PartⅠ 医療機器の市場動向と有力企業分析 医療機器の環境要因分析と有力企業の動向
§1 新型コロナウイルス感染症による市場予測
人工呼吸市場は2026年度からプラス傾向に
§2 治療機器市場における注目市場
(1)手術支援ロボット市場
(2)シングルユース(ディスポ)内視鏡
§3 治療機器の環境
新型コロナウイルス感染症の影響(補助金終了含む)、
世界情勢(生産・物流・円安等)、電気代高騰で、
病院収支悪化。
今後は、地域医療構想の継続の中、医療提供体制の再構築に期待
§4 調査品目における市場推移と予測
2022年度は、前年度から続く新型コロナウイルス感染症の影響の反動で
前年比1.9%アップの1,796億73百万円。
ベンチレータ市場のマイナスで「手術室等の設備機器」のみがマイナス。
その他の領域はプラス実績。特に更新需要を
主体に「定位・高精度放射線治療市場」が65億円強アップ
調査品目における金額ベース市場規模推移
調査品目における台数・数量ベース市場規模推移
品目別マーケットリーダー(2022年度総発売元ベース)
§5 有力企業の動向
オリンパス:2023/3期連結ベースでの医療部門売上高は前期比18.0%アップの
8,700億30百万円、国内:海外売上比率は13.4:86.6
フクダ電子:2023/3期 単独ベース売上高823億円、連結で1,346億円
日本光電工業:2023/3期 単独売上高1.6%ダウンの1,594億15百万円、
連結は0.7%アップの2,066億3百万円
PartⅡ 治療機器(関連製品含む)品目別推移
§1 内視鏡下外科(腹腔鏡・胸腔鏡下外科手術)手術市場 低侵襲手術
市場概要
企業動向
内視鏡(光学視管・Scope、ビデオスコープ)市場
市場動向:2022年度は前年比19.9%アップの4,303本、
2023年度は同2.7%アップの4,418本見込み
ビデオカメラ市場
市場動向:2022年度1,408台、2023年度1,453台見込み
光源装置(Light Source)市場
市場動向:2022年度677台、2023年度693台見込み
気腹器市場 (CO2 吊上式)
市場動向:CO2(気腹下)タイプのみで、2022年度612台、2023年度は670台見込み。
日本メディカルネクストに販売移管された新型コロナウイルス感染症と
da Vinciの好調を背景に排煙機能付き
「エアシール・インテリジェント・フローシステム」は154台
処置具市場(Forceps・Clamps、Scissors等)
市場概要
リユース処置具市場動向:2022年度は前年比9.9%アップの23,770本、
2022年度24,542本見込み(リポーザブルタイプ含む)
ディスポーザブル処置具市場動向:2022年度前年比0.9%アップの218,900本
クリップアプライヤー市場
市場動向:2022年度175,925ケ(本)、2023年度181,070ケ(本)
トロカール市場(トロカール・トロカー・トロッカー・Trocar)
市場動向:2022年度114.5万本、2023年度116.9万本見込み
参考資料:自動縫合器・自動吻合器について
脳内視鏡(脳室鏡・脳神経内視鏡)
市場概要
市場動向:2022年度16セット・533本、2023年度16セット・549本見込み
関節鏡システム
市場概要
市場動向:2022年度は5.5%アップの31億32百万円、2023年度は30億85百万円見込み
関節鏡視下電気手術装置市場動向:
前年度の反動により、2022年度消耗品は7.6%ダウンの41,078本、
2023年度は35,900本見込み。消耗品に関しては
デピューシンセス マイテック事業部が高シェア(販売額)
耳鼻咽喉科用シェーバーシステム:日本メドトロニックの圧倒的シェア続く
椎間板ヘルニアシステム市場:
「METRx」シリーズは単品買替、Wolf脊椎鏡は年間120本前後の実績
エピドラスコピー(内視鏡下硬膜外腔癒着剥離術)
内視鏡下外科関連市場
市場動向:Intuitive Surgical「da Vinci」シリーズ、現稼働台数数523台。
販売台数年間30~40台(いずれも弊社推計)
HALS(Hand Assisted Laparoscopic Surgery):
2022年度9,500ケ、2023年度9,500ケ見込み
§2 ベンチレータ
市場概要
長期ベンチレータ市場規模:新型コロナウイルス感染症により
2022年度は46.3%ダウンの4,485台、2023年度は4.9%ダウンの4,265台の見込み
高流量式鼻カニューラ酸素療法(High Flow Therapy)市場:
一体型装置は2022年度2,790台、2023年度は2,530台
長期人工呼吸器企業別動向:レンタルに強いチェストがトップシェア
