2023年版 水素製造技術・部材市場の現状と将来展望

世界各国で水素戦略の策定が進むとともに、水素関連装置等の研究開発への投資やサプライチェーン実証事業、水素利活用への支援が加速している。特に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略を契機に世界のエネルギー情勢は一変し、「エネルギーとしての水素利用」が一気に現実味を帯びた。
こうした環境下、日本では2023年6月に水素基本戦略が改定された。水素製造技術の領域においては、国内外の日本関連企業が2030 年までに15GW 程度の水電解装置を導入するとの目標が設定された。さらに、水素の産業競争力強化に向けた「水素産業戦略」が新たに盛り込まれ、水電解装置及び部素材の製造能力増強についても支援を検討していくことが示された。本戦略のもと、官民の資金投下がこれまで以上に勢いを増していくものと予想される。
一方、海外では大規模水素製造プラントの建設計画の発表が相次ぐ。拡大する水素需要を見据え、海外の水電解装置メーカーはGWクラスの生産体制を整備しつつある。なかでも、中国企業はコスト競争力を武器に市場を席巻した太陽電池に続き、水電解装置においても覇権を握るべく設備投資を活発化させている。また、メタン熱分解技術においては、欧米勢を中心に商業プラントを順次稼働させていく計画がある。
今後、水素製造を巡る主導権争いが欧米日中間で本格化してくるであろう。日本では、2025年にも水電解装置の商業運転が始まるが、先行する海外企業に「技術で勝ちビジネスでも勝つ」ためには経済合理性の追求による早期の産業化が必須になると考えられる。
本調査レポートでは、水素製造技術に係る研究機関・企業の研究成果や研究開発のトレンド、実用化に向けた課題を分析するとともに、2040年までの市場を展望する。

発刊日
2023/10/18
体裁
A4 / 163頁
資料コード
C65114200
PDFサイズ
16.6MB
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調査資料詳細データ

調査概要
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調査目的:本調査レポートでは、水素製造技術に係る研究機関・企業の研究成果や研究開発のトレンド、社会実装に向けた課題を分析する。加えて、海外企業における水素製造技術の商業化の動向を整理し、2040年までの市場を展望する。
調査対象
・水素製造技術:水電解(アルカリ型、PEM 型、AEM 型、SOEC 型)、メタン熱分解、人工光合成
・市場規模は各種水素製造技術により生成される水素を対象に算出
調査方法:弊社専門調査員による直接面接取材および文献による調査
調査・分析期間:2023年5月1日~2023年10月10日
※第2章「人工光合成の研究開発動向」は、弊社資料「2022年版人工光合成市場の現状と将来展望」(2022年9月30日発刊)より抜粋 

調査結果サマリー
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水素製造技術・部材の世界市場に関する調査を実施(2023年)
低炭素水素の世界生産量、2040年に1億4,800万トンと予測
~世界各国で水素戦略の策定・関連法規の整備が進展~

資料ポイント
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  • 日、欧、米、中における水素製造技術市場動向を徹底調査
  • グローバルでの低炭素水素の生産量を予測(2022年実績、2030年予測、2035年予測、2040年予測・重量)
  • エリア別、方式別における水電解装置の生産能力推移を予測(2023年~2030年)
  • エリア別、方式別における水電解装置の導入容量推移を予測(2023年~2030年)
  • 水電解に取り組む主要企業動向を掲載
  • メタン熱分解技術の商業化を進める主な海外企業動向を掲載
  • 日、欧、米におけるメタン熱分解技術の研究開発プロジェクトを掲載
  • 日、欧、米、中における人工光合成関連の研究開発プロジェクトを掲載
  • 日本における水素製造装置・部材メーカー及び研究機関の動向を掲載

リサーチ内容

調査結果のポイント

第1章 水素製造技術の将来展望

世界各国で水素戦略の策定・関連法規の整備が進展
日本では水素製造関連企業へのインセンティブ強化が求められる
(表)日本、欧州、米国、中国における水素製造技術に係る主要政策
原料~部材~電解槽のサプライチェーンを通じた経済合理性の追求が
水素製造の産業化と競争力向上を実現する

