2021 サービス産業白書
これまで「物理空間」に集合し、「対面」での「接触」を前提していたサービス関連事業の多くは、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により未曾有の危機を迎えております。今後、“新常態”と呼ばれる新しい社会においては、サービス関連産業においても「仮想空間」の活用や、「非対面」・「非接触」によるベネフィットの訴求が求められており、産業構造が大きく転換し始めている業界も少なくありません。
本調査レポートは今回で第17版の年次レポートであり、個人向けサービス業10カテゴリーを中心に、一部事業者向けサービスを加えた11カテゴリー、94セグメントを網羅しています。加えて、本年度版では、コロナショックによる業界環境の変化や影響、新たな萌芽などにも意識しながら編纂を進めて参りました。
業界の棲み分け構造が崩れ、さらにコロナショックにより構造転換の必要性に迫られている「サービス産業」の現状を調査し、今後の方向性を理解できるマーケティングレポートです。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
サービス産業に関する調査を実施(2020年)
主要サービス産業11分野の94市場において、今後成長が見込まれるのは約4分の1の26市場
- 全11分野(①情報通信、②IT、③インフラ、④運輸/交通、⑤介護/保育、⑥教育、⑦生活、⑧外食、⑨旅行、⑩レジャー/スポーツ、⑪事業法人向け)、計94市場を網羅。
- 94市場それぞれ主なコンテンツは、市場規模、業界動向、企業ランキング、主力プレイヤーの動向・将来展望など。
- 拡大するサービス産業の全体動向を把握できる1冊。
- 前回版との違い
2021年版では新型コロナウイルス感染症による業界へのダメージ、アフターコロナの見通しなどについて可能な限り整理。
Ⅰ.産業編
第1章 サービス産業の動向
第2章 産業分類別市場の現状と予測
Ⅱ.業種編
第1章 情報・通信サービス
第2章 IT サービス
第3章 インフラサービス
第4章 運輸・交通関連サービス
第5章 医療・介護・保育サービス
第6章 教育・学習塾サービス
第7章 生活関連サービス
第8章 外食サービス
第9章 旅行・宿泊関連サービス
第10章 レジャー・スポーツ関連サービス
第11章 事業所向けサービス
Ⅰ.産業編
第1章 サービス産業の動向
1.我が国の産業構造におけるサービス産業
・GDP推移
・産業別動向
2.特定サービス産業実態調査からみる各産業
・特定サービス産業動態統計調査でみるコロナショック下の
サービス業の変調
・2018年特定サービス産業実態調査結果
第2章 産業分類別市場の現状と予測
主要サービス産業11分野全85市場の現況と将来予測一覧
1.情報・通信サービス
2.IT サービス
3.インフラサービス
4.運輸・交通関連サービス
5.医療・介護・保育サービス
6.教育・学習塾サービス
7.生活関連サービス
8.外食サービス
9.旅行・宿泊関連サービス
10.レジャー・スポーツ関連サービス
11.事業所向けサービス
Ⅱ.業種編
第1章 情報・通信サービス
1.放送
テレビメディア広告費は大幅削減、インターネット広告への移行必至、
コロナ禍でさらに苦境
2.新聞
販売収入、広告収入は減少続き、その他収入(出版、事業、受託印刷、
特別利益等)が増加
3.雑誌、書籍出版
紙+電子の合計ではプラス成長、電子出版が23.9%増とけん引、
電子出版シェアは約2 割
4.通信(固定電話、移動電話)
売上高シェアは、データ伝送が55.7%、移動通信が55.3%と過半数
5.インターネットサービスプロバイダー(ISP)
DSLは純減傾向が続いている一方、FTTH は一貫して純増
6.電子書籍
ヒット作の影響とコミック市場がけん引する形で市場規模が拡大