レンタル領域ベンチレータ市場(在宅・病院)
非侵襲型・侵襲型市場/在宅人工呼吸療法
HMV~Home Mechanical Ventilation
市場概要
市場動向:患者数はNPPVで2022年度14,757人(2023年度:14,858人見込み)、
TPPVは7,796人(同:8,093人見込み)。
NPPVは台数ベースで前年比375台減の1,1100台(2023年度:1,030台見込み)
排痰補助装置市場:市場は一巡もあり、2022年度は445台、2022年度335台見込み
救急関連(搬送用含む) 人工呼吸器市場
市場概要
市場動向:2020~2021年の反動で2022~2023年度は低調。
2022年度691台、2023年度684台見込み
CPAP:スリープCPAP マスクCPAP
経鼻的持続陽圧呼吸療法装置
市場概要
市場動向:2022年度患者数は61.4万人、2023年度は64.5万人見込み。
CPAPは2022年度64,040台、2023年度68,540台見込み。
F&P製品は4社から販売され、実質市場占有率は高い
スリープアプニア市場、Sleep市場(診断装置) Sleep Apnea Syndrome~SAS
睡眠時無呼吸モニタ 呼吸睡眠モニタ、睡眠ポリグラフシステム
市場概要
市場動向:患者数は増加しているものの、
2022年度は前年比87.5%アップの3,472台(2023年度:2,302台見込み)
§3 全身麻酔器
市場概要
市場規模:2022年度は前年比26.4%アップの1,486台、
クラス別でHigh endは1,054台、Middle endは432台。
2023年度は9.0%ダウンの1,352台で、
クラス別でHigh endは963台、Middle endは389台
企業別動向:High end市場のシェア、ドレーゲルジャパンが新機種により
39%前後の大幅アップ。GEヘルスケア・ジャパンが42%強で2強に
§4 除細動器 デフィブリレータ
External Defibrillator
市場概要
トータル市場規模:2022年度は前年比7,330台減の115,580台、
2023年度は16,560台増の132,140台見込み
AED市場:2022年度前年比7,290台減の111,690台、
2023年度は16,580台増の128,270台見込み
企業別動向:前年比プラス傾向:旭化成ゾールメディカル、
日本ストライカー、オムロンヘルスケア、CU。
マイナス傾向:日本光電、フィリップス
自動心臓マッサージシステムについて
§5 電気メス
電気メス市場
市場概要
市場規模:2022年度は手術件数の戻りから前年比1.3%アップの1,718台、
2023年度は(同)2.4%アップの1,759台見込み、
うち2022年度のHigh endは1,363台、2023年度は1,425台見込み
企業別動向:シェア上位2社で70%以上を確保
排煙装置について
バイポーラ市場
市場概要
市場動向:2022年度前年比4.1%アップの377台、2023年度は394台見込み
APC・ABC市場
市場動向:内視鏡室での買替需要と電気メスとのシステム化が続くも
2022年度前年比3フラットな175台、2023年度は180台見込み、
アムコの「APC3」で圧倒的シェア続く
小型電気メス・各科に特有な電気メス市場
市場動向:内視鏡室、処置室、各科で市場形成の中、
2022年度前年比154台増の1,253台、2023年度1,293台見込み、
販売提携活発化の可能性
その他 特定領域
1.肝悪性腫瘍RF/マイクロ波熱凝固療法:
「Cool-tip」シリーズの伸びはないものの、高シェア維持の中、
シーマン「Mimapro マイクロ波アブレーションシステム」
日本ライフライン「肝癌ラジオ波アブレーションシステムarfa」も参入
2. RF心房細動手術:年間6,500本(推定症例:4,200~4,600例)
3. 神経ブロック用高周波熱凝固装置は
アボットメディカルジャパン(旧:セント・ジュード・メディカル)とトップが参入
4.マイクロ波手術装置、加熱メス市場
5.美容外科ルートにおけるRF/フォトRF市場
対極板市場
市場動向:2022度421.9万枚、2023年度433.3万枚、企業実績の二極化続く
電気メス市場におけるディスポコントロールペンシル、電極
コントロールペンシル市場動向:2022年度206.6万本、
2023年度211.3万本見込み、日本メディカルネクストがトップシェア
アクティブ電極市場動向:ディスポタイプ2022年度143.5万本 、2023年度148.5万本見込み
§6 超音波凝固切開装置・超音波吸引装置
市場概要
超音波凝固切開装置
市場動向:2022年度ジェネレーターはコードレスを含め975台、