第2章 水素製造技術の現状

1. 世界の水素関連政策
  (1)日本における水素関連政策
  (2)欧州における水素関連政策
  (3)ドイツにおける水素関連政策
  (4)米国における水素関連政策
  (5)中国における水素関連政策
2. 低炭素水素の生産量予測
  低炭素水素の世界生産量は2040年に1億4,800万トンへ拡大
  (表)CO2排出ネットゼロの実現に向けた「水素」のマイルストーン
  (図・表)低炭素水素の生産量予測
  (2022年実績、2030年予測、2035年予測、2040年予測・重量)
3. 水電解技術の動向
  3-1. 水電解技術の概要
    (表)アルカリ型水電解装置の現状と目標値
    (表)PEM型水電解装置の現状と目標値
  3-2. 水電解技術別部材動向
    (1)アルカリ型水電解
    ①隔膜
    ②電極
    (2)PEM型水電解
    ①電解質膜
    ②アノード触媒
    ③カソード触媒
    (3)AEM型水電解
    ①電解質膜
    ②電極触媒
    (4)SOEC型水電解
    ①電解質
    ②電極
  3-3. 水電解エリア別動向
    (図・表)水電解装置エリア別生産能力推移(2023-2030年予測)
    (図・表)水電解装置方式別生産能力推移(2023-2030年予測)
    (図・表)水電解装置エリア別導入容量推移(2023-2030年予測)
    (図・表)水電解装置方式別導入容量推移(2023-2030年予測)
    (表)主要水電解装置メーカーの生産体制
    (1)欧州
    (2)北米
    (3)中国
    (4)その他
  3-4. 水電解に取り組む主要企業動向
    (1) Siemens Energy AG
    (表)Siemens Energy 主な再生エネルギー由来水素事業
    (2) Bloom Energy
    (3) John Cockerill
    (4) Cummins Inc.
    (表)Cummins 主な再生エネルギー由来水素事業
    (5) ITM Power plc
    (6) Nel Hydrogen
    (表)Nel Hydrogen 主な再生エネルギー由来水素事業
    (7) Sunfire GmbH
    (表)Sunfire 水素製造に関する主な取り組み
    (8) PERIC Hydrogen Technologies Co., Ltd
    (9) LONGi Hydrogen
    (10) Plug Power Inc.
    (11) McPhy Energy
    (12) Thyssenkrupp nucera
    (表)ティッセンクルップ 水素製造に関する主な取り組み
    (13) Topsoe A/s
    (14) Elogen
    (15) Ohmium International
    (16) HydrogenPro ASA
    (17) Enapter
4. メタン熱分解技術の研究開発動向
  4-1. メタン熱分解技術の概要
    (表)炭化水素原料を用いた主な水素製造技術
    金属系固体触媒や溶融触媒の研究開発が進展
    固体炭素の用途開発・高付加価値化の動きも活発化
    (表)メタン熱分解技術の主な類型
    (表)各種炭素材料の既存用途
  4-2. メタン熱分解技術の商業化を進める主な海外企業
    米国・Monolithが乗用車タイヤ向けにカーボンブラックの供給をスタート
    (表)メタン熱分解技術の商業化を進める主な海外企業
    (1) Hazer Group Ltd.
    (2) Monolith Materials, Inc.
    (3) Ekona Power Inc.
    (4) C-Zero Inc.
  4-3. メタン熱分解技術の研究開発プロジェクト
    (1)日本の研究開発プロジェクト
    Fe系やNi系触媒を用いたメタン熱分解技術の研究開発が活発化
    (表)NEDO「水素利用等先導研究開発事業/
    炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発」
    ①NEDO「水素利用等先導研究開発事業/
    炭化水素等を活用した二酸化炭素を排出しない水素製造技術開発」
    ②NEDO「水素社会構築技術開発事業」
    (2)米国の研究開発プロジェクト
    固体炭素の高付加価値化を目指したプロジェクトが相次ぎ立ち上がる
    ①OPEN+ Cohort3 Methane Pyrolysis
    (図)Methane Pyrolysis Cohortのフレームワーク
    ②Advanced Natural Gas Infrastructure Technology Development
    (3)欧州の研究開発プロジェクト
    BASFやKITが中心となるプロジェクトが進行
    ①FfPaG/ME2H2
    ②NECOC(Negative Carbon diOxide to Carbon)
    (図)海外におけるメタン熱分解技術の研究開発プロジェクト
5. 人工光合成技術の研究開発動向
  5-1. 人工光合成技術の概要
    (1)水分解反応
    (図)光触媒・光電気化学的水分解法の分類
    ①半導体光触媒
    (図)半導体粉末懸濁系(一段型)を用いた水分解の反応機構
    ②金属錯体・色素分子触媒
    (2)二酸化炭素還元反応
    ①半導体光触媒
    ②金属錯体・色素分子触媒
  5-2. 人工光合成関連の研究開発プロジェクト
    (1)日本の研究開発プロジェクト
    (表)日本における主な研究開発プロジェクトの概要
    ①経済産業省:二酸化炭素原料化基幹化学品製造プロセス技術開発
    (表)研究開発項目と実施内容概略
    ②経済産業省:アルコール類からの化学品製造技術の開発
    ③環境省:人工光合成技術を活用した二酸化炭素の資源化モデル事業
    ④文部科学省:戦略的創造研究推進事業
    ⑤文部科学省:科学研究費助成事業
    (2)米国の研究開発プロジェクト
    ①Joint Center for Artificial Photosynthesis(JCAP)
    (表)ローレンス・バークレー国立研究所の研究成果
    (表)Roundtable on Liquid Solar Fuelsにて創出された優先研究課題
    ②The Liquid Sunlight Alliance (LiSA)
    (表)LiSAの研究開発内容
    ③The Center for Hybrid Approaches in Solar Energy to Liquid Fuels (CHASE)
    (表)優先研究課題においてCHASEの推進する研究及び役割
    (3)欧州の研究開発プロジェクト
    ①European Research Council(ERC)
    ②Future and Emerging Technologies(FET)
    ③Marie Skłodowska-Curie Actions(MSCA)
    (4)中国の研究開発プロジェクト
    ①Unravelling of cocatalysts photodeposited selectively on 
    facets of BiVO4 to boost solar water splitting
    ②Water-Stable Nickel Metal-Organic Framework Nanobelts for
    Cocatalyst-Free Photocatalytic Water Splitting to Produce Hydrogen
    ③Tuning the gas-liquid-solid segmented flow for enhanced 
    heterogeneous photosynthesis of Azo- compounds
    ④Efficiency Accreditation and Testing Protocols for 
    Particulate Photocatalysts toward Solar Fuel Production

