2011年版 モータ市場の現状と将来展望~小型、車載、産業用、永久磁石~
小型モータ市場は再び成長基調にあるものの、対象アプリケーションの市場変化や価格競争の激化等により収益面の改善が急務になっています。プレイヤーには短期及び中長期な視点で次なる一手を仕掛ける必要があると見られます。車載用モータ市場では従来のメカ・油圧システムの電動化トレンド、次世代自動車(ハイブリッド車・電気自動車)の普及を受け、モータ需要が拡大傾向にあります。電動化しないと後がない既存サプライヤー、トレンドに乗じて自動車産業への参入を目論む電気メーカーなど市場は転換期を迎えていると見られます。産業用モータ市場は各国で進む高効率規制への対応、新興国における生産設備需要の取り込みが今後の課題だと見られます。
本調査レポートは矢野経済研究所で2011年に発刊致しましたモータ関連の市場調査レポート「2011年版小型モータ市場の現状と将来展望」、「車載モータ市場の最新動向と将来展望 2011」のダイジェストに、「産業用モータ市場」、「モータ用永久磁石市場」の最新動向を加えた形でモータ市場全般の動向を1冊にまとめた市場調査レポートです。
※紙媒体で資料をご利用される場合は、書籍版とのセット購入をご検討ください。書籍版が無い【PDF商品のみ】取り扱いの調査資料もございますので、何卒ご了承ください。
調査資料詳細データ
調査目的:各種モータ(小型モータ、産業用モータ、車載モータ)についての現状の市場動向を明らかにするとともに、開発動向等を踏まえ、今後の市場展望を俯瞰する。
調査方法:直接面接取材をベースに、文献調査を併用。
調査期間:
車載モータ市場:2010年12月~2011年4月
小型モータ市場:2011年5月~2011年9月
産業用モータ市場:2011年11月~2011年12月
モータ用磁石市場:2010年12月~2011年4月
■本資料のポイント
- 2011年発刊のモータ関連の市場調査レポート「2011年版小型モータ市場の現状と将来展望」、「車載モータ市場の最新動向と将来展望 2011」のダイジェストに、「産業用モータ市場」、「モータ用永久磁石市場」の最新動向を加える形でモータ市場全般の動向を1冊にまとめた市場調査レポート
- 小型モータ全体市場規模(2008年度~2013年度予測、数量ベース)を算出
- 小型モータ種別市場規模(2008年度~2013年度予測、数量ベース)を算出
- 車載モータの市場規模(2010年~2016年、数量ベース)を算出
- 産業用モータの市場規模(2008年度~2013年度予測、数量ベース)を算出
- 各種モータにおける主要プレイヤーの動向を掲載
- モータ用永久磁石の最新市場動向を掲載
■本資料の概要
第1章:小型モータ市場の現状と将来展望
第2章:車載モータ市場の現状と将来展望
第3章:産業用モータ市場の現状と将来展望
特別調査:モータ用磁石市場の現状と動向
■掲載内容
第1章:小型モータ市場の現状と将来展望
市場は再び成長軌道に乗り始めるも収益面の改善が課題
(表)小型モータ 世界主要メーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(図)小型モータ 世界主要メーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
求められるは5年後のグローバルを見据えた次なる一手
1.ブラシ付きDCモータ(コアード)
2011年度では2008年度を上回る出荷数量の見込み
(表)(図)ブラシ付DCモータ(コアード)世界主要モータメーカー市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)ブラシ付DCモータ(コアード) 需要分野別内訳推移
(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)ブラシ付DCモータ(コアード) 需要分野別内訳推移
(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
マブチモーターとJohnson Electricのトップグループ変わらず、2社で市場の5割を占める
(図)(表)ブラシ付きDCモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
2.ブラシ付きDCモータ(コアレス)
2011年度は2008年度を上回る出荷数量となる見込み
(表)(図)ブラシ付きDCモータ(コアレス)世界主要モータメーカー 市場規模推移