2023年度は1,025台見込み。ディスポプローブは2022年度175億86百万円、
2023年度182億41百万円見込み
超音波吸引装置
市場動向:2022年度160台、2023年度165台見込み
§7 Nd:YAG、Ho:YAG、KTP/YAG、KTP/Tm:YAG
市場概要
市場動向:2022年度前年比14台増の180台、2023年度は16台増の196台見込み、
Ho:YAGは買替需要と新規需要で2022年度119台の市場推移
§8 C O 2レーザー
市場概要
市場動向:2022年度前年比2台減の404台、2023年度408台見込み。
耳鼻咽喉科:手術室では105台(2023年度:109台見込み)、
皮膚科・形成外科は299台(同:299台見込み)
§9 高出力半導体レーザー手術装置
市場概要
市場動向:下肢静脈瘤治療用の新規需要は年間45台前後の中、
前立腺肥大症用としての需要は続くが2022年度はほぼフラットな96台、
2023年度は前年比6台増の102台見込み
§10 P D T~Photo Dynamic Therapy
市場概要
市場動向:「PDレーザー」シリーズ2022年度9台、2023年度10台見込み
§11 レーザー心筋血管新生術、心筋血行再建術 TMR・PTMR
市場動向:2022年度4台、2023年度11台見込み
RF心房細動手術装置
§12 (疼痛緩和)半導体レーザー治療器
市場概要
市場動向:2022年度は前年比3台プラス143台、2023年度はプラス実績の171台
ESWT/RSWT市場:RSWTは2022年度55台、2023年度58台見込み
§13 (直線偏光)近赤外線治療装置
市場概要
市場動向:2022年度516台、2023年度560台見込み
参考資料:神経ブロック用高周波熱凝固装置は
アボットメディカルジャパン(旧:セント・ジュード・メディカル)とトップが参入。
アボットメディカルジャパンのみで年間50台前後で推移
§14 あざとり・美顔用レーザー装置
市場概要
市場動向:022年度トータル台数は前年比29台増の757台、
2023年度は747台見込み、Picoレーザーは2022年度260台、2023年度263台見込み
紫外線治療装置:2022年度395台、2023年度ジェイメックが新機種投入し393台見込み
IPL、高周波・中周波装置市場:IPLは2022年度357台(2023年度:360台見込み)、
高周波/中周波は2022年度153台(同:151台見込み)
§15 美容整形外科関連注目製品
脱毛(Hair Removal)市場概要
市場動向:承認品の買替や脱毛施術者数増加等傾向続く。
2022年度は前年比29台増の914台、2023年度は890台見込み
IPL、高周波・中周波装置市場動向
§16 (経尿道的)結石破砕装置 TUL(TransUrethal Lithotripsy)
(経皮的)結石破砕装置 PNL(Percutaneous Nephro-Lithotripsy)
レーザー、空気衝撃波、EHL、USL、火薬
市場概要
市場規模:レーザーの2022年度は前年比12台減の101台、2023年度は111台の見込み。
トータルでは、2022年度は138台、2022年度は150台の見込み
企業別動向:Ho:YAGレーザーはプラス実績
§17 BPH治療製品 装置&VLAP用ファイバー 高温度治療 VLAP 高出力半導体
市場概要
市場動向:2022年度レーザー関連(Ho:YAG、KTPレーザー、
ダイオードレーザー、Tm:YAG)は30台増の75台、2023年度82台見込み
前立腺癌治療装置について
§18 E S W L
市場概要
市場動向:Ho:YAGレーザー等を使用したf-TUL治療とコロナ禍の影響が大きく
2022年度32台、2023年度34台の見込み
ESWT/RSWT市場:RSWTは2022年度の45台、2023年度50台見込み
§19 ハイパーサーミア(温熱療法加温装置)
市場概要
市場動向:山本ビニターの新機種(2019)、
新規参入(2017)の庄内クリエート工業の市場環境。2022年度6台、2023年度6台見込み
§20 I A B P装置 大動脈内バルーンポンプ
市場概要
市場動向:2022年度は174台、2023年度は175台見込み
§21 自己血回収装置・回収式自己血輸血装置
市場概要
市場動向:2022年度151台、2023年度155台見込み、
泉工医科工業から販売開始されたヘモネティクス製品が高シェアを維持、
Fresenius製品を展開するJMSは10台
参考資料:自己血輸血の消耗品市場
1.貯血式・希釈式における血液バック市場
2.術中回収式における自己血回収システム
3.術後回収式における自己血輸血(セット)市場
