2022年版 RFID市場の現状と展望

RFIDは近距離無線技術を利用して個体識別を行うもので、IDが入った専用の情報媒体(ICタグなど)を使用している。現在、RFID市場は海外アパレル向けが先行して本格的に市場が立ち上がり、タグの使用量が増加しつつある。海外のRFID関連ベンダーはタグやインレイと関連機器・ソフトを総合的に提案するRFIDソリューションビジネスを展開する企業が多いが、RFIDタグ/インレイの開発・製版を主体とする中小の専業系メーカーも少なくない。尚、近年コロナ禍の影響でコンタクトレースの増加や工場自動化により、製造装置や医療などの市場でRFIDの導入が増加していると見られる。そこで、今回の調査では関連主要企業の最近の動向を含め、RFIDの導入状況などを把握した。

発刊日
2022/08/29
体裁
A4 / 138頁
資料コード
C64105100
PDFサイズ
6.9MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:製造、物流、販売、サービス、物品管理などの業務効率化などに向け、その有用性が改めて注目されている RFID 市場(関連機器やソリューション)についての現状と今後の動向を詳細に把握することを目的とする。
調査対象:RFID関連メーカー、ソリューションサービス事業者、業界団体。
※RFIDの情報媒体は RFID タグと非接触 IC カードに大別されるが、非接触 IC カードは RFID タグと利用形態が違うため、当レポートでは非接触 IC カードとその関連製品を除外している。、RFID IC タグと関連機器及びソフトを RFID ソリューションビジネスの中核製品とみなしてその総市場規模と今後の見通しを推計した。
調査方法:弊社専門調査員による直接面談取材による
調査期間:2022年5月~2022年8月

調査結果サマリー
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RFIDソリューション世界市場に関する調査を実施(2022年)
これまで動きが鈍かった医療や製造業などの分野でも本格的な導入始まる
~RFIDシステムはNice to HaveからMust Haveの時代に~

資料ポイント
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  • RFIDソリューション市場の世界と国内の市場規模(2021年実績-2026年予測を算出)とRFID市場における課題を掲載
  • 国内ICタグの市場規模と大量生産国とされる中国との価格比較表を掲載
  • 主要アプリケーション別ICタグの市場規模(世界、国内)を算出
  • リーダー・ライターの市場同様及びUHF帯とHF帯のタイプ別市場規模を掲載
  • 国内と中国の主要RFIDメーカー各社の動向を掲載
  • 特別調査として「IoT市場におけるRFIDの動向」を収録

リサーチ内容

調査結果のポイント

第1章 ソリューション市場

ソリューション市場
2022年、RFIDソリューションのWW市場は1兆2,653億円
トータルソリューションを目指す企業が増加傾向
(図・表)RFIDソリューションのWW市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
(図・表)RFIDソリューションの国内市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
(図)RFIDソリューションのWW市場規模の構成比(2022年)
(図)RFIDソリューションの国内市場規模の構成比(2022年)
さらなる成長に向けて、運用や費用帯効果などしっかりとした検証は必須
Nice to Haveから今後はMust Haveを目指す