(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)ブラシ付きDCモータ(コアード) 需要分野別内訳推移
(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)ブラシ付きDCモータ(コアード) 需要分野別内訳推移
(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
maxon motorがトップシェア、キヤノンプレシジョンが続く
(図)(表)コアレスモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
3.振動モータ
携帯電話市場の回復、
スマートフォン人気に牽引され2010年度は2008年度を上回る出荷数量に
(表)振動モータ 世界主要メーカー取扱いモータタイプ一覧
(表)振動モータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(表)(図)振動モータ 世界主要モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(図)振動モータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
日本電産グループ世界シェアは5割に迫る勢い
(図)(表)振動モータ 主要メーカーシェア(2010年度)
4.ブラシレスDCモータ
今後は家電及び自動車向けでの需要拡大が期待
(表)(図)ブラシレスDCモータ 世界主要モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)ブラスレスDCモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)ブラスレスDCモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
HDDスピンドルモータで圧倒的シェアを有する日本電産が不動のトップ
今後は家電及び自動車での展開が焦点に
(図)(表) ブラシレスDCモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
5.ステッピングモータ
2010年度はODD、DSCに加え、中国中心とするエアコン向けで市場が拡大
2011年度以降はODDの成長鈍化により堅調な推移へ
(表)(図)PM型ステッピングモータ 世界モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)PMステッピングモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)PMステッピングモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
日本電産サンキョーがトップ、コストメリット強化のためにも数量拡大を推進
(図)(表)PM型ステッピングモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
HB型ステッピングモータでは従来のOA機器に加え、産業機器向けを牽引役に
2010年度、2011年度は2008年度越えの出荷数量で推移する見込み
(表)(図)HB型ステッピングモータ 世界主要モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)HB型ステッピングモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)HB型ステッピングモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
2010年度トップシェアはシナノケンシ、ミネベアが続く
海外プレイヤーにはSHANGHAI MOOS’、常州欧凱電器など
(図)(表)HB型ステッピングモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
6.DC軸流ファン
搭載製品市場は成長鈍化するもDC軸流ファンは2011年度以降も堅調に推移
(表)(図)DC軸流ファンモータ 世界主要モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)DC軸流ファンモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)DC軸流ファンモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
