の進捗
(2)放射線治療専門医の不足
(3)分子標的薬と放射線の相互作用
1)エリアマーケティング
①二次医療圏から見たIMRT高精度放射線治療器
②IMRT高精度放射線治療器と高齢者人口
2.放射線治療の最新動向
(1)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT療法)
(2)放射線治療支援事業の確立
(3)遠隔放射線治療計画支援
(4)放射線治療施設の廃止と放射線治療施設のセンター化
(5)放射線治療市場の中期展望
1)高精度放射線治療器の需要予測
2)放射線治療市場の中期展望
第3章 放射線治療施設の動向
1.放射線治療専門施設
(1)ガンマーナイフ専門施設
(2)サイバーナイフ専門施設
(3)複合型施設
(4)粒子線治療施設
(5)中性子治療施設
(6)注目される放射線治療施設
・広島がん高精度放射線治療センター HIPRAC
・医療法人 伯鳳会 大阪陽子線クリニック
・永守記念最先端がん治療研究センター
・山形大学医学部東日本重粒子センター
・大阪医科大学 関西BNCT共同医療センター
第4章 放射線治療に関するアンケート調査
1.調査要綱
2.アンケート回収先属性
3.アンケート結果
<設問>
【問1】治療計画で使用している画像診断装置は何を使用していますか。
【問2】放射線治療部門情報システム(治療RIS)についてお答え下さい。
①導入状況についてお答え下さい。(単一回答)
②導入済、納入中、発注済の方、そのメーカ名をお答え下さい。(単一回答)
③導入済、納入中、発注済の方、そのメーカの決定要因をお聞かせ下さい。(複数回答)
【問3】患者固定についてお答え下さい。
①定具の利用についてお答え下さい。(単一回答)
②固定方法についてお答え下さい。(複数回答)
③使用している固定システムのメーカ名をお答え下さい。(複数回答)
④患者固定に関する年間ランニングコスト(人件費除く)は、放射線治療機器1台あたりどのくらいですか。(単一回答)
【問4】線量検証についてお答え下さい。
①実施有無についてお答え下さい。(それぞれ単一回答)
<評価点線量検証と線量分布検証>
②使用している検出器をお答え下さい。(複数回答)
③検出器のメーカ名をお答え下さい。(複数回答)
④線量等計測機器類全体の導入費用はどのくらいだったでしょうか。(単一回答)
【問5】放射線治療器の保守契約はどのような形で結んでいますか。(複数回答)
【問6】放射線治療の決定は、どのようになされていますか。(単一回答)
【問7】放射線治療のスタッフ構成をお答え下さい。それぞれの人数をご記入下さい。
【常勤】【非常勤】
【問8】現状の放射線治療のスタッフ構成に満足されていますか、不足していますか。
【全体】【不足している専門職】【不足している一般職】
【問9】下記に該当する放射線治療を実施していますか。(複数回答)
【問10】放射線治療に関連する診療報酬点数の下記加算について実施していますか。(それぞれ複数回答)
【体外照射】【直線加速器】【粒子線】
【問11】貴院のがん疾患における年間の新患者数はどのくらいですか。(単一回答)
【問12】上記のがん疾患の新患者の内、放射線治療を行うのはおおよそ何%くらいですか。(単一回答)
【問13】放射線治療を行うがん疾患の新患者の内、他病院からの紹介患者はおおよそ何%くらいですか。(単一回答)
【問14】年間の放射線治療件数(実照射人数(新患+再患))をお答え下さい。(単一回答)
【問15】年間実照射人数の内、部位(症例)と治療目的のおおよその比率をお聞かせください。(合計100%)また、部位(症例)ごとに実施している高精度放射線治療をお答え下さい。
<部位><治療目的:根治治療><治療目的:術前術後><治療目的:術後再発><治療目的:緩和治療><部位別高精度放射線治療の実施率>
【問16】密封小線源治療を行う際に使用している線源とその購入元を教えてください。(複数回答)※密封小線源治療を行っている施設のみ回答
<使用している線源><購入元>
【問17】前立腺がんに対する密封小線源療法で、挿入本数の決定と平均的な挿入本数をお答え下さい。(単一回答)※前立腺がんに対する密封小線源療法を行っている施設のみ回答
<挿入本数の決定><平均的挿入本数>
【問18】貴院では前立腺がんに対する放射線治療がどのようになっていますか。
<治療件数の傾向>(単一回答)<上記の理由>(複数回答)
【問19】問12で回答いただいた放射線治療適用率は、3年後、5年後には貴院にとってどのようになるべきですか。(単一回答)
【問20】問14でお聞きした年間実照射人数を100とした場合、3年後、5年後は何%程度になっていると考えられますか。(単一回答)