第2章 ICタグ市場

1.国内ICタグの出荷量推移
  2021年におけるICタグは数量ベースで約25.6億個、
  金額ベースでは約284億円規模へ
  (図・表)ICタグの国内市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
  (図・表)ICタグの国内市場規模推移(数量:2021年実績-2026年予測)
  2022年は金額ベースでUHF帯タグが全体の88.1%、HF帯タグが11.9%を占める
  (図)ICタグの国内市場の周波数別の構成比(金額:2022年)
  (図)ICタグの国内市場の周波数別の構成比(数量:2022年)
  (表)ICタグの種類別 国内市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
  (表)ICタグの種類別 国内市場規模推移(数量:2021年実績-2026年予測)
2.ICタグの価格動向
  2022年における国内のUHF帯ICタグの価格は約10.3円
  5円を下回るには全産業での普及率がカギ
  中国のUHF帯ICタグは約4円程度を維持
  ICチップの調達が困難のなか、戦略的にブランケットオーダーを行う
  (図)UHF帯ICタグの日本と中国の価格比較推移(2021年実績~2026年予測)
3.国内ICタグのマーケットシェア
  2021年のトップシェアはテンタックで23.1%
  次いでナクシスが19.5%、Avery Dennison Smartracが14.2%
  (図)ICタグの国内市場のベンダーシェア(金額:2021年)
4.タグの利用動向
  2021年グローバル市場は、アパレルを主体とする流通分野が
  最大規模の4,385億円で全体の64.5%、次いで医療が557億円で8.2%
  (表)ICタグのWW分野別市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
  (表)ICタグの国内分野別市場規模推移(金額:2021年実績-2026年予測)
  これまで導入の動きが鈍かった医療や製造業などでもRFIDの導入が本格化
  (表)ICタグのWW分野別市場規模推移(数量:2021年実績-2026年予測)
  (表)ICタグの国内分野別市場規模推移(数量:2021年実績-2026年予測)
  (1)流通関連市場
    アパレル市場はRFIDのメリットが可視化でき、今後も市場はさらに拡大
    小売市場はウォルマートが先頭に立ってRFID導入を進め、拡張の兆しを見せる
    (図)流通分野向けICタグのWW市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
    (図)流通分野向けICタグの国内市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
  (2)医療関連市場
    コロナ禍によって非接触・省人化システムへの関心等が高まり世界的にRFIDの採用が増加
    2026年グローバル市場における医療分野の市場規模は金額ベースで約824億円規模へ
    (図)医療分野向けICタグのWW市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
    (図)医療分野向けICタグの国内市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
  (3)製造業関連市場
    「インダストリー4.0」や「デジタルトランスフォーメーション化」を追い風に
    2026年におけるグローバル市場は690億円、国内は45億円規模へ
    (図)製造分野向けICタグのWW市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
    (図)製造分野向けICタグの国内市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
  (4)物流関連市場
    IoT化の取り組みと連動し、今後穏やかな成長が見込まれる
    (図)物流分野向けICタグのWW市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
    (図)物流分野向けICタグの国内市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
  (5)図書館関連市場
    今後は公共図書館より蔵書が段違いに多い大学図書館でも採用が進み
    2026年におけるグローバル市場は528億円規模へ
    (図)図書館分野向けICタグのWW市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)
    (図)図書館分野向けICタグの国内市場規模(金額:2021年実績-2026年予測)

第3章 リーダー・ライター市場

1.リーダー・ライターの市場概要
2.リーダー・ライターの市場規模
  2021年は金額ベースで94億3,100万円
  アパレルの他に製造業やセキュリティなどでの採用も増え、今後も拡大傾向
  (図・表)RFIDタグ用リーダー・ライターの国内市場規模推移
  (金額:2021年実績-2026年予測)
  (図・表)RFIDタグ用リーダー・ライターの国内市場規模推移
  (数量:2021年実績-2026年予測)
  UHF帯タグ用リーダー・ライターの構成比が大きく伸長
  2026年には同製品の構成比が34.6%に拡大する見通し
  (図)RFID用リーダー・ライターの国内市場の周波数別構成比(金額:2021年)
  (図)RFID用リーダー・ライターの国内市場の周波数別構成比(金額:2026年)
3.HF帯タグ用リーダー・ライター市場の動向
  2021年のHF帯リーダー・ライターの市場は前年比101.8%、64億4,100万円
  (図・表)HF帯タグ用リーダー・ライターのタイプ別国内市場規模推移
  (金額:2021年実績-2026年予測)
  (図・表) HF帯タグ用リーダー・ライターのタイプ別国内市場規模推移
  (数量:2021年実績-2026年予測) 
  (図)HF帯タグ用リーダー・ライター国内市場のタイプ別構成比(金額:2021年)
4.UHF帯タグ用リーダー・ライター市場の動向
  新規導入分はUHF帯リーダー・ライターが主体となり、2026年は27億規模へ
  (図・表)UHF帯タグ用リーダー・ライターのタイプ別国内市場規模推移
  (金額:2021年実績-2026年予測)
  (図・表)UHF帯タグ用リーダー・ライターのタイプ別国内市場規模推移
  (数量:2021年実績-2026年予測) 
  (図)UHF帯タグ用リーダー・ライター国内市場のタイプ別構成比(金額:2021年)
5.リーダー・ライターマーケットシェア
  HF帯用はオムロンが29.3%でトップシェア
  UHF帯ハンディタイプはデンソーウェーブが30.1%を占める
  (図)HF帯タグ用リーダー・ライターのマーケットシェア
  (図)UHF帯用ハンディタイプのマーケットシェア