SUNONがトップシェアを維持、台湾勢が上位を占める
(図)(表)DC軸流ファンモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
7.ACインダクションモータ
長期的にはブラシレスDCモータへの切り替え進展が予想されるも
価格面から当面は安定推移の見込み
(表)(図)ACインダクションモータ 世界主要モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年実績~2013年度予測)
(表)ACインダクションモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(図)ACインダクションモータ 需要分野別内訳推移(世界主要メーカー 数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
家電向けでは中国モータメーカーを中心に海外勢が圧倒的存在感を示す
日系メーカーはブラシレスDCでの展開に注力、産業分野への提案シフトの動きも
(図)(表)ACインダクションモータ 主要メーカーシェア(2010年度)
マブチモーター株式会社
市場変化を見据えた新たな2つの成長軸の確立が進む
2012年には2箇所目となる中国内需向け生産拠点が稼動予定
自動車電装への更なる注力で生産拠点の再編を推進
材料の品質に依存しない設計力、製造工程構築のノウハウに強み
今後の中国内需向けで顧客との接点を強化すべく技術サービス体制の充実を図る
2010年度は前年度比118.3%で推移、2011年度は2008年度に迫る出荷量へ
存在感を増す自動車電装用モータでは引き続きPW、PS用に注力
PW用では次世代製品投入によるラインナップ強化で世界シェア20%獲得を目指す
光学・精密分野、家電・工具・玩具分野では主力アプリケーション向けが堅調
コスト競争が厳しさを増す製品については収益性の確保を重視
maxon motor AG/マクソンジャパン株式会社
戦略分野は「医療」、「環境関連」、「サービスロボット」
少量多品種、高い信頼性を実現する開発・生産体制に強み
高性能と低コストを兼ね備える「maxシリーズ」が好調
新製品では幅広い環境温度に対応する「EC 22 HD」を2010年9月にリリース
独自のMIM/CIMテクノロジーが低コスト化と高い信頼性実現に寄与
制御回路部でカスタム対応案件が増加、今後更なる技術開発の推進で差別化を図る
堅調な医療機器需要を土台に、環境関連機器への注力で2010年度以降も安定成長の見込み
日本電産セイミツ株式会社
グループ内の最大限のシナジーで、更なる事業拡大を目指す
振動モータでは端末毎に異なるニーズを実現してきたノウハウ蓄積に強み
中国をメインとする既存4拠点に新拠点が加わり、生産拠点は計8拠点の予定
振動モータ、ブラシレスDCモータの牽引により、2010年度の出荷数量全体は前年度比123.6%
搭載端末に合わせた最適設計で顧客のニーズを満たす振動モータを提案
表面実装対応のコインタイプ製品も年内の量産開始を目標に開発が進む
ブラシレスDC、PM型ステッピング、ブラシ付きDCではODD関連向けに注力
日本電産サンキョー株式会社
小径PMステッピングモータの強みを活かし、新規用途開拓を推進
PMステッピングモータは中国及びベトナムを主体に稼動、今後の増強はベトナムが有力
ODD向けはBlu-rayプレイヤーでの需要増に期待
デジカメでは多極化対応に向けて研究開発を推進
シナノケンシ株式会社
製品開発、生産体制、組織編制の三方向から次なる一手が進む
「Plexmotion」の展開で新規需要分野へのアプローチを推進
2010年度より中国の新生産拠点が稼動を開始
2010年度は2008年度を上回る出荷実績、OA機器関連、家電住設に加え自動車電装も伸長
SunonWealth Electric Machine Industry Co.,Ltd(サンオン株式会社)
放熱ソリューションの領域拡大で更なる事業成長を図る
ファン製品のラインナップ充実と放熱モジュールの提案で競合他社との差別化を推進
世界最小、超薄型、最低消費電力のMighty Mini Fanをモバイル機器向けに提案
2011年第3四半期より中国新工場が稼動予定
研究開発計画では省エネ等をキーワードに幅広い需要分野向けに製品開発を推進
