2012年版 ラベルサプライ市場の展望と戦略
ラベル市場ではプリンターを用いた印字(サーマル、熱転写、インクジェット、電子写真)による表示方法が増加傾向にある。このような市場環境の影響を受けるラベルサプライとしてインクリボン、粘着ラベル、剥離紙を取り上げ、それぞれの需要分野別、基材別(紙、フィルム)、タイプ別(ワックス系、セミレジン系、レジン系)の市場規模推移とメーカー各社の動向をまとめた。さらに、粘着ラベルにおいては表示方法別(印刷、印字)の市場動向を明らかにすることで、印刷から印字への市場トレンドが確かなものかを検証した。
調査資料詳細データ
■本資料のポイント
- 未開拓領域の攻略が成長の原動力へ
- 個別対応により顧客リレーションを強化し「削れる品質」「削る技術」の追求で新たな需要を取り込む
- 熱転写リボン:溶融型ではワックス系を中心にグローバル競争が激しさを増す
参入メーカーはワックスレジン系、レジン系の開発により競争力を強化
フォトプリントのウェットからドライへのシフトにより
昇華型熱転写リボン市場は順調に拡大 - 粘着ラベル:エンドユーザーの海外進出の加速化でグローバルプライスが浸透へ
サーマルラベルが伸長、王子タック、OSP、リコーの三つ巴の戦いが続く
フィルム基材ではリンテックがリード、エイブリィはPP ベース品で市場を開拓 - 剥離紙:市場成熟、ラベルメーカーの内製化進展
剥離剤の無溶剤化ニーズも一段落、差別化が困難な状況に
コンバーターとしての開発・提案力で細かい要望にいかに応えていくかがカギ
■本資料の概要
第1章:ラベルサプライ市場の展望
第2章:ラベルサプライ市場の動向
第3章:ラベルサプライ・プリンタメーカーの動向と戦略
■掲載内容
第1章:ラベルサプライ市場の展望
既存需要の囲い込みには個別対応による顧客リレーションの強化が不可欠
(表)ラベルサプライ 市場規模推移
「削れる品質」「削る技術」の追求で新たな需要を取り込む
第2章:ラベルサプライ市場の動向
熱転写リボン市場
(1)溶融型熱転写リボン
主要メーカーの販売量は2012年度にプラス成長に転じる
(表)溶融型熱転写リボン 市場規模推移(主要メーカー販売分)
(表)溶融型熱転写リボン 主要メーカー販売実績推移
ワックス系を中心にグローバル競争が激しさを増す
(図)溶融型熱転写リボンの構成
(図表)溶融型熱転写リボン タイプ別需要構成(2011年度)
参入メーカーはワックスレジン系、レジン系の開発により競争力強化を目指す
(2)昇華型熱転写リボン
フォトプリントのウェットからドライへのシフトにより
昇華型熱転写リボン市場は順調に拡大
粘着ラベル(印刷・印字用粘着材料)市場
食品・飲料、物流分野が牽引し、2012年度の国内市場規模は2010年度の水準に回復へ
(表)粘着ラベル 国内市場規模推移
(表)粘着ラベル国内市場 分野別構成
エンドユーザーの海外進出の加速化でグローバルプライスが浸透へ
(図表)粘着ラベルメーカーシェア推移(国内)
紙基材製品ではサーマルラベルが伸長
王子タック、大阪シーリング印刷、リコーの三つ巴の戦いが続く
(図表)粘着ラベル国内市場 基材別構成(2011年度)
(図)サーマルラベルの構成
(表)粘着ラベル主要メーカー表面基材別販売量(国内、2011年度)
フィルム基材では幅広い品揃えのリンテックがリード
エイブリィ・デニソン・ジャパンはPPベース品で市場開拓に取り組む
(図表)粘着ラベルの構成
剥離紙市場
市場成熟、ラベルメーカーの内製化進展で2012年以降の需要は微減傾向に
(表)剥離紙市場規模推移(主要メーカー外販分)
(表)剥離紙主要用途別販売実績推移(主要メーカー外販分)
(表)剥離紙主要メーカー販売実績推移(外販分)
剥離剤の無溶剤化ニーズも一段落、新たな開発課題は見当たらず差別化が困難な状況に
コンバーターとしての開発・提案力で細かい要望にいかに応えていくかがカギ
(図)剥離紙の基本構成
第3章:ラベルサプライ・プリンタメーカーの動向と戦略
大日本印刷株式会社
溶融型・昇華型熱転写記録材市場でグローバルシェアトップを走る
溶融型では日・米・欧の生産拠点を活用した海外需要の取り込みをさらに積極化
昇華型ではデジタルフォトプリント分野でリテール向けの展開を強化
株式会社リコー
独自の技術でサーマルラベル・リボンを進化させ用途範囲のさらなる拡大に取り組む
2012年6月よりインド子会社で熱転写リボンのスリット加工・販売およびサーマル紙の販売を開始
得意とする食品、物流分野での展開をさらに強化
アンダーコート層技術&高機能発色材技術をベースとしたサーマルラベルのラインナップ展開
印刷媒体を選ばない幅広いマッチング特性が強み
ゼネラル株式会社
精密コーティング技術を活かした個別対応力に強み
中国をはじめとする新興国でサーマルリボン市場の開拓を強化
ワックスレジン系が伸長、メディカルや食品向けにレジン系の開発にも注力
ダイニック株式会社
樹脂・顔料の配合、薄膜コートなどコンバーターとしての技術力で