第4章 RFIDメーカーの動向と戦略

Avery Dennison Smartrac
  買収による圧倒的なシェアでグローバルRFID市場をけん引
  豊富な人材確保でこれまでにないR&Dを展開
  ソリューションまで手掛け、大きなビジネスの柱として成長 
  化粧品、食品、物流関連などの産業分野を狙う
 
テンタック株式会社
  アパレル外の他分野への参入を本格化
  2022年にRFID事業本部を立ち上げ、RFID事業を加速化 
  環境にやさしいエコタグの出荷が好調
  海外のどの拠点でも同じ品質の製品を生産できる体制を構築
  (図)テンタックが取り扱うECO RTT(RFID TAG TECHNOLOGY)
 
ナクシス株式会社
  圧倒的な生産量で安定的な供給と業界標準を下回る価格提示が可能
  2022年における供給先は60社以上を超える
  アパレルの他に新規顧客が大幅に増加 
  自社得意のタグ・インレイの開発に集中し販路拡大に力を入れていく
 
大日本印刷株式会社
  ワンストッププラスアルファのサービス提供が可能
  図書館向けの構成比は減ったが、小売業や製造業向けの需要が増加
  (図)大日本印刷の利用先別比率(金額:2021年) 
  RFID一体型パッケージを開発中 
  RFID導入におけるノウハウをこれまで以上に磨き、最適な製品を提供していく
 
凸版印刷株式会社
  ICタグの開発から運用サポートまで一気通貫で個別に対応していく
  製造関連のトレーサビリティや品質管理などのDX化に注力 
  費用対効果に落とし込んで顧客と一緒に導入を検討していける体制を構築
 
トッパン・フォームズ株式会社
  品質に厳しい製造業や医療系を中心に展開
  自動車メーカーとの協力を通じて高精度製品の開発で差別化を図る 
  製造業、医療、物流業界のDX化の推進役へ 
  (図)耐熱ラミネートタグ 
 
サトーホールディングス株式会社
  RFIDを重要施策とし、ワンストップソリューションで訴求
  RFID事業の売上は5年前より3倍以上拡大、国内に限らず海外で実績を伸ばす 
  環境に配慮した紙基材のタグの需要が高まる 
  (図)独自技術の環境配慮型タグの構造
  RFIDを使って製造側から消費側までサプライチェーン全体を管理していく
  プラスアルファの機能を搭載し付加価値を持つ製品を展開
 
株式会社エスケーエレクトロニクス
  世界唯一の極小タグメーカーとして高付加価値の特殊タグに注力
  アンテナの設計から製品化まで自社で行うことで高品質化を追求 
  (表)エスケーエレクトロニクスの開発タグの主な仕様 
  製造・医療系などの幅広い業種向けに製品を展開
 
東洋製罐グループホールディングス株式会社
  自社強みの金属対応ICタグを用いて今後は自動車業界を狙う
  電力会社の計器管理向けの出荷がメイン
  検証済みの様々なICタグを保有し、ニーズが生じた場合素早く対応していく
 
株式会社RFIDアライアンス
  海外の特徴あるRFID資材を幅広く手掛ける専門商社
  RFID業界20年の経験とネットワークを生かしてRFIDの普及に貢献
 
MNインターファッション株式会社(旧 日鉄物産株式会社)
  統合を通じてRFID事業拡大の可能性が高まる
  商社像に拘らず、川上から川下までサプライチェーン全体をカバーしていく
  三井物産の様々なリソースをRFID事業でも活用
  豊富な知見を活かし現場の課題を解決
  デジタル化が進む中、RFIDは今後成長のポイントと捉え活用を広げていく
 
株式会社デンソーウェーブ
  ハンディ・セパレート型の販売が好調
  現在はアパレル向けの出荷が中心、今後はメディカルや物流市場に注目
 
ジーエルソリューションズ株式会社
  鉄道や電子決済関連市場の参入を図る
  13.56MHz NFC技術を中核にビジネスを展開
  金融機関や研究所などのユーザーが圧倒的に多く、最近では外食産業や医療向けの出荷増
  2021年における売上は前年比112.5%の成長へ
  今後はリーダライタのセキュリティ性向上に取り組む
 