第3章 水素製造装置・部材メーカー及び研究機関の動向

旭化成株式会社
水素関連事業を次の成長を牽引する10のGrowth Gearsの一つに掲げ、
フロントランナーとしてアルカリ水電解装システムの事業化を推進
2020年代後半の顧客開拓状況等に応じて、数GW規模の「Aqualyzer™」生産能力増強を検討
NEDO GI基金事業では日揮HDと共同で100MW級水電解装置の実証を目指す
 
デノラ・ペルメレック株式会社
効率的で電力消費の少ない電極とパッケージの開発を
最も重要なR&Dプロジェクトとして推進
独自のDSE®/DSA®電極技術を展開・応用し、電気化学産業の発展に寄与
2024年を目途にグローバルでアルカリ水電解槽の販売開始を計画
 
株式会社日本触媒
大規模グリーン水素製造向けに
大型アルカリ水電解用セパレータの生産技術確立と製品化を目指す
アンモニア分解触媒やアルカリ水電解用セパレータの開発によりグリーン水素の普及を促進
独自の有機無機複合技術とシート成形技術によりアルカリ水電解用セパレータを開発
NEDO事業ではトクヤマと共同で世界に通用する
高圧型アルカリ水電解装置の研究開発に着手
 
日立造船株式会社
水素・Power to Gasを含めた脱炭素事業の創出・拡大により
2030年に900億円の新たな売上を創出
2030年に装置規模100MW、装置コスト6.5万円/kW、システム効率80%の実現を目指す
2000年の販売開始以来、HydroSpring®は約40基の納入実績を有する
日本や東南アジア市場におけるシェア獲得に注力
 
株式会社神鋼環境ソリューション
豊富な納入実績に基づく水素製造の知見を活かし
グリーン水素製造によるカーボンニュートラルの実現に貢献
水電解装置「HHOG」は1996年の製品化以降、幅広い分野に展開
市場ニーズの変化に合わせた装置開発により工業用プロセス用途で国内トップシェアを誇る
水素製造コストの低減や貴金属使用量の削減に加え
2000Nm3/h規模の大型水電解装置の開発を目指す
 
東芝エネルギーシステムズ株式会社
SOECとPEMの両軸で水素社会の実現に向けた研究開発を推進
2027年には5MW級のSOECパイロットスケール試験を計画
PEM電極では2020年代後半に従来の1/40程度となるIr使用量を目指す
 
東レ株式会社
独自の先端素材を水素バリューチェーン全体に展開し
2025年に600億円、2030年に3,000億円の売上収益の実現を目指す
シーメンス・エナジー、日立造船、YHCと共同開発を行う16MW級水電解装置を
2024年中にサントリー天然水南アルプス白州工場およびサントリー白州蒸留所に導入予定
2025年、東レ滋賀事業場で炭化水素系電解質膜の量産開始を予定
 
国立研究開発法人産業技術総合研究所
AEM水電解装置の開発は実用化フェーズに突入
AEM水電解装置の高効率化、耐久性評価、水素製造コスト評価を実施
 
株式会社デンソー
自動車部品開発で培ったセラミック技術や熱交換技術を活かし
高効率な水電解装置であるSOECの開発に取り組む
2020年代後半の量産化を目指し、SOECの開発を推進
システム、ホットモジュール、セルスタック3分野の開発に注力
2023年7月より広瀬製作所でSOECを用いたグリーン水素製造を開始
 
国立高等専門学校機構旭川工業高等専門学校
カーボンニュートラル社会実現への貢献に向け
マイクロ波加熱を利用したメタン直接分解反応の研究を推進
高活性・高選択性・高耐久性の触媒を独自に開発
副生物のNi-CNOは高付加価値用途への応用を目指す
2030年頃の社会実装開始を目標に掲げ、産学連携による共同研究を加速させる
 
千代田化工建設株式会社
水素の地産地消モデル実現と地域での水素利活用促進を目指し
メタン熱分解技術の商業化に取り組む
水素や低炭素・カーボンリサイクルなど新規分野での価値創出による
事業ポートフォリオの革新を加速
2023年4月に豪Hazer、中部電力とHAZERプロセスの開発計画に係るMOUを締結
中部圏で年間10万トンの水素供給体制の構築を計画
 
戸田工業株式会社
カーボンニュートラル実現に向け
メタン直接改質法の早期社会実装を目指す
2023年8月に温泉付随天然ガスを原料とした
北海道での地産地消型水素サプライチェーンの構築に着手
2028年以降に多層CNT換算で500t/年規模の商用プラントの稼働を計画

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