2011年度DCファンの出荷数量は前年度比120.0%の見込み
売上ベースでは放熱モジュールが牽引役に
パナソニック株式会社
家電用モータのブラシレス化を推進
セット側により近い視点でモータに対する要求特性を把握
長期的には対象領域の更なる拡大も視野に
ブラシレスDCモータの採用拡大に向け、中国生産拠点で体制を強化
自社の強みを打出し中国のローカルモータメーカーに対し競争軸の引き上げで差別化を図る
洗濯機用モータでは出力密度と最大回転数を1.5倍に高めた「デュアル・ロータ」方式を提案
モータ種別では7割以上を占めるブラシレスDCモータの比率が上昇傾向
需要分野別ではACインダクションモータ共に空調分野向けが高い割合を占める
オリエンタルモーター株式会社
「1/1,000の思想」のモノづくりで多様な顧客ニーズに対応
フレキシブルに対応可能な一貫生産体制に強み、省エネ対応製品では市場ニーズに先行
クローズドループ制御を採用したαステップでサーボモータ同様の信頼性を実現
新拠点が2012年5月に稼動予定、オートメーション化の推進で生産効率の更なる向上を図る
産業機器向けステッピングモータが牽引役、2011年度は前年度を上回る出荷数量となる見込み
第2章:車載モータ市場の現状と将来展望
1.車載モータ市場概況
車載システムの電動化、新興国の自動車需要の拡大を背景に車載モータ市場は大きく伸長
(表)(図)車載モータの世界市場規模予測(数量ベース、2010年~2016年予測)
パワトレ・シャシ・次世代車システム領域の電動化が進む先進国市場
対する新興国市場ではボディ領域のモータ需要が高まる
(図)車載モータ市場の拡大要因
(図)各国における現状の燃費規制と今後の可能性
快適/利便性向上システムが上級車から普及する時代は終焉を迎える
燃費向上を目的とした電動化が、すべての車格において進む時代に
(表)モータ使用システム一覧と搭載動向
(表)各電動システムのモータタイプと使用磁石
モータの小型軽量化を狙った高性能磁石の採用事例が増える
次世代車では高電圧を利用した電動システムに、家電メーカーが参入開始
(図)車載モータへの要求・課題と取り組み事例
小出力・安価なボディ領域を得意とするマブチモーター
走る・曲がる・止まるの領域は電装メーカーが握り、モータメーカーとは明確に棲み分け
(表)(図)車載モータのメーカーシェア(数量ベース、2010年)
2.システム領域別動向
次世代車システム領域を含むトータル規模は2016年で2010年比1.65倍
今後もボディシステム領域がボリュームゾーンに
(表)(図)システム領域別車載モータの世界需要予測(2010年~2016年予測)
2-1.パワートレイン領域
燃費向上技術の採用により、メカ&油圧から電動へのシフトが加速
(表)パワートレイン領域におけるモータ搭載動向(地域別)
(表)(図)パワートレイン領域における車載モータ需要予測(地域別、2010~2016年予測)
2-2.シャシ領域
北米、新興国市場での採用率向上で大きく伸長するEPS
(表)シャシ領域におけるモータ搭載動向(地域別)
(表)(図)シャシ領域における車載モータ需要予測(地域別、2010~2016年予測)
2-3.ボディ領域
新興国市場、自動車生産増&電装品装備の拡充がモータ需要を押し上げる
(表)ボディ領域におけるモータ搭載動向(地域別)
(表)(図)ボディ領域における車載モータ需要予測(地域別、2010~2016年予測)
3.次世代自動車(HEV/EV)システム領域
2010年からの6年間で4.2倍に急拡大、2016年には2,175万個の市場に
次世代自動車世界市場は2016年に370万台の市場、当面はHEVが主軸
(表)(図)次世代車(HEV/EV)生産台数予測(ワールドワイド、2010~2016年予測)
次世代自動車ではエンジン車両と比較し、2~9個のモータ搭載個数が増加
(表)次世代車システム領域におけるモータ使用搭載状況
年平均成長率26.2%で急拡大する次世代自動車システム領域モータ需要
走行系高出力化に伴う冷却強化で電動ウォータポンプの需要が大きく拡大
(表)(図)次世代車システム領域における車載モータ需要予測(2010~2016年予測)
3-1.次世代自動車主機モータ
永久磁石式同期モータを前提に開発を進める日系メーカー、
レアアースの価格高騰・調達リスクが課題
(表)主な主機モータの仕様例
(表)主機モータの方式比較
小型、低コスト化に向け、小容量モータでは集中巻きの採用が増加
大容量モータでは冷却技術が重要に