第2章 IT サービス
1.eコマース(電子商品取引) BtoC EC
2020 年のコロナ禍では巣ごもり需要と買物時の非接触推奨で
市場は再成長、大幅増見込
2.eコマース(電子商品取引) CtoC EC
リユース品の購入経路は「フリマアプリからの購入」が2015 年比で
3.4 倍に増加
3.SNS、無料通話・メッセンジャーアプリ
書き込む・投稿する割合はLINE で約6 割、Instagram、Twitter、
Facebook は10%台
4.デジタルコンテンツ配信
電子コミック市場は2,989 億円、電子出版の約8 割(79.7%)を占有、
マンガアプリ広告も増加
5.ポータル・ネット広告・情報サイト
ポータル・検索サイト、うちヤフーのシェア5割超、
2位はグーグルで3割強と推定
第3章 インフラサービス
1.電力
固定価格買取制度による買取期間が10 年を越え、
「卒FIT」となる事業者が登場
2.ガス
工業用はほぼ横ばいだったが家庭用の暖房需要が低迷、
大手ガス会社は東南アジアに活路
3.鉄道
コロナ禍で2020 年は大幅減を見込む
4.航空
国内航空会社ではリストラが加速、世界でも航空会社の破綻が相次ぐ
第4章 運輸・交通関連サービス
1.宅配便・メール便
コロナ禍で置き配や非接触式が急速に普及、ヤマトはEC事業者向けに
新しく「EAZY」開始
2.タクシー
スマホ専用アプリの台頭、拡大する配車サービス、企業間提携や
新規参入や提携も活発
3.高速バス
新型コロナウイルス感染防止への対策を徹底、安全性を利用客に訴求、
消毒や換気を徹底
4.レンタカー・カーシェアリング
レンタカー・カーシェアリング料金の支出額、家計調査や
第3次産業活動指数も大きく上昇
5.駐車場
コロナ禍で自動車の動きが減衰、拡大基調の
コインパーキング市場も苦戦
6.引越し
スタートアップが引越し事業に参入、
見積りから空き確認・申込みまでLINEですべて完結も
第5章 医療・介護・保育サービス
1.医療
コロナ禍で医療機関の受診を控える動きから、2020 年度第1四半期の
病院業績悪化
2.介護サービス
人材確保・ICT 化などの戦略の為、今後は他社との資本提携や
M&Aの増加が見込まれる
3.居宅介護サービス
地域包括ケアシステムにより、医療や介護の場を病院や施設から
在宅に移行するため今後は増加予想
4.有料老人ホーム
高齢者人口や要介護認定者数の増加に伴い、
有料老人ホームの設置数は増加継続
5.グループホーム
グループホームの介護費は、件数及び一人あたりの給付費が増え、
緩やかな増加
6.サービス付き高齢者向け住宅
都市部ではまだまだ不足する一方、過疎地域では供給過剰に
陥っているケースも
7.シニア向け支援サービス
異業種からの参入で市場は成長基調
8.保育サービス
待機児童問題解消に向け成長続くが2020 年度はコロナ禍で
成長スピードの減速が予想される
第6章 教育・学習塾サービス
1.幼児英才教育(幼児受験教育、幼児知育)
2019 年度の幼児英才教育市場は前年度比4.2%減の502 億円、
新型コロナの影響で減少
2.学習塾・予備校
学習塾・予備校市場全体に占める個別指導塾の割合は直近5年間で
44~46%規模に拡大
3.資格学校
2020 年春以降のコロナ禍で、オンラインにシフトしながら
対面授業も再開で学習の継続促す
4.eラーニング
新型コロナウイルス感染症の影響により、遠隔教育の需要高まり、
ユーザー数増加が想定
5.カルチャーセンター
コロナ禍、主要各社はオンライン講座を本格的に開講、
リアルと配信で集客図る
6.語学学校
2020 年度は新型コロナの収束見通しが不透明、
総市場規模は3,000 億円割り込むと予測
7.通信教育
2019 年度の通信教育市場は、前年度比102.7%の2,127 億円と
3 年連続拡大