ニーズにマッチした高品質なサーマルリボンを供給
付加価値の高いレジンタイプからスタート、現在はワックス、セミレジンもラインナップ
販売量に占める各タイプの構成比はほぼ横並びと推定される
接着層、インク層、剥離層の組み合わせをカスタム対応
ニーズに合わせた層設計とリボンの製造技術に強み
ユニオンケミカー株式会社
サーマルリボンの充実した品揃えと品質の高さで多様なユーザーニーズに対応
販売量は横ばい推移が続くも、今後は日本を含めたアジア市場でのプレゼンス向上を目指す
食品包装の日付印字用途が堅調、レジン系でのさらなる機能向上に取り組む
リンテック株式会社
独自の技術力による品質・性能と顧客ニーズに対応する豊富なライアップで
「リンテックでなければできない」付加価値の高い製品を提案
2012年7月に中国拠点で粘着塗工設備1ラインを増設、生産能力は従来比倍増へ
2011年度は震災やタイの洪水の影響で微減推移も
2012年度は食品や医薬、物流用途を中心に需要が堅調に推移し、プラス成長へ転じる
「LVIP」は製品表示用、物流用として着実に需要を伸ばす
2012年6月にはラベル素材「REPOP」シリーズ強粘再剥離タイプの販売を開始
剥離紙は顧客の個別ニーズにカスタマイズした少量多品種対応に強み
大阪シーリング印刷株式会社
最適な包装形態を提案するワンストップサービスを推進
フィルム印刷で小ロット対応・低価格を実現し、フィルム製品の売上を伸ばす
食品分野を中心に表示ラベルの需要が堅調推移
デザイン提案や加工技術で差別化を図る
大王製紙株式会社
多品種の紙を手掛ける総合製紙メーカーの強みを活かし基材の品質向上とコストダウンを推進
2012年度は主力の食品分野が堅調推移
物流分野ではサーマルラベルの拡販を進める
優れた印字適性と高いコスト競争力を発揮する独自開発の合成紙タックで
ユポベース品の代替に取り組む
株式会社倉本産業
蓄積してきた粘着・印刷技術をベースにユーザーニーズを反映させた特殊品の開発を推進
日系ユーザーの現地調達ニーズの拡大を受け、2012年1月に中国に100%子会社を設立
自動車や電機・精密機器などの工業関連向けに需要は底堅く推移
フィルムベースの特殊品で強みをみせる
エイブリィ・デニソン・ジャパン株式会社
粘着材料・ラベル製品市場のグローバルリーダーの一員として
日本市場でのプレゼンス向上に取り組む
2012年1月に伊藤忠紙パルプと合弁でエイブリィ・デニソン・ジャパン・マテリアルズを設立
食品・飲料品分野を中心に国内需要のさらなる獲得を推し進める
2012年夏に「グローバルMDO」を日本市場に投入へ
王子特殊紙株式会社
一般産業、エレクトロニクス、環境・衛生と全方位で展開
剥離紙・フィルムは幅広い品揃えとニーズへのきめ細かい対応力に強み
剥離紙はラベル向けで安定した需要を確保
剥離フィルムでは厚さ80μmのOPPベース品を投入
株式会社サンエー化研
2ndサプライヤーのポジションで幅広い用途、ユーザーに供給
剥離紙販売量は2012年度以降微減での推移を見込む
多様なニーズへの対応力とスピーディーな開発・提案・対応力で需要を確保
住化加工紙株式会社
カイト化学のラミネート技術と住友化学の樹脂技術の応用で
付加価値の高い製品の開発・提案力に強み
材料の選択・組み合わせにより細かいニーズに対応した製品を作りこみ
ボリュームよりも品質・性能が重視される分野に特化
株式会社ユポ・コーポレーション
合成紙のパイオニア、トップメーカーとして国内外で高いシェアを確保
国内生産拠点のデボトルにより2015年までに4,000t/年の能力増強を実施
2011年は震災による企業、消費者双方による消費自粛傾向のあおり受けるも
2012年の需要はキャンペーン広告も復活し2010年並の水準まで回復へ
インキの浸透性を高め紙に近い印刷適性を付与したグレードが商業印刷向け中心に成長
吸水性、静電吸着性など機能性を高めたグレードの開発・投入も積極的に推進
東芝テック株式会社
2011年3月、国際チャートを子会社化サプライ用品のビジネス強化を図る
ラベルを中心としたサプライビジネスからユーザーにアプローチ
「医療SIer」への提案営業活動を本格化、具体的な用途開発を持って拡販を狙う
株式会社寺岡精工
卸・小売分野で70%以上 高耐久性ラベルなどの展開でサプライ用品ビジネスの強化を図る
コア4業種に対して求められる省力化・効率化機器やシステム、ソリューションを展開
全国37拠点の自社営業網に加え地域販社と販売代理店で万全の体制を構築
日本電気株式会社
トータルシステム構築で医療分野に強み、今後はサプライビジネスもさらなる強化へ
2011年度は大幅伸張、医療分野への拡販活動が結実
需要分野の約半数が医療分野、2012年度は流通分野構成比が伸張
サプライではユーザーをある程度特定した具体的なニーズ対応を図る
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