(図)モータジェネレータへの要求と技術アイテム
(表)主機モータの構成要素と技術課題
2016年の主機モータ市場は2010年比で約3倍に拡大
(表)(図)主機モータの市場規模推移(数量・金額ベース、2010~2016年予測)
単独で開発から生産まで手がける日系自動車メーカー、
GM/Fordでは日系電機メーカーから採用、欧州では地場システムメーカーが強みを発揮
(表)主機モータの納入マトリクス(2010年)
2010年はトヨタがシェア拡大、8割を超えるマーケットリーダーに
日系6社合算シェアは世界市場の97.7%、圧倒的な市場ポジションを形成
(表)(図)主機モータのメーカーシェア(2009年・2010年、数量ベース)
(表)主要HEV/EVの主機モータ一覧
3-2.電動コンプレッサ
主電源電圧の利用、スクロール式、機電一体が一般的となり、差別化は一段と難しく
(図)カーエアコンシステムの構築(エンジン車・HEV)
(図)電動コンプレッサシステム概要
(表)主な電動コンプレッサの仕様
HEVでは弱い補助熱源との併載が有望に
EVでは強い補助熱源との併載やヒートポンプシステムの適用も視野に開発進む
(表)次世代の空調・熱マネジメントシステム(該当車両と搭載モータ数量)
(表)EVの暖房方式と比較
(表)水加熱ヒーターの加熱方式の比較
車両価格低減のために搭載を見送っていたメーカーでも全面搭載の可能性が高まる
(表)(図)電動コンプレッサの市場規模予測(2010~2016年予測、数量・金額ベース)
日系メーカーが席巻する電動コンプレッサ市場、2010年はパナソニックが新たに参入
(表)主な電動コンプレッサの納入マトリクス(2010年)
(図)(表)電動コンプレッサのメーカーシェア(2010年)
株式会社豊田自動織機/株式会社デンソー
幅広いラインナップをもつ、電動コンプレッサのリーディングカンパニー
トヨタ車のみならずBMW、Daimler、VW、Porscheに採用を広げる
分布巻き(波巻き)の採用でコイルエンドをコンパクトに
三菱重工業株式会社
得意の家電技術を車載に展開、北米メーカーに高い実績
電気温水ヒーターとともに三菱自動車「i-MiEV」に搭載
既存製品の小型・軽量化に加え、ヒートポンプシステムの開発も進める
サンデン株式会社
歴史の長い電動コンプレッサ事業―1990年代にも供給開始
ホンダ「シビックハイブリッド」に、ハイブリッドタイプのコンプレッサを供給
2009年にはDaimler「S400 HYBRID」に電動コンプレッサを供給開始
ヒートポンプの活用を目指すとともに、排熱回収技術の深耕にも注力
3-3.電動ウォータポンプ(EWP)
HEV/EVの熱マネジメントニーズにより用途広がる電動ウォータポンプ
(表)電動ウォーターポンプの用途と搭載数量
(表)GM「Chevrolet Volt」の熱マネジメントシステムと使用ポンプ
3-3-1.エンジン冷却用EWP
(図)電動ウォーターポンプCWA200のカットモデル(独Pierburg)
3-3-2.暖房用EWP
(図)暖房用電動ウォーターポンプの搭載例
3-3-3.ターボ冷却用EWP・EGR冷却用EWP
(図)水冷インタークーラー付き過給システム(EWP装着イメージ)
3-3-4.インバータ・モータ冷却用EWP
(図)HVクーリングシステム(トヨタ自動車)
3-3-5.バッテリー温度管理用EWP
(図)バッテリー温度管理システム(GM「Chevrolet Volt」)
低コスト化に向け、各用途でブラシレス化を進め量産効果を狙う
(表)電動ウォーターポンプの用途別出力・流量とモータタイプ
(図)電動ウォーターポンプの開発方向性
HEV/EV、アイドルストップ、ターボ、EGRなど燃費向上技術の搭載を背景に需要が急拡大
(表)(図)電動ウォーターポンプの市場規模予測(2010~2016年予測、数量・金額ベース)
エンジン車両に強い欧州勢、次世代車では日本勢も積極展開
(表)電動ウォーターポンプの納入マトリクス(2010年)
(表)(図)電動ウォーターポンプのメーカーシェア(2010年、用途別)
アイシン精機株式会社
次世代車向けEWPのマーケットリーダー
国内初のエンジン冷却用がプリウスに採用
アスモ株式会社/株式会社デンソー
デンソーのエアコンシステムに空調(暖房)用EWPを納入
Bosch
欧州市場のエンジン車両向け(暖房用・ターボ/EGR冷却用)で年間300万個を供給
Pierburg Pump Technology GmbH
欧州エンジン車両向けで高い実績、
エンジン冷却用EWPではBMWとの共同研究で世界初の採用につなぐ