8.自動車教習所
2019 年卒業者数154 万人で6 年ぶりに増加、
二輪(大型と普通)が人気、普通車は減少
第7章 生活関連サービス
1.理美容業
総合調髪サロン、工程・サービス更に簡略化、
低価格サロン層の顧客取り込む動き進む
2.エステティックサロン
店頭での顧客サービス担うエステティシャン確保、
育成と長期雇用、労働環境の整備急務
3.ヘアケアサロン
ヘアケア剤市場、女性の毛髪・頭皮ケアニーズの高まりや、
カスタマイズブランドの投入で市場は活性化
4.クリーニング業
インターネット利用の宅配クリーニング業者等の成長に伴って、
「無店舗・宅配」ルートが成長
5.銀行(都市銀行、信託銀行、地方銀行、信用金庫、ネット銀行)
地方銀行、人口減少による地域経済衰退や低金利により収益力低下、
合併・統合進む
6.証券
コロナショック、期せずしてビジネスモデルの転換を促すことになる
可能性大
7.保険(生命保険・損害保険)
ソニー生命、WEB でコンサルティングを行う
「リモートコンサルティング」を開発
8.消費者金融
2020 年3 月末時点の貸金業者数、対前年度比3.1%減の
1,647 業者と減少傾向続く
9.クレジットカード
「巣ごもり消費」の活発化、ネットでのキャッシュレス決済の
利用拡大を促進
10.不動産仲介業
2019 年の首都園中古マンションや戸建住宅、成約件数は
小幅ながら増加傾向持続
11.住宅リフォーム
2021 年度は市場減少見込の一方、新しい生活様式に対する
需要見込まれプラス影響期待
12.ホームセキュリティ
ウィズコロナへの対応、テレワークなど在宅時セキュリティ環境の
強化が求められる
13.結婚関連サービス
少人数で一定の体裁を整えた挙式披露宴「少人数婚」、
一定の層を掴み広がりみせる
14.フューネラルビジネス(葬祭業)
競争激化で、互助会は再編が進み、全葬連加盟企業数も横ばい
15.自動車整備
2019 年度の自動車整備売上高、前年度比1.7%増の5 兆6,216 億円で
3 年連続増加
16.家事代行
介護業界による家事代行、保険適用外の生活支援サービスを
家事支援サービスとして補完
17.コインランドリー
コロナの影響が比較的少なく、今後も微増傾向を維持する見通し
18.ペット関連サービス
飼育頭数が伸び悩む一方で、ペット1 頭あたりへの支出は増加傾向に
19.コインロッカー
コロナ禍によって観光・レジャーが冷え込み、直近の稼働率は
落ち込みがみられる
20.収納ビジネス
2018 年のレンタル収納ビジネス市場規模は296.4 億円、
トランクルーム市場の売上規模を78.4 億円
第8章 外食サービス
1.一般外食店
コロナショックにより、持ち帰りメニューの開発、
テイクアウト対応が活発化
2.中食
高齢化・核家族化・女性の社会進出がますます進み、
中食需要の追い風に
3.食品宅配サービス
コロナによる自粛生活の増加によって「出前館」や
「Uber Eats」などの食品宅配代行サービスが急伸
4.給食サービス
コロナによる在宅勤務や休校などが広がり、対面や弁当給食などに
マイナス影響が及ぶ
5.複合カフェ
店舗立地ではロードサイド型が減少、駅前・繁華街型が増加
第9章 旅行・宿泊関連サービス
1.旅行業
新型コロナショックの影響で旅行客が激減、一転して業界は不透明に
2.ホテル・旅館
コロナショックにより、客室稼働率は調査開始以来、
最低の水準にまで落ち込んでいる
3.会員制リゾートクラブ
会員制リゾートクラブ市場は、2019 年度で前年度比96.2%の
3,820 億円と縮小に転じる
4.クルーズ事業
2019 年の日本人のクルーズ人口及びクルーズ船の寄港回数が過去最多
5.民泊
当初拡大が見込まれていた2020 年度は、コロナショックにより
市場は減少に転じる見通し
第10章 レジャー・スポーツ関連サービス