§22 コンティニアス・パッシブ・モーション
市場概要
市場動向:ほぼフラットな、2022年度:276台、2023年度:273台
§23 タニケットシステム
市場動向:2022年度は前年比フラットな417台、2023年度も同様に417台見込み
§24 骨電気刺激装置/超音波骨折治療器
市場概要
市場動向:2022年度はエム・イー・システムの撤退もあるが、
伊藤超短波の「オステオトロンⅤ」の認知の広がりと新機種により、
前年比15台増の816台、2022年度は5.9%アップの864台。
レンタル患者数は2022年度27,300人、2023年度30,000人見込み
§25 低周波治療器
市場概要
市場動向:2022年度は前年から続き新型コロナウイルス感染症の反動や
各社の営業努力がみのり315台増の12,355台。
2023年度も同様の傾向で824台増の13,179台見込み
干渉低周波治療器市場:
2022年度2,811台(構成比:22.8%)、2023年度は3,113台(同:23.6%)見込み
納入先台数:接骨院・鍼灸ルート・その他は前年比120台増の7,707台。
病院は1,600台強、一般診療所は2,900台強の市場
ベッド型マッサージ器市場動向:2022年度52台増の1,521台、2023年度1,759台見込み
参考資料:牽引装置市場
深部静脈瘤予防機器、浮腫治療器、家庭用エアーマッサージ機器(脚・腕装着用)
(医科向)空気圧式マッサージ器、家庭用エアーマッサージ器、
業務用エアーマッサージ器
市場概要
家庭用エアーマッサージ器市場:年間3,300台前後で推移
下肢静脈瘤について
§26 パワーインスツルメンツ
市場概要
市場規模:2022年度は前年比2.7%ダウンの123億60百万円、
2023年度は4.6%アップの129億32百万円見込み
科別動向:2022年度 整形外科領域は1.3%ダウンの82億78百万円
(2023年度:86億31百万円見込み)、
脳外科領域は5.8%ダウンの34億15百万円(同:36億6百万円)
企業別動向:ジンマー・バイオメット、日本ストライカーが高シェアは継続。
東機貿のAnspach:Synthes製品は安定軌道
参考資料:洗浄器市場、防護服市場
§27 ガンマナイフ
市場概要
市場動向:2022年度2システム、2023年度は新機種投入も2システムの見込み、
バージョンアップは年平均2~3システム
§28 定位脳手術装置 定位・高精度放射線治療システム
定位脳手術装置
市場動向:年間5台程度の市場形成
定位・高精度放射線治療システム(体幹部適用含む)
市場動向:22022年度80台/システム、2023年度94台/システム見込み、
うち高精度(定位)放射線治療装置
(体幹部兼用)は2022年度67台/システム、2023年度77台/システム見込み
粒子線治療(陽子線・重粒子線治療)
陽子線治療の概要と動向
重粒子線治療の概要と動向
粒子線治療の最新動向
§29 手術室用顕微鏡システム ナビゲーションシステム
手術室用顕微鏡システム
市場概要
市場規模:2022年度トータル市場は前年比48台増の510台、
手術用で(同)25台増の192台、処置/小型用で23台増の318台、
2023年度は20台減の490台見込み
企業別動向:カールツァイス「KINEVO 900」、
ライカマイクロシステムズ「ARveo/ ARveo8」の主力機種に、
オリンパスと三鷹光器がビデオ顕微鏡をラインナップ
歯科用顕微鏡市場:加圧根管充填処置(4根管又は樋状根)加算によるプラス傾向終了。
2022年度1,151syuusei 台、2023年度1,200台見込み
ナビゲーションシステム(Navigation)
市場動向:2022年度107システム、2023年度110システム見込み、
Robotic surgeryとのシステム化の可能性
§30 ネブライザー
市場概要
市場規模:2022年度トータル台数59,956台
(ジェット式:47,517台、超音波式:12,439台)、
2023年度65,529台見込み(ジェット式:52,947台、超音波式:12,582台)
企業別動向:ジェット式ではフクダコーリン、日本メディカルネクスト、
東京エム・アイ商会の上位に変化なし
§31 滅菌コンテナーシステム
市場動向:2022年度前年比2.6%アップの8,680システム、
2023年度は8,860システム見込み
プラズマ滅菌対応コンテナーシステム市場:
2022年度375システム、2023年度400システム見込み
§32 鋼製手術器具・器械(内視鏡下外科手術を除く)
市場概要
市場動向:2022年度は手術件数の戻りを背景に前年比6.1%アップの82億円。
2023年度は同様にプラス実績の83億62百万円見込み
PartⅢ 参入企業分析