3-4.電動オイルポンプ(EOP)
ISSやHEVのT/Mでの需要増、HEVでは油圧の確保に加えモータ冷却の役割も
(表)電動オイルポンプの搭載目的と搭載される車両
3-4-1.アイドルストップ車T/M油圧保持・潤滑用
3-4-2.ハイブリッド車T/M潤滑・油圧確保・冷却(モータ冷却)
(図)ハイブリッド車における電動オイルポンプの制御例
ISS向けでは付加機能がトレンドとなる一方、EOPレス化の動きも
(図)アイドルストップ車T/M油圧制御用EOPの開発方向性
HEV向け、ISS向けともに大きく数量を伸ばすが、低価格化要求も厳しさを増す
(表)(図)電動オイルポンプの市場規模予測(2010~2016年予測、数量・金額ベース)
日系メーカーが席巻するEOP市場、油圧ポンプ/システムメーカーの電動化戦略の成果が現出
(表)電動オイルポンプの納入マトリクス(2010年)
アイシン精機がHEV向け、ISS向けともにシェアトップ
HEV向けではBoschも供給実績を増加
(表)(図)電動オイルポンプのメーカーシェア(2010年、用途別)
アイシン精機株式会社
自社グループ企業がT/Mメーカーである強みを最大限に発揮
EOPの開発・量産で他社を引き離す
株式会社ジェイテクト
ブラシレスモータタイプ電動オイルポンプを先駆けて開発
電動オイルポンプを含む電動システムの開発・技術創出の強化へ
日立オートモーティブシステムズ株式会社
2010年にHEV向けEOPで参入開始、フーガハイブリッドに採用
ISS向けもラインナップに掲げ、新たな採用を狙う
3-5.電動バキュームポンプ(EVP)
真空倍力装置における負圧供給を担う電動バキュームポンプ
内燃機関の高効率化やHEV/EVの増加で需要が急拡大
(表)電動バキュームポンプの搭載目的と搭載車両
(表)次世代自動車のブレーキ倍力装置のEVP搭載状況
次世代車向けはメインの負圧発生源となるため、高容量・高耐久性が求められる
(表)電動バキュームポンプのポンプ・モータの概要
エンジン車両向け負圧補助EVPが大半となるも、HEV/EV向けEVPも高い成長率
(表)(図)電動バキュームポンプの市場規模予測(2010~2016年予測、数量・金額ベース)
主なプレーヤーは3社、欧州勢の寡占状態
(表)電動バキュームポンプの納入マトリクス(2010年)
(図)(表)電動バキュームポンプのメーカーシェア(2010年)
(図)(表)電動バキュームポンプのメーカーシェア(2010年、次世代搭載分)
Hella
エンジン車両向けを中心に年産240万個の圧倒的なトップシェア構築
HEV/EV向けラインナップを強化し、採用拡大を図る
Continental Automotive
EVP生産量の1割強が次世代車向け
自社の回生協調ブレーキとの組み合わせで次世代車向け提案を強化
株式会社ミクニ
日本唯一のEVPメーカー、三菱自動車「i-MiEV」に採用
Pierburg Pump Technologyとの業務提携で車載ポンプ事業の強化へ
第3章:産業用モータ市場の現状と将来展望
1.サーボモータ/リニアモータ
東日本大震災、欧州危機、中国の金融引き締め等を要因に2011年度は前年度並みに留まる
2012年度以降は装置需要の増加を受け再び成長基調へ
(表)(図)サーボモータ/日系モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)(図)リニアモータ/日系モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)(図)サーボモータ 需要分野別内訳推移(数量ベース 2010年度~2011年度見込)
(表)(図)リニアモータ 需要分野別内訳推移(数量ベース 2010年度~2011年度見込)
先進国向けのシェアアップが拡大する新興国市場の攻略に繋がる
ファナック、安川電機の優位なポジション変わらず
(表)(図)サーボモータ 日系メーカーシェア(2010年度-2011年度見込)
(表)(図)リニアモータ 日系メーカーシェア(2010年度-2011年度見込)
2.高効率モータ(高効率インダクションモータ/IPMモータ)
省エネルギー規制等を追い風に2010年度以降、市場は堅調に推移
本格的な市場拡大は国内の効率規制が実施される2015年前後に
(表)(図)高効率インダクションモータ/日系モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)(図)IPMモータ/日系モータメーカー 市場規模推移(数量:2008年度実績~2013年度予測)