1.映画産業(映画館・映画配給)
2019 年の興行収入は過去最高を更新するも、
新型コロナウイルスによって急速に市場は冷え込む
2.スポーツ/ライブ・エンタテインメント
2020 年は新型コロナウイルスの影響でライブやイベントは
延期・中止、未曾有の危機に直面
3.カラオケボックス
各社各様のコロナ施策、テレワークルーム拡大、マスクエフェクト、
事前予約で室料オフなど
4.パチンコ(ホール運営)
コロナ禍で、企業の経営体力を奪われ存続できず、
企業倒産や閉店が急増
5.アミューズメント施設
セガがゲームセンターの運営から撤退を発表、GENDA が
セガエンタテインメントを子会社化
6.遊園地・テーマパーク
オリエンタルランド、TDR(TDL とTDS)、2019 年度は
入園者数も売上高もかつてない二桁減
7.温浴施設
コロナの影響で休業や施設の開業延期相次ぐ、
2020 年秋~冬には延期の施設が開業予定
8.フィットネスクラブ
2020 年度は新型コロナウイルスの影響大きく、
各店舗で会員の休・退会相次ぐ
9.ボウリング場
ラウンドワン、TVCM などで「ROUND 1 LIVE」の周知を実施し
リモート可能なコンテンツ充実
10.ゴルフ場・ゴルフ練習場
2020 年度は多くのツアーや大会が延期・中止を余儀なくされる、
2021 年以降の開催に期待
11.フットサル
フットサル施設は公・民合わせて全都道府県に1,145、供給過剰ゆえ、
ウイズコロナで淘汰も
12.eスポーツ
賞金に関する法規制が普及の壁
第11章 事業所向けサービス
1.リース
2019 年度取扱高は前年比6.4%増の5.3 兆円、
リース設備投資増等が追い風
2.広告制作・広告代理業
2019 年の広告業売上高、前年度比0.7%減の5 兆9,106 億円、
3 年連続減少で推移
3.イベント企画・運営
2019 年イベント市場は関連総消費支出額17兆4,890億円で
前年比0.8%増
4.ディスプレイ業
参入企業各社、商業施設完工後の運営管理やメンテナンス業務へ
注力する企業増加
5.一般・専門業務受託業
日本国内の深刻な人材不足を背景に、BPO サービス市場は
着実な成長を続ける
6.人材サービス(人材派遣、人材紹介、再就職支援)
オンライン環境進展、副業需要の増加、多様な人材の確保による
様々な就業形態を実現
7.警備保障
2019 年の警備サービス業市場規模3 兆5,534 億円、
成長指数9 年間で13.5 ポイント成長
8.ビルメンテナンス業
イオンディライト、非常駐型管理サービス強化により、
中小型オフィスへのサービス提供拡大
9.リネンサプライ
業界内での人手不足は深刻化しており、今後は省人化や
業務効率化がカギとなる
10.業務用システム・ソフト開発
AI・IoT 等のデジタル技術活用したビジネス成長目的のIT 投資が進み、
市場は堅調な推移
11.倉庫業
2019 年の普通倉庫市場規模2 兆4,693 億円、
増加基調続き8年連続2兆円台を維持
12.産業廃棄物処理業
タケエイ、廃棄物の製品化及びエネルギー化に向けた設備投資、
M&Aや協業化を積極的に推進
13.法律・会計事務所
弁護士、公認会計士、共に人数は年次増加傾向が続き、競争激化
14.シェアオフィス・コワーキングスペース
コロナ下のテレワークやフレキシブル拠点として需要増も、
参入企業の増加で競争激化
15.貸会議室
コロナ禍で業界環境は激変、最大手TKPはシェアオフィスなどに注力
このレポートの関連情報やさらに詳しい情報についての調査を検討したい
矢野経済研究所では、
個別のクライアント様からの調査も承っております
マーケティングや経営課題の抽出、リサーチの企画設計・実施、調査結果に基づく具体的な戦略立案・実行支援に至るまで、課題解決に向けた全ての段階において、クライアント企業をトータルでサポート致します。