東芝テック株式会社
  国内においてソリューションの提案、導入から保守・サポートまでを
  ワンストップで実現する唯一のRFIDベンダー
  ピンポイントで対象物を読み込む機能を搭載し、読みこぼしなく全てを読み切れる
  コロナ禍によって一時注文ストップも起こっていたが、
  生産性向上や人手不足に取り組む企業が増え、回復傾向へ
 
Arizon RFID Technology Co., Ltd
  中国企業の中で唯一グローバル大手流通企業向けの認証を取得
  海外市場は日本、ヨーロッパ、アメリカが中心
  ウォルマートの主なサプライヤーにICタグを供給中、今後年間7~10億枚出荷見込み
  現在アパレル向けの出荷が6割、今後は中国国内の宅配市場を狙う
  2022年における年間生産能力は35億枚、今後75億枚まで増強
  (表)Arizon RFID Technologyの売上及び出荷数量推 
  (表)Arizon RFID Technologyの生産拠点及び生産能力
 
Invengo Information Technology Co., Ltd
  中国RFID産業のリーディングカンパニーとして技術力の向上に注力
  2022年は約102億円の売上を見込む
  生涯保守など他社では対応できないメンテナンスを実施
  (表)Invengo Information Technologyの売上推移
  鉄道、図書館、小売りの3つの分野に注力
  2022年に約183億円を投資し生産拠点を新設
  (表)Invengo Information Technologyの生産拠点及び生産能力
 
XIAMEN XINDECO IOT TECHNOLOGY LTD.
  圧倒的な生産能力で中国内のアパレル市場を迫る
  2021年における売上は前年比130.5%の約75億円
  Impinjと戦略的な提携を通じてグローバル展開を加速化 
  (表)XIAMEN XINDECO IOT TECHNOLOGYの売上及び販売量推移
  2022年における生産能力は年間22億枚
  2025年まで年間100億枚の増強を目標 
  (表)XIAMEN XINDECO IOT TECHNOLOGYの生産拠点及び生産能力

第5章 [特別調査]:IoT市場におけるRFIDの動向 ~市場動向編~

(『Yano E plus』2022年 8月号より)
1.はじめに
  IoT市場ではRFIDの機能でIoTシステムを高度化したり
  RFID技術を応用して新型IoTセンサーを開発する動きが活発化
  1-1.IoTシステムとRFID
    (1)IoTの要素技術としてのRFID
    (2)IoTエッジデバイスの動向
  1-2.IoT化へ向かうRFID
    (1)高特性で低価格のUHF帯タグが伸長
    (2)RFIDとネットワーク接続
    (3)業界統一仕様のIoT用 RFID
2.IoT / RFID市場の関連動向
  2-1.IoT関連市場の概要
    (1)IoTの巨大な経済効果
    (図・表)IoT関連市場の全体規模とその見通し(金額:2021-2026年予測)
    (2)情報通信機器が市場を牽引
    (図・表)IoT関連WW市場の内訳(金額:2021年)
    (3)ハード・ソフト・サービスが連動
    (図・表)IoT関連市場におけるハード・ソフト・サービスの比率(金額:2021年)
  2-2.IoTの通信方式とRFIDの利用状況
    (1)IoTデバイスの接続数が急増
    (図・表)IoTデバイスの接続数と利用分野のWW市場動向(数量:2021年)
    (2)IoTデバイスにおける近距離無線の動向
    (図・表)IoTデバイスにおけるWW市場近距離無線の利用状況(数量:2021年)
    (3)エッジデバイスとしてのRFIDの動向
    (図・表)IoTエッジデバイス市場におけるRFID製品のWW市場シェア(金額:2021年)
    (4)IoT型RFIDのタイプ別動向 
    (図・表)IoT型RFIDのタイプ別WW市場シェア(金額:2021年)
    (5)IoTにおけるRFIDの利用分野 
    (図・表)IoTにおけるRFIDのWW市場利用分野(金額:2021年)

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