【問21】問19で現状の年間実照射人数より増加・減少と回答した場合、実現及び状況を向上するための貴施設の課題を教えてください。(複数回答)
【問22】放射線治療器メーカで取引がある(評価できる)メーカを教えてください。(複数回答)
<機器の評価>(単一回答)<営業マンの評価>(単一回答)<保守サービス員の評価>(単一回答)
【問23】放射線治療に関連する機器で、更新や増設・新設に対してどのように感じていますか。
<更新>(単一回答)<増新設>(単一回答)
【問24】もし、放射線治療器を更新・導入するとしたら、メーカや機器に何を求めますか。(複数回答)
【問25】放射線治療全般に関してご自由にご意見をお聞かせください。
第5章 放射線治療施設個票(907施設)
【図表】
図表1-1 放射線の定義
図表1-2 放射線の種類
図表1-3 照射方法による放射線治療の分類
図表1-4 放射線治療の目的
図表1-5 高精度放射線治療の内容
図表1-6 放射線治療市場の分類
図表1-7 リニアック 国内の販売状況
図表1-8 2018年度と2019年度(予)リニアックメーカ別の実績・計画値(システム・金額)
図表1-9 2018年度と2019年度(予)リニアックメーカ別実績・計画値シェア(システム)
図表1-10 2019年度 リニアックメーカ別稼働台数・シェア
図表1-11 2019年度 リニアック機種別稼働台数・シェア
図表1-12 2019年度 サイバーナイフ機種別稼働台数・シェア
図表1-13 2019年度 サイバーナイフ導入施設
図表1-14 2019年度 ガンマナイフ機種別稼働台数・シェア
図表1-15 2019年度 ガンマナイフ導入施設
図表1-16 陽子線治療・重粒子線治療の保険適応
図表1-17 2019年度 陽子線治療施設
図表1-18 2019年度 重粒子線治療施設
図表1-19 BNCT治療の現況
図表1-20 小線源治療の線源と対象がん疾患
図表1-21 2019年度 小線源治療システム機種別稼働台数・シェア
図表1-22 2019年度 小線源治療実施施設
図表1-23 2019年度 放射線治療計画装置の国内稼働メーカーシェア
図表1-24 2019年度 放射線治療計画装置のメーカー・輸入販売元別国内シェア(稼動台数)
図表1-25 予)2019年度 放射線線量検証システム市場の市場規模とシェア
図表1-26 2018 年度 放射線治療RISの国内メーカー(発売元)別金額シェア
図表1-27 2018年度 放射線治療RISの国内メーカー(発売元)別台数シェア
図表1-28 予)2019年度 放射線治用患者固定具の国内シェア
図表1-29 放射線障害防止法により規制値
図表1-30 主な放射線遮蔽材参入企業
図表1-31 指定されているがんゲノム医療拠点とがんゲノム医療連携病院
図表1-32 医科診療件数(放射線治療)
図表1-33 がん罹患数
図表1-34 放射線治療の割合比較(厚生労働省VS弊社アンケート)
図表1-35 2019年度 放射線治療市場市場規模
図表2-1 更新の放射線治療装置のメーカーシェア
図表2-2 対象となる放射線治療装置の更新機器(メーカー・機種)
図表2-3 対象となる放射線治療装置を継続利用する施設(メーカー・機種)
図表2-4 対象となる放射線治療装置を更新した施設(更新前後のメーカー・機種)
図表2-5 放射線治療施設のIMRT実施施設と施設基準取得状況
図表2-6 二次医療圏におけるIMRT高精度放射線治療器空白地域
図表2-7 二次医療圏別IMRT高精度放射線治療器台数
図表2-8 二次医療圏別IMRT高精度治療器台数と2025年高齢者人口(不足)
図表2-9 二次医療圏別IMRT高精度治療器台数と2025年高齢者人口(充足)
図表2-10 国内外で開発されているBNCT用加速器型中性子照射装置
図表2-11 徳島県立中央病院の隔放射線治療計画システム
図表2-12 主な遠隔放射線治療計画支援 システムの稼働状況
図表2-13 主な放射線治療の患者の受け入れを中止した/する施設
図表2-14 放射線治療で名称にセンターを付した主な施設
図表2-15 高精度放射線治療器の販売台数の需要予測
図表2-16 全国がん罹患数 将来推計値(2015-2039年)
図表2-17 放射線治療市場 市場規模推移(2018-2024年度)
図表3-1 放射線治療専門施設の分類放射線の種類
図表3-2 ガンマナイフ専門施設
図表3-3 サイバーナイフ専門施設
図表3-4 複合型施設
図表3-5 粒子線治療稼働施設
図表3-6 中性子治療施設(BNCT治療施設)
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