(表)(図)高効率インダクションモータ 需要分野別内訳推移(数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
(表)(図)IPMモータ 需要分野別内訳推移(数量ベース 2010年度~2011年度見込み)
海外で先行する効率規制、国内ではIE3基準の規制が2012年公布、2015年に導入の予定
(表)産業用モータに関する各国・地域の規制動向(2010年以降)
モータメーカーによって異なる高効率品の製品戦略
セットメーカーの販売拡大をサポートする取組みが高効率品の採用拡大に繋がる
メーカーシェアに大きな変動は見られず
長期的には高効率モータへの注力姿勢の違いで各社のポジションに変化の可能性
(表)(図)高効率インダクションモータ 日系メーカーシェア(数量ベース 2010年度-2011年度見込)
(表)(図)IPMモータ 日系メーカーシェア(数量ベース 2010年度-2011年度見込)
(表)産業用モータメーカー各社 高効率モータ 取組み状況
三菱電機株式会社
充実したシステム及びプロダクトラインで、エンドユーザーへのサポート強化
サーボシステムでは上位ネットワークを含めたワンパッケージ提案に強み
サーボシステム「J4シリーズ」を新たに発表
更なる高速・高精度スペックで搭載装置の高付加価値化に貢献
高効率インダクションモータでは国内で先行して中国規制GB2級の認証を取得
中国のFA機器需要向けに2012年末に江蘇省にて新工場が稼動予定
2010年度は2008年度を超える出荷数量となるも、2011年度は全体で出荷減の見込み
サーボモータでは海外メーカー向け比率が高まる傾向
海外の効率規制に対するユーザーの関心度の高まりから高効率品の比率が上昇
株式会社安川電機
モーションへの特化で顧客が求める付加価値の実現をサポート
世界を見据え中国拠点の拡充を推進
「Σ-Ⅴシリーズ」には小型・小容量タイプに加え、大容量タイプ品を追加の予定
リニアモータでは市場動向ならびに顧客ニーズを確認の上、最適提案を推進
中国・瀋陽にて2012年度を目処にサーボモータ10万台/月まで増強の計画
中国内需ならびにその他海外エリアへの供給強化を図る
サーボモータの主要需要分野はロボット、半導体、電子部品、液晶パネル製造装置
2010年度は景気回復を要因に2008年度比約2倍の出荷数量
リニアモータは電子部品実装機向けの出荷急増で2009年度に前年度比2倍
株式会社日立産機システム
高効率インダクションとPMモータの両輪で環境・省エネニーズに対応
日米の効率規制に対応するザ・モートルNeo「SuperPowerシリーズ」
PMモータではポンプや圧縮機のエネルギー削減に貢献
震災復旧需要などを要因に2011年度は全体で前年度比130%台へ
効率規制を受け、海外メーカー向けの出荷比率が上昇傾向
東芝産業機器システム株式会社
高効率インダクションを軸に海外規制対応で先行
高効率インダクションモータで海外7カ国の見積りに対応
ベトナム生産拠点は今後、世界の高効率ニーズに対応するメイン拠点に
2015年度には年間120万台の出荷を計画
2010年度以降、各モータは前年度を上回る推移
2015年度までに中国市場向け出荷を約5倍にまで高める
富士電機株式会社
同期モータを主軸に高効率ニーズへの対応を推進
「エネルギー・環境」事業への注力、2011年4月に富士電機システムズを吸収合併
IE3、IE4に対応する同期モータ(IPMモータ)のラインナップを充実
2010年度、出荷数量は回復傾向
2012年度以降はIPMモータの出荷比率が高まると予測
特別調査:モータ用磁石市場の現状と動向
省Dy化や脱Dy化、Nd系磁石代替となる新たな磁性材料開発が進む
(表)モータ用磁石概要
2011年における国内ネオジム焼結磁石市場規模は1.1万t、今後も市場成長がほぼ確実
(表)(図)ネオジム焼結磁石市場推移
(図)ネオジム磁石のサプライチェーン(2010年)
車載主機モータ用ネオジム磁石市場規模は2014年には2,500t超に拡大
(表)(図)車載主機モータ用ネオジム焼結磁石市場推移
(表)(図)車載主機モータ用ネオジム磁石 メーカー別市場シェア(2010年)
(表)各種ホームアプライアンスにおける永久磁石使用状況
省Dy化では粒界拡散法や結晶粒径の微細化を中心に開発が進む
(表)モータ及び磁石に関する研究・開発事例
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